表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/100

戦いの結末は

更新が開いてしまったので、最初にネタバレを含んだあらすじを記載しています。ご注意ください。


 


 ●前回までのあらすじ


 舞台はアシュリーがSSSランク就任の叙任式。その会場。

 穏やかに会が進む最中、会場に突如銃声が響きわたる。

 犯人はミア。彼女は邪神族に取り込まれ、ガルーア帝国の魔導銃でユージーン大臣を射殺してしまう。

 混乱に陥る会場。

 さらにはリュアの父――オルガント・レインフォートまでもが敵側だったことが判明する。その正体は転生者。圧倒的な力でもってアシュリーたちに立ちふさがる。


 アシュリーは、魔神と化したミアを守るために戦い。

 リュアとキーアは、最強の剣客オルガントと戦う。


 絶体絶命のピンチに陥ったとき、マリアスやガルムたちが駆けつけ、勝負は佳境に入る――!!



  ★


「あ……」


 俺は思わず、掠れた声を発する。


 マリアス・オーレルア。

 彼女の放った濃紺の可視放射が、ミアを取り込み。

 最初は奇声をあげて暴れていたミアが、少しずつ落ち着きを取り戻しているのだ。と同時に、身体からドス黒いオーラが抜けているのが感じる。


 あのオーラには見覚えがあった。

 かつてキーアが魔神シュバルツに取り込まれていたときも、同様のオーラがあった気がする。あれが抜けているということは……


「ああっ……」


 ミアは一際大きな声をあげ。

 ばたりと、その場に崩れ落ちた。


「ミアっ……!」

 急いで彼女の元に駆け寄り、上半身を抱き起こす。

「ミア! 大丈夫か、ミア!!」


「んんっ……」


 よかった。

 無事そうだ。

 体温が異常に高いし、全身の汗もすさまじく流れているが……命に別状はなさそうだ。


 と。

 その可憐な瞳が、ゆっくりと見開かれた。


「あら……アシュリー、先生……?」

「ミ、ミア……?」

「先生。これはいったいどういう……?」

「ミア! よかった、無事だったんだな!」


 我を忘れ、俺は思い切り生徒を抱きしめてしまう。

 シチュエーションが違えば立派な犯罪になってしまうが、構っていられなかった。


 こんなにも……こんなにも。


「よかった……君が無事でいてくれて……!」


「あっ。その、アシュリー先生っ」

 いつもの調子はどこへやら、ミアは顔を赤くしてされるがままになっている。

「もう、大丈夫です。私のなかの魔神は……いなくなりました」


「そうか。本当なんだな……!?」


「もう。心配性なんですから」


 だとしたら、リアヌやマリアスのおかげと言う他ない。

 彼女らが助太刀しにきてくれなければ、いつまでも泥仕合を続けていたに違いないから。


「マリアス。ありが――」


 俺がお礼を言いかけた、そのとき。


「ぬおっ……!」


 また別のところで、男の悲鳴が聞こえてきた。


 振り返れば、最強の剣客――オルガント・レインフォートが膝をついているのが見える。


「ぐぬ……ふ、ふふふ。リュア。さすがに予想外であったぞ。この土壇場で……かような剣技を繰り出すとはな」


「父上……」


 対するリュアもかなり満身創痍だった。

 親子ともども、大剣を床につきたて、それをもって自身を支えている。疲労のためか、遠目でも全身が震えているのが見て取れた。


 その姿勢は――二人ともまったく同じで。

 俺は否でも応でも、親子という言葉を思い出さずにはいられなかった。


「私はまだまだ未熟です……父上。ひとりでは、あなたの境地にはまだまだ至っていない……」


「ふふ。案ずるでない。《最強の剣士》と呼ばれた私が膝をついてしまったのだ、自信を持ってよかろう」


「父上……」


「私は嬉しいぞ。アシュリー・エフォート……良き師を持ったようだな」


「はい。短い期間なれど、アシュリー先生から学べたものは数多くありました」


「ふふ、そうか……」

 そこまでの会話のあと、オルガントはさすがに限界がきたのか、「ぬおっ……!」と姿勢をよろめかせる。

「よいか、リュア。間もなく激動の時代が始まる。たとえ強大な力が襲いかかろうとしても――自分を見失うな。よい、な……!」


 そこで意識が途切れたのだろう。

 オルガントはその場でうつ伏せになり、動かなくなった。


 むろん、彼ほどの傑物が容易く死ぬわけはない。気を失ったのだと思われた。


「もちろんです、父上……」


 リュアもそれだけ呟いたあと、父と同じ姿勢でうつ伏せに気を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さて、早いところではすでに書籍発売しているようです! 書籍版は編集部の方と激論を交わして、さらに面白くなっています! また限定SSやカバーイラストのDLもつきますので、ぜひ買ってくださいますと嬉しいです! 私の作品を読んで、人生が変わるほど楽しんでいただけたら……これ以上のことはありません。 下記の表紙画像をクリックしていただけると作品紹介ページに飛べます。 よろしくお願い致します(ノシ 'ω')ノシ バンバン i000000 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[気になる点] もう今更かもしれませんが、キーアが魔神シュバルツなので、ミアは魔神フォーストのほうがいいと思うんですよね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ