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133 復活

 私達は杖に近づいていく。

 さすがに怖じ気づいたか? ブルブルと体を震わせている。

 おそらく、こいつらに感情はない。

 初めて知った感情が恐怖って言うのは可哀想だけど……。



「これで終わり」



 私は魔神爪サイカで、杖の体を貫いた。

 やれやれ、一時はどうなるかと思ったけど、どうにかなって良かったよ。




〔???を倒しました〕


〔経験値を獲得しました〕


〔魔王:サキはLV90からLV110に上がりました〕


〔人族:カグラはLV60からLV90に上がりました〕



 よし、あとはエレヌスさんを追うだけ。

 急がないと何をしでかすか……。


 杖は、私達に恐怖しているわけではなかった。

 私達も、感じ取ってしまった。

 ……特大の恐怖を。

 全身に悪寒が走り、冷や汗が止まらない。

 体の震えを、止めることができない。

 なんて殺気を放ちやがる。



「サ、サキさん……何ですか、これ……」



 考えたくもない。 あいつと関わりたくない。

 あいつを倒そうだなんて、考えてはいけなかった。

 そう思わせる存在感。

 絶対的な支配者たる、禍々しい殺気。

 あいつが……復活しやがった。


 私はライブラリを開き、あいつの居場所を調べた。

 その場所は……ネレディクト帝国。

 サクラノ王国とネレディクト帝国は、かなりの距離がある。

 それなのに、まるで近くに居るかのような存在感。

 どうしよう、このままじゃ身動きもとれない。



《セラメリアのスキル:恐怖に対してスキル:恐怖耐性を取得します。よろしいですね?》



 妖精さん、ありがとう。

 私はスキルポイントを支払い、恐怖耐性を取得した。

 ……よし、かなり楽になった。

 それでも、怖いことに代わりはないけど。



「カグラ、恐怖耐性のスキルを取って。それでいくらか楽になるから」

「わ、分かりました」



 私は一度戻るために、リンちゃんの体を担いだ。

 それと同じタイミングで、ユキメからテレフォンが入る。

 嫌な予感しかしないね。



《サキさん、大変です!》

《落ち着いて。何があったの?》

《魔王城の皆さんが、泣いたり叫んだりとパニック状態です! レイロフさんやベルンハルトさんがどうにか収集しようとしていますが、私達だけではどうしようもなくて》

《……分かった。なるべく早く戻る》



 ……この分だと、他の国も同じ状況か。

 気になるけど、まずはロウゲン王に報告しないと。



「やはり、あの禍々しい気配は、セラメリアだったのですね」



 ロウゲン王を待つ間、私はカンナさんとソウリュウさんに状況の説明をしていた。

 やっぱり、あれがセラメリアだと認識している。

 それもそうだ。

 あの殺気と恐怖に乗せて、自己紹介をしていたようなものだったからね。

 有無を言わさず、自身の存在を認識させる……恐ろしい話だ。

 だからこそ魔王なんだろうけど。



「ですがサキさんは、このままにしておくつもりもないのでしょう?」

「当たり前です。あいつは、倒さなければなりません」

「……何故、そこまでセラメリアを? 何か理由があるのですか?」

「お話しますが、その前に……」



 カンナさんは察してくれたようで、使用人に席を外すよう伝えてくれた。

 使用人は平静を保っているようで、内心パニック状態だ。

 そこからさらに混乱させるようなことは避けたい。



「では、お話しします。セラメリアの目的を」



 私は、セラメリアが成そうとしていることを伝えた。

 その内容に、カンナさんもソウリュウさんも、そしてカグラも驚いている。

 それもそうだ。

 だってセラメリアの目的は、この世界を破壊することなのだから……。

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