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死後型NVR-MMO-RPG『Spiritual World』  作者: 9アルさん
13/13

エルフだと色々辛い 3

 ストーリーが頭の中にできているのに文字に起こすと全く別の進行になっている...

 どうすればいいのこれ...


 正面受付には先程の嬢がいた。ヘキナに気づいたか視線をこちらに向ける。


「お待ちしていました。幽界より事情を確認いたしました」


 ある程度の事情はキメラ達が片付けた様だ。冒険者登録もハヅキについても問題なさそうである。


「それでギルドについてになりますが、何故少々特殊な事例なので、奥の方で私の上司が対応致すとのことで。どうぞ、こちらへ」


 受付嬢は隣にいる他の受付嬢に仕事を任せ、ヘキナ達を左手の方の扉へと案内した。


 スタッフオンリーとは書かれていないが、関係者以外立ち入り禁止なのは雰囲気でわかった。


 廊下が左右に伸びており一定な感覚で扉が設置されている。左の方に連れていかれると階段があった。


 何階分か上ってから1番近い扉の前に案内される。受付嬢が扉をノックした。


「リアです。例の件の方達をお連れしました」


 中から入室の許可の呼応が聞こえた。どうぞ、と言われ扉が開かれる。


 若い知的な男性が執務机に座っていた。整った顔立ちと衣服からキャリア感が漂っている。


「お座り下さい」


 男性は着席を促す。高そうなソファーに恐る恐る座った。目の前の男性はしゃべり始める。


「私はこのギルドのサブマスターのリクと申します。見ての通り種族は人間です」


「そうですか...」


 リクと名乗った男性は、話を続ける。


「単刀直入に言いますと、ギルドカードの発行は特に問題はありません。実際、神憑事態はそんなに珍しいことでもありませんし。貴方の能力もそのまま反映されます」


 冒険者のギルドカードには、冒険者ランク、個人を表す情報、パーティ情報とかが載っており、リアルタイムで更新されていくらしい。例え、なくしたとしてもステータスで呼び戻せるんだとか。


「問題はカードの発行とかではなくて、あなたのレベルのことです」


「俺の?」


「ええ。狙っている組織も組織なので早急なレベルアップが必要になります」


 狂夜叉はいつ狙ってくるのかが分からない。ハヅキのステータスは高いがそれで狂夜叉に勝つことはできない。もっともな判断だ。


「それでレベルアップ方法なのですが」


「?」




 周りは暗く、じめじめとした地面。大きな洞窟の中に揺れる影は三つ。

 ヘキナはエルフの姿となりハヅキも普通のプレイヤーのような格好をしている。


「早速ポップしましたよ」


 ヘキナは言われて“解析(スキャン)”を発動する。しかし、当たり前だと言われるようにモンスターの情報は表示されない。


 見た目は大きな黒いドラゴン。周りにまとっているオーラは明らかに新人プレイヤーがお目にかかる代物ではない。


「うわぁぁ」

 

 ハヅキは目を大きくして面白そうにみているが、ヘキナは単純にその場にしゃがみ込む。


「デストロイドLv.1423。なかなか良い個体ですね」


 リクはそう言って武器を振り下ろす。ドラゴンの咆哮とともに尻尾ははじけ飛んだ。


「ほら、ヘキナも撃てください」


 震える足に言うことを聞かせ、ギルドから借りた“煉獄の弓”を手に持つ。標的は大きいので外す心配はない。引き絞ってそのまま放った。


 ドラゴンはほんの少しHPが削られた。ハヅキも続けて攻撃を入れた。


「OKですね」


 リクはそのまま手に持っている大剣で空を切る。するとその太刀筋にあったドラゴンの首はいとも簡単に切れて地面へと落ちた。振動が直に伝わってくる。


 レベルアップを知らせるアナウンスがなる。ステータスを確認してみるとさっきまでとは全く違うステータスになっていた。


-------------------------------------

名前:ヘキナ

性別:女

種族:エルフ

タイプ:赤

階級:等活

年齢:23

職業:なし

所属:なし

称号:なし

Lv:67

HP:259/259

MP:312/312

WP:277/287

SP:42/42

-------------------------------------


「サブマスターはどれぐらいのレベルなんだ...」


「私のレベルは3852です。さっさとレベルを上げてしまいましょう」


 リクの提案したレベル上げ。ギルドサブマスターであるリクが先行して高レベルダンジョンに行き、モンスターを無差別攻撃していく。

 経験値の入りが多いので短期間のレベルアップが可能だ。


「やっぱり、俺の存在いらないだろ」


 保護役を立てる必要などない。そう思って仕方ないヘキナだった。

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