黒き雷光⑥ いじめ被害者の孤独
いつの場合でも被害者は被害を受けた事は忘れないが、加害者は自分が加害者であるという自覚すら抱かないものだ。そして、最も無責任な傍観者は、被害者から見れば最も卑怯な加害者でしかない。専門家、あるいはいいひと気取りで、分かった様な口をきいて上辺だけ寄り添った様な態度をとる人々がいるが、どんな被害者も、そういう人々が薄っぺらい自己満足に浸り、低俗な虚栄心を満たす為にいるわけではない。
彼らは賢明にもそうした輩を遠ざけ、誰も入って来れない孤独の中に落ちてゆく道を選択する。心を守る、とはそういう事なのだ。それを理解しない者は、被害者たちに更に追い打ちをかける。それが人間というものだ。
【黒き雷光⑥ いじめ被害者の孤独】
少し後、彼女の心は深淵に沈んだ。
こうやって時折見せる不安定な顔が
まざまざと見せつけるのは、罪深き所業が
傷つけた心が時折痛む様。悲惨だ。
加害者にあるのは一つ、自らの娯楽だ。
加害者は他人に害を為したとは認めず、
傷つけた相手を死なせようと、気にも止めず、
人は皆、楽しみながらマトをいたぶるのだ。
気絶した後もうなされ、苦しみが続いて
閉じられた目から、涙がポロポロとこぼれる。
両の手は固く拳を握りしめ、戦慄く。
やる事は一つ。彼女の精神に入って
ダメージを引き受けながら悪夢からのがれる
手助けをすれば回復するはずだ、程なく。




