ステータスを確認してみた
彼女を引っ張っていった男性受付はそのまま受け付け奥の部屋に向かって歩いて行ったわ。
ちなみに2人の後ろにはあとを追うようにして冒険者と女性受付も着いてきていたわ。
そして連れられて入った部屋は、彼女がついさっき着替えた部屋よりも奥で、丈夫な机が置かれているところを見ると多分ギルドマスターの部屋だったりするのだろうね。
そう彼女が思っていると、男性受付が部屋の鍵をかけ……女性受付に何かを言うと、女性受付が頷いて何かを呟くと光の幕のようなものが部屋の中を覆っていった。
「結界魔法……?」
「よく知ってるな、一応この国では使える人間は少ないから浸透していないんだぞ」
「本で読んだ覚えがあるだけです。見たのは初めてですけど……それで、どうしてこの部屋に連れて来たんです?」
「こっちのほうがいろいろと秘密の会話を話すことが出来るから連れて来た。っと、言い忘れていたがここのギルドマスターは俺だ」
「おやっさんはかなり強いぜ、何しろレアモンスターのミスリルタートルを倒したことで、この王都のゆうしゃも一目置いてるんだからよ!」
「へー、そうなんですか」
ちなみに彼女は結界魔法は知ってたわけじゃないよ。本(漫画とか小説)でそれっぽいのを読んだりしただけだから。
それに魔法も初めてみたけど、光ってたりして心踊ったわ。魔法ある世界万歳ってね。
それで男性受付……ギルドマスターは彼女を来客用のソファーに座るように促して、自分はその反対側にあるソファーに座ったわ。
ソファーは革張りで、彼女の世界のソファーとまでは行かないけど、この世界だと高級品なのか思ってたより柔らかかったわね。
で、彼女がソファーに座るのを待っていたギルドマスターは先程の道具から吐き出された紙を彼女に見せてきたの。
「嬢ちゃん、名前は?」
「え、オレ? アリスですけど?」
「アリス、多分分かってると思うけど……この紙に書かれているのは、倒したモンスターの名前だ。それも、道具を通すまでのだ」
「えっと、つまり……前に道具を使って払い出したら、その次に払い出すときには前の倒したモンスターの名前が出ないってことで良いですか?」
「そうだ。要領が良くて助かる」
「ちょ、ちょっと待ってくれよおやっさん! 俺のときは普通にGが出たぜっ?」
「当たり前だ、普通にモンスター狩ってたりするぐらいならその場払いのはした金で十分だ。けどな、こういう討伐モンスター一覧の紙を吐き出すときは道具が払い出し切れないほどのモンスターを倒したか、相当レアなモンスターを倒した場合なんだよっ」
「あいてっ!? って、マジかよ!? このお嬢様は魔物溜に入ったけど、丸腰だったんだぜっ!」
頭を叩かれた冒険者は驚きながら、彼女を指差してきた。
ちなみにお嬢様のほうは道具の報酬の払いかたって宝くじのようなものかと思ってたんだよね。ちなみに宝くじってのは、夢を買うんだけどその殆どは悪夢で終わるって言うものだよ。
でも、正直現実逃避してたんだろうね、彼女……だってさ、何でもかんでもその場にあった石ころやらスライム掴んで投げてたはずなのに、これだけのモンスターを倒したことになってるんだからさ……。
とりあえず、現実逃避する彼女へと女性受付がお茶と茶菓子を差し出してくれたので、それを口に入れて一服していたんだ。それで一応は精神は落ち着いてきたね。
そう思っていると、ギルドマスターがまたも困ったことを口にしてきたんだ。
「あー、アリス。無理を承知で頼むが……ステータスを教えてもらえないだろうか?」
「お、おやっさん! それは駄目だろッ!? 幾らなんでも他人のステータスを見せてくれだなんてっ」
「そうですよ、マスター! それはいけません!!」
「け、けどよぉ……気になるだろ?」
「そ……それはまあ」
「気になりますけど……」
「えっと、口で言うだけで良いなら……構わないけど」
他人にステータスを見せることが出来ることに驚きはしたけど、とりあえず見せかたも分からないので彼女は口で言うだけならと条件をつけたの。
それで良いと、ギルドマスターが頷くのを見て、彼女はステータスと呟くとステータス画面が彼女の目の前に現れたわ。
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名前:アリス
職業:ゆうしゃ
性別:おんな
年齢:14
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ギルドマスターが知りたいのはこれじゃないと考え、彼女はもうひとつのステータスに切り替えたの。
で、固まったわ。だって、そうでしょ?
こんな風になってたら……ねぇ。
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レベル:76
たいりょく:772(+16777215)
まりょく:647(+65535)
ちから:380(+65535)
ぼうぎょ:350(+65535)
めいちゅう:130(+65535)
すばやさ:230(+65535)
かしこさ:290(+65535)
まぼうぎょ:289(+65535)
うん:30(+65535)
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明らかにオーバースペックっぽい何かが( )の中でプラスされていたの。
しかも、レベルも馬鹿みたいに上がっていたわ。最後にこのステータスを見たのはこの世界に転生される前だったけど、どう考えてもこれは以上だったわ。
とりあえず、かなりオブラートに包みながら、言うことにしたわ。
いろいろと聞きたいこともあったしね。
っと、このお話が終わったら今日はもう寝ようか。
ぶーたれないの。それじゃあ、話すわね。
チートキャラの宿命がやってきました。