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134 対策会議

 私達はロウゲン王に、現状の説明をした。

 やっぱりロウゲン王もセラメリアの存在を認識したようで、彼女の目的を聞いても、あまり驚いた様子はなかった。



「やはり、あの殺気……いや、恐怖そのものか。あれはセラメリアのもので、間違いなかったのだな。そして、世界の崩壊を目論んでいる」

「その通りです」

「しかし、相手は伝説だ。我らにいったい、何が出来ようか」

「鍵となるのは勇者の存在です。リンのスキルなら、セラメリアの馬鹿げたステータスにも届くはず」



 そのリンちゃんだけど、まだ目を覚ましていない。

 カグラもそうだったけど、一度強制ログアウトになると、しばらくは再ログインができなくなってしまうようだ。

 再ログインまでの時間は分からないけど、なるべく早く戻ってほしいものだ。

 目を覚ましたら全てが終わってた……なんて、笑えないからね。



「まずは、この混乱を鎮めることから始めましょう」

「簡単に言ってくれるな。現状、どれだけ混乱しているかなど、想像に難くない」

「しかし、ロウゲン王を含め上位の方々は、セラメリアの恐怖に耐性を持っている様子。ならば今こそ、王として民を導かなければ。それが、王の責務ではないでしょうか?」

「ならば、民の為の偶像が必要だな」



 偶像……?

 ちょっと待ってロウゲン王、嫌な予感がするんですけど。



「勇者と魔王。二名が共に手を取り、恐怖の権化へと立ち向かう。余が魔王と勇者を信ずると民に言えば、余が宥めるより幾ばくか効果があろう」

「待ってください! それでは示しがつきません!」

「分かっている。そして、お前達に命運を託そうとしている事もな。だがどの道、兵士も役立たずになっている今、我らはすがるしかないのだ。お前達と言う偶像に」

「ですが!」

「流石に、全てを背負わせようとは思っておらん。戦闘以外の支援は惜しまないと約束しよう」

「……でしたら」



 私達は魔王城へ帰ることにした。

 移動はカグラの転送ではなく徒歩だ。

 と言うのも、全ての生物が恐怖しているようで、馬車は使うことができない。

 さらに、アナスタシアが呼んだ増援が到着していないことを考えると、増援の騎士も混乱状態と考えて良いだろう。

 そのままにしておくわけにもいかないし、恐らく孤立している騎士を回収しつつ帰るとしよう。


 ちなみに、リンちゃんは連れて帰ることにした。

 確かに、リンちゃんの力は素晴らしい。

 でも、リンちゃんはセラメリアとの戦い方を知っているわけではない。

 セラメリアのことだ。 ステータス差、レベル差なんか簡単に覆してくるだろう。

 だから私は、リンちゃんにセラメリアとの戦い方を叩き込まなければならない。

 じゃないと私達は、セラメリアに食い下がることすらできないのだから

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