表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/188

洞窟探索 後編

 まさか、こんなに凶暴そうな狼に勝ててしまうなんて。

 種族も魔狼だったし、相当強い相手だったんじゃないだろうか?



〔魔王:サキ(仮)は魔狼:カークを倒しました〕


〔経験値を獲得しました〕


〔魔王:サキはLV1からLV10に上がりました〕


〔各種ステータスが上昇しました〕



 おお、LVが上がった!

 人生初のLVUPだ!

 でも、LV89を倒したわりには、10までしか上がらなかった。

 これは恐らく、魔王スキルの仕業だと思う。

 LVUPに必要な経験値量が最大となるって書いてあったし、間違いないだろう。

 これは、メタルな逃げ足の速いモンスターを倒しまくらないと。


 さて、この狼はどうしよう?

 このまま放置しても良いけど、何だかもったいないような気がする。

 もふもふの毛皮に、立派な牙や爪。

 これ、高値で売れるかもしれない。

 今は無一文だし、人や魔族の生活圏に行ったら、お金は必要になる。

 お金になりそうな物は、なるべく回収しておきたい。


 そんなわけで、この狼がどれだけの値打ちなのか、鑑定をしてみよう。

 そのための鑑定だからね。



〔魔狼:別名、試練の魔物と呼ばれる大狼。エルステルン山脈最奥部に生息し、侵入者を迎え撃つ。鋭利な爪や牙は、上質な武具へと加工されるため、人族、魔族共に高額で取り引きされている。また、毛皮は保温性だけでなく、衝撃吸収性にも優れている為、こちらも高額で取り引きされている〕



 やっぱり、高値で取り引きされてる。

 この爪や牙を全部持って行ったら、そりゃあもうウハウハだろう。

 でも、毛皮はどうしよう?


 Q.剥ぎますか?

 A.無理です。


 私にグロいことをしろと?

 無理無理。

 生粋のヒキニートである私に、そんな芸当が出来るはずがない。

 前世の私は、ホラゲーは好きだったけど、グロゲーは大嫌いだった。

 だから、こんな、どこかのグロゲーの拷問のような、生皮を剥ぐような行為が出来るはずがないのだ。



〔対象の剥ぎ取り等に嫌悪感を抱かなくなる、嫌悪無視のスキルを獲得可能です〕



 余計なことすんな!

 別に、そこまでして毛皮が欲しいわけじゃないし!

 でも、爪や牙を持って行こうにも、どうやったら回収できるだろうか?

 見るからに堅そうだけど、私の攻撃力は2000だし、この狼にも痛手を与えていたし、もしかしたらポロッと取れるかも?

 そう思い立った私は、狼の前脚のところへ行く。


 間近で見る爪はまるで、どこかの刀匠が打った日本刀のようだ。

 切れ味凄いんだろうな。

 刃の部分を持たないように、横からトンッとやったら、見事にポロッといったよ。

 こいつの爪が脆いはずがないと思う。 やっぱり、私の力が強すぎるんだ。


 同じ要領で全ての爪と、牙の中でも立派な、上下の4本を回収した。

 爪を回収した時に、根元から取れてしまったものが有った。

 そのせいで、少しだけ返り血を浴びてしまった。

 更に牙の回収で、全身よだれまみれだ。

 気持ち悪い、お風呂入りたい。

 でも、お風呂なんてあるはずが。



 この世界で、最初に目覚めた場所。

 地底湖のあった空間だ。

 地底湖の水で、体を洗い流してしまおうと思い、引き返してきたのだ。

 服までベタベタだったから、着衣のまま地底湖に飛び込む。

 地底湖の水は思ったほど冷たくなく、ひんやりと心地良い。

 私は、体に付いた汚れを落としていった。

 この行動が、後にあの様な出来事を引き起こすとは、今の私には知る由もなかった。



 さて、汚れも落とした事だし、先へ進もう。

 狼が居たのは、広い空間だった。

 その奥には、狭い通路に繋がっていた。

 他に道は無い。

 案外、簡単な洞窟なのかも?

 私は、その通路へ入っていった。


 しばらく進むと、岩だった通路が、石のレンガで造られた通路へと変わった。

 明らかに、人の手が加えられている。

 更に、通路の奥から光が差し込んでいる。

 出口だろうか?

 私は自然と、その光へ向かって走り出していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ