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魔王様のお宝サーチ能力は高すぎた 中編

 私の、RPGプレイ中の直感が冴え渡りすぎて困ってる。

 かれこれ1時間近く探索をしているが、ここまで宝箱を10個近くは開けている。

 中身はお金だったり指輪だったり強そうな魔物の牙だったり耳飾りだったり。

 指輪は、青い宝石がはめ込まれた銀細工の指輪で、装備するとHPが緩やかに回復するものだった。

 当然装備している。

 牙は、ヘビータスクと言う猪型モンスターの牙で、その硬度から様々な武具へ加工されるため、高値で取引されるそうな。

 お金になりそうだから回収した。

 耳飾りは、凶狼と言う狼型モンスターの牙を加工したもので、装備すると即死耐性が25%上昇する優れものだった。

 即死耐性は無かったから、装備しない理由がない。


 そして、今まで開けた全ての宝箱に、燻製肉も一緒に入ってた。

 最初の内こそありがたかったけど、さすがに出過ぎじゃない?

 もしかしたら、ダンジョンの宝箱には必ず、燻製肉が入ってるのか?

 燻製肉は美味しいけど、これだけ手に入ると飽きてくる。

 前世、私は死ぬ直前に、カップ麺を食べようとしていた。

 あのカップ麺を食べられなかった事が、唯一の心残りだ。

 カップ麺食べられなかった事が心残りって、我ながら終わってるわ。


 それから、モンスターとも何度か戦った。

 どれも不意な遭遇で焦ったけど、何とかなった。

 そもそも、私から戦いに行くはずがない。

 戦ったモンスターは、一番弱くてLV60、一番強いとLV79だった。

 かなり高LVなモンスターばかりだから、このダンジョンは難易度が高いのかもしれない。

 そのはずなのに、どのモンスターも相手にならなかった。

 おかげで、私のLVも16まで上がったけどね。


 体感的には、このダンジョンも半分ほど攻略していると思う。

 おかげでダンジョンの構造も、おおよそ把握できていると思う。

 今のところ、トラップにも出会っていないから順調だと言える。

 毒や麻痺や即死やダメージのトラップには出会いたくないが、転送系のトラップには出会いたいところ。 入り口に戻る系ならなお良し。

 私が行きたいのは、このダンジョンの奥ではなく、入り口だからだ。

 トラップの種類まで鑑定できたら良いけど、それは高望みし過ぎだろう。



〔トラップサーチのスキルにより、トラップの有無や種類を探る事が可能です。200スキルポイントを消費して、トラップサーチのスキル獲得可能です。スキルを獲得しますか?〕



 おお、そんなスキルもあるのか。

 ちなみに、暇だったからステータスを詳しく鑑定してたら、現在の所持スキルポイント数を見ることができた。

 現在の私のスキルポイントは、11400ポイントだった。

 今のLVは16で、魔法衣のスキルに100ポイント支払ったから、LVが1上がる毎に100ポイント貰える計算になる。

 残りの1万ポイントはどこから手に入れたのかというと、多分転送特典だと思う。

 じゃないと、計算が合わないからね。

 さて、この“声さん”を待たせるのも悪いし、トラップサーチのスキルを獲得しよう。



〔承認しました。200スキルポイントを消費し、トラップサーチのスキルを獲得。スキルを肉体に適用。最適化します〕



 できることなら、もっと早く欲しかったね。

 これで、トラップに怯えなくて済む。

 でもこれ、トラップの存在は分かっても、解除はできないんじゃないか?



〔トラップを解除する為には、トラップリリースのスキルが必要です。トラップリリースのスキルは、トラップに対し、トラップサーチのスキルを50回使用することにより、スキルの獲得条件を満たします。スキルポイントによる獲得は不可能です〕



 条件が厳しいね。

 でも、これは便利すぎるから仕方のないことかもしれない。

 正直欲しいけど、今のところはトラップサーチだけでも十分だろう。

 さて、お宝を探しながら、先へ進もうかな。



〔宝箱の位置を探る為、トレジャーサーチのスキルを〕



 あ、別にいらないです。

 宝箱は直感で見つけられるし、トラップサーチのスキルを取ったから、トラップに出会しても対処できるからね。



〔…………〕



 あ、あれ? もしかして、気に障った?

 いや、それよりもあなた、感情があるんじゃない?

 前世……と言うか、転生中に聞いた“声”より、何だか物腰柔らかそうだし。

 あなた、いったい何者なの?

 そもそも“システム”って何なの?



〔権限LVが不足しています。魔王:サキ(仮)の問いには答えられません〕



 あ、そう。

 そこまでして隠したいんだ。

 今の私にはどうしようもないけど、いつか必ず答えてもらうからね。


 気を取り直して、先へ進む事にしよう。

 半分ほど攻略したと言ったけど、前言撤回。

 どうやらここが、このダンジョンの中間地点のようだ。

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