112 VSイカ
〔LV:30〕
〔名前:グラン・イカゲソール三世〕
〔種族:マオウイカ〕
〔HP:10000〕
〔MP:3800〕
〔SP:2400〕
〔攻撃力:900〕
〔守備力:1200〕
〔魔力:1400〕
〔魔法耐性:800〕
〔魔王烏賊〕〔水棲〕〔墨4〕〔水冷魔法4〕〔多段攻撃8〕〔触手〕〔共食い〕〔自食い〕〔再生7〕〔軟体〕
まあまあだね。
私の敵ではないけど。
私は魔神爪サイカの装甲部に、雷水晶をはめ込んだ。
今回、面倒な討伐依頼を受けた理由は、魔神爪サイカの属性付与がどれほど機能するか、そのテストをするためだ。
この結果次第では、私の技にもバリエーションが増えるのではないかと見込んでのこと。
と言うわけで、まずは思いっきり手加減をして、触手を殴ってみる。
一撃で倒しちゃったら、テストの意味がないからね。
で、結果だけど、殴っても雷属性は付与されていた。
どうやら、魔神爪サイカ全体に、属性が付与されるらしい。
《と言うか、そいつ食べられるの?》
《見た目イカだし、食べられるんじゃない? あ、私えんぺら食べたい》
残念だけど、えんぺらは指定素材だから食べちゃ駄目だよ。
他の部位は食べても大丈夫だから、みんなで食べるとしよう。
さて、他にも色々と試さないと。
そう言えば最近、魔王のブーツの効果である「こちらが行動するまで相手は行動できない」が発動しない。
魔王シリーズの効果は魔王のスキルに統合されたから、装備していなくても発動するはずだ。
で、検証の結果。
先ほど攻撃して分かったけど、どうやらスキルに統合されてから、少しだけ効果が変わったようだ。
LVの低い相手なら、こちらが行動するまで相手は行動できない。
だからこいつは、私が呑気にシャドウサーヴァントと話していても、攻撃することができなかった。
効果が下がってる。
もしかしたら他にも、効果が下がってるものがあるかもしれない。
そこら辺は注意しておかないと。
確か、全ステータスにプラス補正と、全物理属性耐性が25%上昇だったかな?
かなり有用だっただけに、この効果が下がってるのは痛いかも。
まあ、現状かなりステータスも上昇してるし、あまり考えなくても良いかな?
《あまり考えなくても良いけど、目の前はちゃんと見た方が良いよ?》
考え事をすると周りが見えなくなってしまうのは、私の悪い癖だ。
私の目の前には、イカの無数の触手が迫っている。
避けるのは無理臭いし、ここは防御しておこう。
触手の濁流に襲われる。 けど、ダメージはない。
触手の濁流が終わると、いつの間にか私の両手足に触手が巻き付いていた。
《このまま触手で酷いことするつもりでしょ!》
《エロ同人みたいに!》
うるせー! 部外者は引っ込んでろ!
あと、エロいことに期待しすぎ!
頭に来たから、私を拘束している触手をひきちぎってやった。
……再生のスキルって凄いね。
ひきちぎったところから、新たな触手が生えてきたよ。
再生しても、HPが回復するわけではないんだね。
むしろ減ってるわ。
自分のHPを消費して再生させるってわけね。
もしかしたら便利なスキルかと思ったけど、何とも微妙だね。
私は高くジャンプし、えんぺらを切り落とした。
よし、これで気兼ねなく料理ができるよ。
雷水晶を取り外し、代わりに炎水晶をはめ込んだ。
ああ、醤油があれば良かったんだけど、今は持ち合わせてないからな。
確かサクラノ王国に売ってたはずだけど、今から取りに行くのもあれだし。
仕方がない、このまま仕留めよう。
私はイカの頭上までジャンプし、頭から切り裂いた。
それと同時に、辺りに香ばしい香りが立ちこめる。
ただ、美味しく焼くには火力が足りない。
属性付与の物理攻撃としては優秀だけど、こういう使い方には不向きだね。
それから、水晶内の魔力。
本気で攻撃すると、一回の攻撃で使い切ってしまうのも難点か。
水晶に魔力を送れば再利用可能だけど、これに関してはケースバイケースだね。
さて、それじゃあこいつを、美味しく焼こうじゃないか。
《ゲソの唐揚げ!》
《えんぺら!》
唐揚げとか難易度高いわ。
ちゃんと持ち帰ってあげるから、きちんと仕事をこなしなさい?
《イエス、マイロード!》
《イエス、えんぺら!》