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詩集 マインドトラベラー  作者: fengleishanren
赤き稲妻編
17/26

黒き雷光⑪ バラッド:アシスタント

 黒き雷光が新たに得たものは、拠点と後輩だけではない。二人連れになった雷光を実務面から支えるアシスタントがついたのである。ナナよりも少し若年で、かつてのクライアントであった彼女もまた、雷光に己の居場所を見出していた。実際、彼女に巣食う不安定要素を鎮め、彼女に普通の生活が出来る様にしたのは雷光だったが、彼は彼女の事情には関心がなく、仕事が出来ればそれで良かった。


 既にこれまでの経緯から、彼女が他の人間に心を開く事は無くなっていた。それすらも雷光にとってはどうでも良かった。再び依頼でもあれば、そんな彼女に仕事上の関心を持った事だろう。

【黒き雷光⑪ バラッド:アシスタント】


 「ごめんなさい。私ったら」

 「いえいえ、気持ちは分かります」


アシスタントはナナよりも二歳年下の女性だ。

一見清楚で儚げで「守ってあげたい」タイプだが、

実は戦闘愛好者。バトルジャンキーなのだった。

相手構わず噛み付いて、暴れて周囲を破壊する。


その上当の本人は暴れた記憶がないときた。

「治療」と称して関わった数多の組織や専門家。

その尽くが壊滅し、病院送りは数しれず。

それでも拘束されないで普通(?)に生活出来るのは


類いまれなる才能を彼女が持っていたからだ。

更にはすべての騒動で死者が皆無である事も

彼女にとって幸いな事であったと言えるだろう。

そんな彼女を完璧に沈静化した人物が


黒き雷光その人だ。彼が一緒にいるだけで

彼女は普通に振る舞った。他にも彼女に関わった

トラベラーたちはいたものの、その尽くが失敗し、

惨事を招いて退いた。


何故彼だけがこんなにも違う結果を出せるのか、


当然調査も分析もされたが未だ未解決。

「雷光の謎」のひとつに加える事になっただけ。

二年も前の事だった。そして今回雷光の

オフィス移転に伴って、国は彼女を雷光に


助手という名で送り込み、厄介払いをしてのけた。

彼女は雷光オフィスで研究自体は継続し、

データはすべて当局に吸い上げられる事になり、

彼女もそれを受け入れて雷光の所にやって来た。


オフィスの地下には広大な研究施設が存在し、

彼女はそこに住んでいた。。否。事実は全く逆だった。

施設の上に、雷光のおニューのオフィスを建てたのだ。

事実を知っても、雷光は何も反応しなかった。


彼にとっての関心事。それは仕事が出来ること。

他の事など意味がない。役に立ちさえすればいい。

アシスタントの新人も、オフィス管理の新人も

この上もなく優秀で、不満を感じる事も無い。


挿絵(By みてみん)


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