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黒き雷光⑫ 二人旅 - 1
駆け出しだが見事黒き雷光のの相方の地位を獲得したナナ。クライアントの精神世界の旅もどこか遠足気分だったりするが、油断はない。言葉少ない雷光だがしっかり自分を見ていてくれる、という自覚が彼女にはあり、少しでも早く成長して名実ともに彼の相棒になりたい、と意欲をつのらせる。これから歩む長い道のりは、彼女には光り輝く希望の道に見えていた。
【黒き雷光⑫ 二人旅 - 1】
(ナナ視点)
おじさんと精神世界を旅ゆけば心も弾む。
やっと得た私の居場所。おじさんの隣に立って
思い切り私を認めさせるんだ。相棒だって。
胸の内、決意新たに空見上げ暫し佇む。
「何してる? 余所見をするな」 おじさんに怒られちった。
「ご、ごめん。何でもないよ」 何となく笑って誤魔化す。
「おいてくぞ、ついてこないと」 おじさんが静かに急かす。
「今行くよ。置いてかないで」 振り向いて、私は言った。
小走りにおじさんの方に駆け寄って、並んで歩く。
こんなにも心静かにいられるの、いつ以来かな?
「ここだけが私の居場所なんだから」 しれっともらす。
眉一つ動かす事なくおじさんは無言で歩く。
ちょっとだけ放っといたから。もしかして拗ねちゃったかな?
「当然だ」 小さな声でぼそっともらす。




