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詩集 マインドトラベラー  作者: fengleishanren
赤き稲妻編
15/26

黒き雷光⑨ バラッド:新人研修

 青天の霹靂。それは突然やってくる。だからこそその名があるのだが、雷光もまたそれを痛感することになった。十年ぶりに訪れる波乱の予感。彼はどう向き合っていくのか。


※詩行の定型がいつもと違って

五七(三四又は四三)五四基調になっています。これはソネット用に作者が使っている定型です。

【黒き雷光⑨ バラッド:新人研修】

-- 五-(三-四又は四-三) - (五-四又は四-五 )/行 の定型基調です --


雷光はMITA(まいた)オフィスに呼び出され、マーシャの

説明を聞かされていた。このところ需要の


急増で、人手が足りず、新人の配備が

急がれた結果現場が!研修の最後の


段階を受け持つことになったのだ。勿論

雷光の下にも一人配属が決まった。


顔合わせのため呼ばれてやって来たのだった。

ミーティングコーナーで待つ新人は


雷光もよく知る女性に間違いはなかった。

満面を見るとたちまち満面の笑顔だ。


まさに、


待っていた新人を見た雷光は呆然。

やってきた雷光を見た新人は陶然。


何食わぬ顔をしながらマーシャは切り出した。


 「じゅうごくん、こちらナナちゃん。新人よ、あなたの、、」


ナナちゃんと呼ばれた女性が雷光を見つめた。

雷光は肩をわずかに震わせて佇む。


 「久しぶり。元気にしてた? 私だよ、おじさん」


見るからに、折れそうだった儚げな少女が

劇的な成長を遂げ、感動?の、再会?


 『十年は経っただろうか。こんな日が来るとは。。。

  契約が終わった後は忘れてた、すっかり。

  マーシャさん、この日のためにあの後の話を

  せずにきた。こんな事って、ありなのか? まったく』


雷光の思いは巡る。複雑な心境。


 「マーシャさん。はかりましたね。」 

 「じゅうごくん、何のことです? 人選は上から、、」

 「その上に圧力かけたの、マーシャさんですよね」

 「気のせいよ。私なんかに出来る訳ないでしょ」


言いながらマーシャは少し目をそらす。必死に

笑うのを堪えているが、口元が微妙だ。


 『あくまでも知らん顔するつもりだな、この人。

  この人は、人をおちょくる為だけにここまで

  やるからな』 思う雷光。表情は変えない。


 『ぼやいても仕方がないか。これもまた、仕事だ』


諦めの境地に入り、雷光は改めて

眼の前の新人うを見た。あの時の少女の

危うさがすっかり消えた、純真な笑顔に、

雷光はたじろぎながらもしっかりと向き合う。

美しい瞳が宿す穏やかな輝き。

整った口元に浮かぶ上品な微笑み。


 『あの顔は何かたくらむ時にする顔だな』


思い切り警戒してるとナナが言う。怪訝に


 「失礼な事を考えているでしょ、おじさん」

 「いや、別に」 とぼけながらも舌を巻く雷光。


 『ああ、やはりこのパターンにハマるしかないのか。

  それならば研修なんかさっさと終わらせて

  平安を手に入れるまで。私って賢い』


雷光のその考えははかなくも潰える。

この後でマーシャが辞令を告げたからであった。

この二人、この後更に二十年以上も

活躍し、伝説になるのであったがそれは

また別の話。


−−−−


(ナナ視点)

十年の月日が経つ、あれから。

出来る事、何でもやった。必死に。

学校に復帰はせずに独学で学んで

学力の認定審査を通過して、MITA(まいた)

受験する資格を得たし、その後も努力して

エイジェント養成機関に入ったわ。そのあと

訓練に明け暮れたけど、そのあとの訓練、

厳しくて、何度も寮で泣いたけど、あれって

通過率、一万人に一人って、無茶苦茶!

通過した私って何? 何者?

まあいいわ。何だっていい。始まるの、これから。

本当の私の人生。思い切り楽しむ。

やる事はいくらでもある。これからは、とことん

付き合って貰う、おじさんに。思い切り。えへへへ。


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