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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
創製の章
459/496

巨乳貧乳大戦争

「え~っと~……、ほんとのほんとにアリスなの~……?」


 アルトへと色々事情を説明し終えると、信じられないと言わんばかりに彼女はアタシに尋ねてきました。

 なので、アタシは一番信用するための良い方法を取ることにします。

 そう……、明赤夢を見せるという方法です!


「本当にアタシです。事実、明赤夢を着ているじゃないですか」

「あ~……うん、本当だって言うのは……何となく分かるよ~……? けど……」


 信じつつも、やっぱり信用出来ないと言った口調でアルトは言います。

 ……あの、アルトさんや? アナタ、視線は胸のほうに向いてませんか?


「胸のサイズが減ったというか減りすぎたから疑っているなんて言ったら……判っていますよね?」

「う…………っ! そ、そんな訳ないよ~……、うん、ありすだよありす~……」

「……凄く白々しく聞こえるのは何故でしょうかねー……」


 ジーッと、視線を合わせようとしないアルトを見ていると、ダラダラと汗を流し始めたアルトでしたが……観念したらしく……、DOGEZAをしました。


「…………ご、ごめんなさいっ! おっぱいが無くなって信用していませんでした~~……!!」

「……そうですか、アタシの存在意義はおっぱいだけですか…………」


 遠い目をしながら、謝るアルトの言葉にアタシは項垂れました。

 そんなアタシを励ますように、アルトが慰めの言葉を掛けてきます。


「あ、ああっ!? で、でも、その平らな胸とか、妖精みたいな体型は凄く可愛らしいって思いますよ~っ!」

「ソウデスカ、アタシは寸胴体型の青狸って感じですかそうですか…………ふふふっ」

「し、師匠! 落ち着いてくださいしっかりしてくださいっ! 師匠には色々とすばらしいところがありますよ!? だから、自分を貶めないでくださいっ!!」


 段々と落ち込んでいくアタシへと、サリーも励ます中へと混じり始めます。

 ですがね、サリー……アナタは今のアタシにとっては……。


「…………サリー、それはね。ある者の余裕って言うわけですよ……」


 そう言って、アタシはますます落ち込みます。

 というか、今現在巨乳な人が視界に入っただけでアタシのテンションは駄々下がりですからね……!

 それに気づいているのか、ヒカリさんがアタシへと近づくと肩をポンと叩きます。


「……アリス、泣こう。今だけは……今だけは泣こう……」

「ヒカリさん……、泣きましょう。アタシたちの恨みをこめた泣き声を周囲に響き渡らせましょう……」


 そんなナイチチーズな2人はシクシクと涙を流し、泣き声は世界樹の周囲に響き渡りました。

 それを巨乳3人は苦笑しながらもどう接するかを目で相談し合い、普通にある2人は片方は呆れて……もう片方はどうするべきかと助けを求める原因(親友)の視線に作り笑いを浮かべていました。

 ちなみに心が純粋なお子様2人は2人とも首を傾げており、男3人は聞こえていないとでも言うように両手を耳に当てて話に巻き込まれないようにしていました。

 ……なお、その他の方々はもっと関わりたくなかったからか、小屋の中へと避難していました。……シクシクシク。


 ◆


 しばらくシクシクと泣き続けたからか、気持ちが落ち着き……アタシは改めてアルトを見ました。

 ……アタシに見られたアルトは一瞬ビクッと震え、まるで小鹿のように怯えていました。

 …………ナンデデショウネー? え? ハイライトが無くなったような病んだ瞳で見てるわけ無いじゃないですか、ハハハヤダナー。


「さて、それでですね。アルト、アナタをカーシに送り届けずに世界樹まで連れて来たのには訳があるんです」

「わ、訳……ですか~…………?」

「そんなに怯えなくても良いじゃないですか。変なアルトですねー」


 未だ怯えるアルトへとアタシは笑いかけますが、その顔はますます恐怖に彩られて行きます。

 そんなアタシへと、現在の中で良識人が勇気を出したのか話しかけてきました。


「……アリス。気づいているのかは分からないが、……殺気が駄々漏れだぞ?」

「え? そうですか? ……これは失敗失敗。やっぱり、酷いことを言われたために沸々とした怒りが未だ残っているみたいですねー」

「ご、ごめんなさい~~……っ!!」


 アタシがそう言うと、アルトはもう一度土下座を放ちました。……そろそろ可哀想なので、許してあげるように努力をしましょうか。

 そう思いながら、怒りを静めることに専念します。

 息を吸って……吐いて……吸って、吐いて……。よし、これぐらいで大丈夫でしょうか。

 けれど自分では良く分からないというか、深く静かに怒っていたようなので、アタシ自身分かっていないので他の人に判断してもらいましょうか。

 そう決めると、ロン(良識人)のほうを見ます。少しアタシを見たロンは、軽く頷き……大丈夫と判断したようです。


「ふう……。さて、もう一度言いますが、アルト、アナタを此処に連れて来たのには訳があるんです」

「わ、訳……ですか~……?」

「はい、アタシ以外の方々の服を創ってもらいたいんです」


 そう言いながら、アタシは周りの仲間たちを見渡します。

 それに釣られるように、アルトも見回します。


「えっと……、この人たちの服を……ですか?」

「はい、防御とかのほうは素材とアルトの腕で何とか出来ると信じていますので、無駄に動き辛いような鎧とかを装備するよりもこっちのほうが良いと思ったんです」

「素材、ですか~……? どんな物があるんですか~?」

「それは見てもらったほうが速いと思うので、来てください」


 アルトを招き、アタシは金属糸や金属布といった素材を見せます。

 すると、彼女の瞳が一瞬キラリと光るのを見ました。


「これは……、明赤夢を作ったときの布と同じ物ですか~……? それに、同等の素材で創ったと思う布と糸も……」

「はい、各種金属で創りました。……どうですか? 彼女たちも、男のほうも素材は良いと思いますよ?」


 ギラギラと輝き出していくアルトの瞳を見ながら、アタシは囁きます。

 そのギラギラとした瞳は、すぐにアタシ以外の女性陣へと向いていった。

 舐め回すように、アルトの瞳はサリーたちを見て行き……服越しに体型を見ているようにも見えた。

 ……ううん、事実見えているに違いない。だって、ぶつぶつとスリーサイズっぽいことを口から漏らしているのだから……。

 そして……その視線に耐えられないのか、何名かは両腕で身体を隠すようにしていた。

 そんな彼女たちの反応を、アルトはストレスが溜まっていたのを発散していますとでも言うように興奮しながら見つめ、雄叫びのように叫びました。


「うん、うんっ! 良いよ、良いね。超良いね~~!! ここ最近はやる気が起きなかったけど、これは久しぶりに燃え上がってきたよ~~っ!! やるよ、アリスッ! ティアの素敵なドレスも本気で作っちゃうよ~~っ!!」

「い、いや……アルト、ドレスは……」

「大丈夫大丈夫~! みんな、可愛く格好良くしてみせるから、安心してね~~!!」


 ティアが落ち着かせようとしているようですが、聞く耳を持たないのか興奮しながらアルトは叫びます。

 そんな一抹の不安を抱きつつも、小屋のほうから見えるアンたちの視線で近頃のアルトの様子を理解できたのでアタシは何も言いませんでした。

 ……まあ、しいて言うならばどんな服を創るのかが楽しみ。と言ったところですね。

……ヤバイ、若干スランプになりかけてるかも?

事実、夜8時から書いて11時まででこれだけですし……。

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