夜伽のあとのあすなろ抱き
長旅から一月(ひとつき 1ヶ月後)のこと。私は婚約が決まった。
その婚約の宴に広高や泉娘、雪都を招いた。
この宴は三日三晩続いた。
宴の片付けを広高と泉達に任せ、私は自分の間に戻ろうとした時、継麻呂さまが話があると言われ、少しだけだと許した。すると継麻呂さまは、菫さまは嫁げばそのお方に抱かれるのですかと言われた。私は恥ずかしくも考えた。すると向こうから宴で飲んだ酒に酔った継さまが、継麻呂に、これこれ、菫に失礼だぞと優しく声をかけ、継麻呂を部屋に連れ、寝台で眠りにつかれた。いつの間にか宴の片付けが終わった頃、邸の灯は全て消え、皆眠りについた。私ももう遅いと眠りについた。
私は突然夜中に目が覚め、向こうからこちらに向かってくる足音がする。
そして扉がすっと開く。そして扉の方に目を向けると、広高がいた。
部屋に入ると広高は、部屋の灯台に灯をつけた。
灯台の灯をつけると、広高は話した。
広高「お前が嫁ぐとこの邸や俺達も寂しくなるだろうから、お互いの悩みを交わさないか?」
と言われ、私は突然の話にびっくりした。すると、腕
を掴まれ、
菫娘「ちょ…ちょっと。何!?」
広高「ずっとお前を抱きたかったんだ。」
と言われ、甘い口づけをしてきた。
そして今晩は、広高に強く抱かれた。
そして抱かれている間、いつの間にか眠ってしまった。
私は朝まだ暗いうちに起きた。すると広高が雑学の本を読んでいた。私は広高に本を見せてと言って見せてもらったが、大半を忘れてしまった。
すると、広高が、お前は忘れるのが得意だなと呟いて、私と広高はあすなろ抱きをして、衣を着直し、広高は部屋に戻り、私は、彼が置いていった本を胸に、眠りについたのであった。
おわり。