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凡人は最強へと近づく

今後は毎日更新と致しまして、

18時頃に投稿したいと思います。

更新が難しい場合はお知らせ致しますので、

よろしくお願いします!


またTwitterでも更新情報などを出していますので、ぜひフォローお願いします!

(私の作者ページから飛べます)


「お、おまえは……!」


 知らず知らずのうちに視線が鋭くなってしまう。


 邪神族。

 ルハネスやサヴィターを筆頭として、世界に《殺戮と闘争》をもたらそうとする組織。


 まさかとは思っていたが、本当に潜んでいやがったとは……!


「せ、先生。あいつ、いったい何者ですか……? あの闘気、普通じゃない……」 


 リュアはさすが凄腕の剣士というだけあって、邪神の強さをすぐに見抜いたようだ。青白い表情で剣を構えている。


「ふふふ……彼が邪神ですか」 


 一方のミアは変わらずの余裕っぷりだが、相手は邪神。油断はできない。 


「リュア、ミア。君たちは下がってろ。あいつはやばい」


 俺はそんな彼女たちを庇いつつ、一歩前に出る。

 相手は神だ。

 ゴブリンとは訳が違う。


 そんな俺たちの様子を見て、邪神は含み笑いを浮かべる。


「くくく……アシュリーよ。転生の儀式以来か。本当に強くなったものだ」


「……ふん。あの場にいたってことかよ」


「もちろんだ。あのときのおまえとはまるで違う。かつての傀儡――アガルフ・ディペールなど、とうに追い越しているようだね」


「アガルフ……」

「国が呼び寄せたという転生者ですか……。そういえば、すっかり名前も聞かなくなりましたね……」 


 俺の後ろで生徒たちが呟く。


 アガルフ・ディペール……

 魔神を討伐してから会ってないが、いまはなにをしているのだろうか。


 気になるところではある。だが、いまはそれどころじゃない。

 俺は集中を切らさないまま、邪神を見据えて言った。


「答えろ。おまえ……こんなところでなにをしている」


「ふふ。教える義理はないな」


「…………」


 当然ながら、邪神に答える気はないようだ。 

 こちらから尻尾を掴まなければならない。


 ――と。


 ふいに、俺はあるもの・・・・に気づいた。


 それからおもむろに剣を鞘から抜き取ると、

「おおおっ!」

 短い叫声とともに、近くにあった大木を切り裂いてみせる。  


 その、瞬間。


「ガアアアアア……ッ!」  


 なんと、近くに潜んでいたらしい人間・・たちが、野太い悲鳴をあげて倒れるではないか。全員、俺たちに奇襲をかけるつもりで待ち構えていたようだ。


 しかも、この人間たちは……!


「おい邪神ども……」

 俺はあらん限りの怒りを込めて、邪神を睨みつけた。

「まだ転生の実験をやっているつもりか! これ以上の犠牲は許さんぞ!」


「ふふ。さすがだな。気づかれるとは」


 反して、邪神は薄ら笑いを浮かべるのみ。


 そう。

 俺がいま無力化させた人間たちは、かつてサヴィターが使役した実験体・・・に酷似している。転生に失敗し、使い道のなくなった人間たちを、思うがままに操っているのだ。


「…………っ!」


 背後のリュアが、ぎゅっと俺にしがみつく。


 邪神はそんな俺たちの様子を楽しんでいるのだろうか、変わらずヘラヘラ笑いながら続ける。


「だが……ひとつだけ間違っているな。これは《転生の実験》ではない」


「なに……」


「言うなれば、そう……新たなる実験。我々の目的を達するためのな」


 瞬間。


「あああぁぁぁっぁぁあああ……!」


 どこか遠くから、誰か見知らぬ人間の悲鳴が聞こえてきた。いわく例えがたい、恐ろしいほどの《悲しみ》に包まれているかのような。そんな叫び声だ。


「なるほど。今度はそれで《殺戮と闘争》を引き起こすつもりですか」

 さっきまで俺の背後に隠れていたミアが、突如、俺の隣に歩み出る。

「かつて転生者は、魔神を呼び寄せるために召喚されました。今度は……なにをするつもりですか」


「ほう……?」

 邪神が目を丸くする。

「これは驚いた。ずいぶんと事情に詳しいようだな、小娘よ」


「ふふ。褒めてもなにも出ませんよ♪」


「まあいい。――とにかくサヴィター様のお達しでな。実験を邪魔されるわけにはいかんのだよ。もし刃向かうのであれば……」


 言いながら、邪神はパチンと指を鳴らす。


 その瞬間だった。


「グオオオオオオオッ!!」


 突然、俺たちの周囲を十体もの化け物が囲い込んだ。


 漆黒に塗られた全身、禍々しいほどに尖った両翼、殺意の込められた紅い眼……

 忘れもしない。

 かつてファトル村を襲い、甚大な被害を出した災害級の魔物――漆黒竜だ。


「な、ななななんだこれは!?」


 リュアが仰天したように目を見開く。


「漆黒竜……! これは予想外でしたね……!」


 ミアもさすがに肝が抜けたか、数歩後ずさっている。色々と事情に詳しいとはいえ、彼女は武力に関しては本当に学生レベルなのだろう。演技ではなく、本気で表情が青ざめている。


「なるほど……そうか。そういうことか……」

 そんな生徒たちを守りつつ、俺はぽつりと呟いた。

「ファトル村で都合よく現れた漆黒竜……。やはり、おまえたちの仕業だったか……!」


「ふふふ……はーっはっはっは! わかったところでどうする! しょせん人間ごときでは、十体もの漆黒竜には適うまい!」


「そうだな。だったら……人間を超越すればいいだけだ!」


 ――EXステータス解放。

 かつて魔神シュバルツを倒したことにより、俺のステータスはさらに上がっていた。


――――


 

 アシュリー・エフォート 

 EXレベル 10


 攻撃力   620904

 防御力   603267

 魔力    679871

 魔法防御力 649851

 俊敏    619456


 EXスキル

  神へと至る道


――――



「えっ……」

「なんだと……!?」

 リュアやミア、そして邪神までもが、大きく目を見開いた。

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さて、早いところではすでに書籍発売しているようです! 書籍版は編集部の方と激論を交わして、さらに面白くなっています! また限定SSやカバーイラストのDLもつきますので、ぜひ買ってくださいますと嬉しいです! 私の作品を読んで、人生が変わるほど楽しんでいただけたら……これ以上のことはありません。 下記の表紙画像をクリックしていただけると作品紹介ページに飛べます。 よろしくお願い致します(ノシ 'ω')ノシ バンバン i000000 ツギクルバナー
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