表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/188

それは唐突に

 どうしてこうなった?

 ワケがわからない。

 私はただ、ヒキニートとして、人生を謳歌したかっただけなのに。

 日本に暮らしていたヒキニートの私は、ある日、何の前触れもなく死んでしまった。

 そう、何の前触れもなくだ。

 私は中卒で、ヒキニートで、彼氏いなくて、友達いなくて、家族いなくて、アラサー、オタク、ゲーマー、コミュ障、中二病、腐女子、ロリコンにショタコン…。

 ダメなものが全て備わっていた。我ながら、人生ゲームオーバーだわ。

 でも、これは酷い。あまりにもあんまりだ。

 何故、私は死ななければならなかった?

 いくらゲームオーバーだからって、デッドエンドじゃなくても良いじゃないか。


 そもそも、私の死因は何だ?

 ただ漠然と、私が死んだとしか分からない。

 何とか、記憶を遡ってみよう。

 せめて、私の死因くらいは知っておきたい。

 そう思った瞬間、何かが頭の中に響いてきた。

 それは、とても機械的な“声”だった。



《個体名……より記憶再生の申請》


《……より申請受理。個体名……の記憶を再生します》



 今の声は何?

 そんな事を思う間もなく、私の記憶は私の意思に反して、その部分を再生した。



 そこに居たのは、数分前の私だった。

 私はいつもの様に、ネトゲに勤しんでいた。

 小腹が空いた私は、二階にある自室を出て、一階へ向かった。

 キッチンへ行き、カップ麺に湯を入れて、部屋へ戻ろうとしたところで、記憶は途絶えてしまった。

 間違いなく、この時に何かが起こっているはずだが、肝心のところは分からず終いだ。


 仕方がない。分からないものは分からない。これ以上の詮索が不可能なら、無理に考える必要もない。

 問題なのは、死んだ私の今後についてだ。

 私はどうなる?

 小説とかでは、異世界転生なんて夢のある話もあるが、それが起こるとも考えにくい。

 私がそんな考えを浮かべた瞬間、またしても“声”が、頭の中に響いてきた。



《個体名……より、異世界への転生希望を申請》


《……より申請受理》


《個体名……は、これより転生を行います》



 ……マジ?

 異世界転生、出来ちゃうんですか?

 ヤバい、これはテンションあがるわ!

 ああ、でも、出来る事なら、剣と魔法のファンタジーな世界が良いけど、流石にそこまでは。



《個体名……の希望する世界を検索中》


《検索終了》


《ワールド名『ランデリアル』惑星名『シェイムラピアル』》


《個体名……の条件に一致します》


《今すぐ転生を行いますか?》



私は、迷わず「はい」を選んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ