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一作目が終わってないのに二作目に手を出しました……。こちらも不定期になると思います。すみません……。
人間というものは色々な性格、そして個性がある。
ある者は平凡に生き、ある者は夢を追い求め、そしてある者は今日という日を生きるために必死にもがいている。
心やさしき者は分け与え、悪しき者は一粒さえも惜しいと我が物にする。
下々は高みを目指して這い上がっているというのに、上流の者たちは応援するどころかそれを蹴落とさんとする。
一体何故だ? 我々は元を辿れば同じ生命——人間だというのに。
貧富の違い、肌の色、言葉の壁。
それを抜きにしたとして、我々人間は平等だ。
ヨチヨチ歩く赤ん坊としてこの世に生まれ、ヨボヨボ歩く老人となり、人生を終わらせる人間だ。
それがどうした人間。今や進歩を諦めた廃人と成り果てたか。
どこもかしこも争いが絶えない。争いは何も生まないぞ。
何故自らの生を投げ打つ? 何故生きることを諦める? 何故——下らない起こった戦争に巻き込まれ死ななければならないのだ?
争う者、それに巻き込まれる者。それも皆平等に愚か者だというのだから皮肉だ。
こんな世の中、私はもうたくさんだ。この頽廃的状況を打開する妙案が浮かんでこないものか……。
私は考えた。だが浮かんだ案は途端に悪い方の予感ばかりが考えられる故全て却下となった。
そうだな……、まず人は何を理由にこれほどまで争う? 問題提議はそこからだな。
金のため? それもある。名誉のため? ああ、それも。もしくはただ喧嘩がしたいから? 論外だな。
よし。手っ取り早い方法を思いついたぞ。この世界の統治者に訊いてみようか。
世界のあらゆる事柄を理解する支配者であるなら、この世界の現状も分かっているはずだ。思い立ったが吉日、私はその者の元へと赴いた。
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辿り着いた。と言っても、私の力を持ってすれば一瞬だ。とても長い道のりを歩んできたわけではない。
私は今、1つの大きな門扉の前に立っている。
ここは言わば——この世界の始まりの場所。
世界はここから始まり、ここから繁栄し、そして今があるのだ。
この門扉の先にあるのはただの空間だ。その中央にポツンとひとつだけ、その空間に似つかわしくない豪奢な装飾品で彩られた『玉座』があるのだ。
その玉座に君臨する者こそ、この世界の支配者——即ち、王がそこにいる。
私はその門扉を、両の手を使い開け放った。
「帝よ! この世界を統べし者よ! 訪ねに参った!」
その広間にて、私の声だけが響き渡った。
——そう、虚しくもだ。
まさか、響いた私の声が消え失せるその前に、私の希望が消え失せるなどとは予想出来なかった。
結論を言おう。
王などそこには、居なかった。