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悪魔になった私の冒険録  作者: 炭酸水
6/15

決着

「くっ!」



後ろに飛び躱そうとしたが肩を斬られてしまった。



「ほっほっほ、その反応速度人間とは思えませんね」



老人は剣を八の字に振ると、腰にスッと納めた。



「一度この手の輩と戦ってみたかったんですよ」



老人は髭を丁寧に伸ばしながら言った。



「カルア……先行っといて」



カルアの襟首を掴んだ。



「待ってナツ。死ぬ。マジで死ぬ!」



カルアは顔を真っ青にして言った。



「どのみちここにいても死ぬの!」



私の剣幕にカルアは萎縮する。



「ごめん!すぐ行くから!」



場外に向かって全力でカルアを投げ飛ばした。



「もうよろしいですか?」



老人はあくびをしながら言った。



「あら?待たずに攻撃してきたらよかったじゃないですか?」



「いえいえ、私は紳士ですから」



ペコリと頭を下げるが決して顔はこっちを向いたままだった。



「リリアス=ゲヴァスタ参る!!」



腰から剣を抜き、構える。



剣は全く揺れることもなく、真っ直ぐにに私を捉えている。



「それでは私から行きますね」



私はグッと踏み込むとひとっ飛びでリリアスに近づく。



鎌を大きく振りかぶり思いっきり縦に振った。



鎌の延長線上に斬撃が飛び、近くの民家が真っ二つになった。



しかし、リリアスは横にさっと退き避けていた。



ここぞとばかりにリリアスも全力で振り下ろして来た。



鎌の柄でなんとかガードする。



「そういえばどうして私たちがいると不幸になるんでしたっけ!」



リリアスを蹴り飛ばし、私も下がり距離をとる。



「簡単な事ですよ。貴女方悪魔がのうのうの人間と共に生きている事がおこがましい」



(私が悪魔?何を言っているんだ?)



リリアスは剣を横に構えて迫ってくる。



「顕現っ!!大鏡面!!」



鎌を横に薙ぎ、裂けた空間から大きな鏡が現れリリアスの行く手を阻む。



「乗り越えればよかろう!」



大鏡面を飛び越え、振り下ろされた剣をまたしても柄で受け止める。



(おっもぉぉぉい!)



リリアスは顔を真っ赤に染め、全力で力をかける。



「力比べでは負けませんよ!」



リリアスは剣を倒して、肩の傷口を広げる。



激痛に顔を歪めるがなんとか少し押し返す。



「私たちが悪魔ってどういうこと!!」



鎌の刃の部分を踏みつけ、柄をテコの原理で剣と拮抗する。



「そんなのおまえたちの親に聞くんですね!」



リリアスの蹴りが腹に炸裂する。



ダウンしそうになるが気力で我慢する。



リリアスの膝、腹、胸を利用して鉄棒の如く一回転し、力比べから脱した。



しかし、鎌は落としてしまった。



(無理だ!勝てない!)



大きく乱れた呼吸を整えながら少しずつ後ろにさがる。



「貴女、負けましたって顔されてますよ。潔く死んで頂けますか?」



「ちくしょう!!」



自分の頬を叩いて震い立たせる。



下を向くと肩の血が地面に溢れる。



(来て貰うしか……無い!)



決死の覚悟を決め顔を上げた。



しかし、音もなくリリアスが肉薄していた。



「がぁ!!!」



リリアスの剣は完全に胸を貫いた。



「油断大敵ですね」



剣を押し込みながら邪悪に微笑む。



「おまえもな!」



リリアスの腕を掴む。



「何?諦めがわ……」



瞬時に鎌を召喚し、全力でリリアスの首を跳ねた。



首の無いリリアスの死体はそのまま地面に倒れ伏した。



私は今にも遠のきそうな意識を保ち、鎌に魔力を籠めて一閃する。



「顕……現…、ア…ン……ク」



しわがれた声だがなんとか呼び出す。



裂けた空間からエジプト十字が現れる。



それから発せられた光は私の全身を包み、傷や服を癒してゆく。



「あぶなかったぁ~!」



私はそう叫ぶと地面に転がった。



技量でも身体能力でも劣っている相手に勝つには不意打ちに限る。



本当に心臓を刺した時に油断してくれたことが良かった。



そうでなければ今頃リリアスの様に転がっているかもしれない。



「あっ!やばい!やばい!町の人が来るかもしれない。急がなきゃ」



私は立ち上がり背中を払った。



(さ、カルア探しに行きますかね)



私は小走りで城門をでた。

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