転生って意外と時間が掛かる
《惑星名『シェイムラピアル』内にて、個体名……の魂を確認》
《続いて、惑星名『シェイムラピアル』のシステムデータを、個体名……へ、インストールします》
《インストールと並行し、各種設定を行います》
淡々と進んでいく転生に、私は何をする事も出来ない。
ただ、胸高鳴るこの期待は、裏切りはしないと思う。
だって、淡々と進むインストール中に、スキルとかレベルとかステータスとか聞こえてしまったから。
夢が広がる。転生したら、何をしようか?
そう言えば、記憶はどうなるんだろう?
色々と便利だろうし、前世の記憶は出来れば持っておきたいけど。
《個体名……より、前世記憶データの転送申請》
《申請受理。前世の記憶データを、構築中の肉体へ転送》
薄々感づいていたことが、確信に変わった瞬間だった。
この“声”は、私の要求に応えてくれている。
もしかしたら、美人になりたいとか思えば。
《個体名……より、肉体の外見変更申請》
《申請受理。構築中の肉体を変更。外見ステータスのランクを引き上げます》
間違いない。色々な事への疑問は尽きないけど、美人であることに越したことはない。
その後も、自分勝手な要求を色々としてみた。
そして、その要求の大半が通ってしまった。
これが神様からのプレゼントなら、ありがたく受け取っておくことにしよう。
《肉体の構築完了。ステータス、肉体への最適化完了。転生完了まで、残り10秒》
もうすぐ、転生も完了しそう。
期待と、ほんの少しの不安を抱えながら、その時をじっと待つ。
《転生完了まで7……6……5……4……3……2……1》
《個体名……は、惑星名『シェイムラピアル』にて構築された肉体へ、転生を完了しました》
《以降のナビゲーションは、惑星名『シェイムラピアル』のシステムに移行されます》
《ご利用、ありがとうございました》