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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
時狂いの章
428/496

絶望を打ち砕く者・2

 沸々と込み上げる怒りを胸に抱くアタシを憎々しげにアークは睨み付け、荒げた声でアタシに叫んできました。

 ……とりあえず、聞き辛いから頭の中で普通の言葉に変換しておきましょう。


『その顔……テメェ、クソガキかぁ!?』

「ええ、そうですよ? そういうアナタはすごく変わりすぎていますね、虫……じゃなかった、ゴミ野郎」

『クヒッ、クヒヒヒッ! ようやくだ、ようやく見つけたぞクソガキがぁ……!! クヒャヒャヒャヒャ……』


 アタシと会えたことが嬉しいと言わんばかりに狂った笑いを放ち始めて気色悪いアークを、アタシは上空から見下ろします。

 ……すると、見下ろしていたアタシの視界にアークの詳細データが表示されました。

 えっと、これって……スキル? それともこの器の特性のひとつ? まあ、良いです。とりあえず、詳細データが見れるなら見ましょう。

 割り切ったアタシは、改めてアークの詳細データを近くへと寄せてから見始めました。


 ~~~~~~~~~~


 名称:アーク

 種族:邪族(魔族)

 自称(他称)知将(雑魚)

 性別:オス

 性格:クズ


 付与:邪神の一部


 ~~~~~~~~~~


 ~~~~~~~~~~


 レベル:ヴぁまおいうんヴぉ


 たいりょく:んヴぁんぶあbなはばがbんrてゃ

 まりょく:みおアンぼうあんヴびなおばvがbんあおいbな


 ちから:ぎうrんごいあbヴいあヴいおば

 ぼうぎょ:gのあvbにあうbぬいあbヴぃあn

 めいちゅう:儀おなおbないおなhごういrんghばろ3び9

 すばやさ:gのあんヴおいあsんヴぃおなごbなsb

 かしこさ:4位8hがおsんr09hgにおあんb9v8srjんb

 まぼうぎょ:の具あbg9うb9gtんw4いうb293うんg7hbv

 うん:ち王04wh908th後3位wvん9亜hs儀尾b89wfjぽwq4g


 ~~~~~~~~~~


 ……あー……。色々とバグっていますねコイツ。

 初めに見た名前とか色々のほうは普通だったのに、現在のステータスを見たら完全に文字化けを起こしているのか解読し切れませんでした。

 とりあえず、その理由として可能性が高い……というよりも、絶対にコレだなーって思うのは付与されているものでした。

 『邪神の一部』……どうやってこのクズ虫が貰ったのかは分かりませんが、これが付与されているお陰でこの気色悪いほどのムキムキマッチョメンになっているのでしょうね。

 そう思っていると、突然アタシの頭の中にサイレンが鳴り、いったいどうしたのかと思って前を見ると炎が迫ってくるのが見え――って!!


「危なっ!! な、何ですかいきなりっ!?」

『クソっ! 死ねよテメェ!!』


 慌てつつも、横に避けて炎を回避したアタシは下から聞こえる声に反応しました。

 どうやらアークが不意打ちとして放ってきたようです。

 相変わらず姑息と言うべきでしょうか? それとも、よそ見していたアタシが悪い?

 まあ、どうでも良いですね。とりあえず、反撃兼小手調べと行きますか。

 そう考えて、アタシはワンダーランドを構えると魔力を充填させ、『水』の属性を与えて撃ち出しました。


「はあっ!」


 軽く叫ぶように息を放つと同時に複数の氷の魔法矢は一斉にアークに向けて放たれました。

 ちなみに命中すれば氷漬けになること間違いなしな効果が期待できるものです。


『はんっ! こんな魔法、オレ様に効くとでも思っているのか?! 無理だってことを思い知らせてやるぜ!』


 そう言うとアークは魔法矢を掻き消そうとしていましたが、氷の魔力矢とぶつかった腕が氷漬けになったことに驚いたのか息を呑んでいるのが分かりました。

 どうですか? 効果は無いと思った魔法で凍り始めていく身体を見るのは?

 などと意地が悪いことを思いながら、アークを見ていると……全身が凍っていくのが見えました。

 普通ならば、こうなった状態を見てチャンスと思って突っ込むのでしょうが……、万が一というのもあるかも知れません。

 そう考えて、アタシは凍り始めていく中でアタシに向けて罵詈雑言を放つアークを見ながら、《異界》からワンダーランドが食べ残したであろう握り拳程度の大きさの銅の塊を取り出しました。


「さて、コレで簡単にくたばるわけが無いって言うのは分かりますが……やってみましょうか」


 空中で、アタシは見えない足場を創り出すとその上へと乗り、見よう見真似のピッチャーのフォームを取りました。

 ちなみに足場は分厚い強化ガラスといった感じで、ちょっとやそっとでは割れないといった印象です。

 そんな足場の印象を抱きながら、アタシは銅の塊を握り潰すほどの力を込め……流星のように一気に下へと撃ち出しました。

 ――って、本当に流星みたいな感じにアークに向かっていったしっ!?

 驚きつつ、それを見ていたアタシだったけれど……銅の塊は赤熱しながら、氷漬けのアークに大きな空洞を空けて、地面にめり込んでいきました。

 これは……酷いですね。

 そう思いつつ、アタシは普通ならば生きていないであろうアークを見ます。


「……やはり、そう簡単にはいきませんか」


 呟きながら、アタシは地面でウゾウゾとスライムのように身体を動かして穿たれた箇所を塞ぐようにして元通りになっていくアークを見ていました。

 と言うか、今向かっていったら奇襲受けそうなので嫌な予感がするんですよね……。

 そう思っていると、穿たれた穴が修復したらしく……アークは凍り付いた部分を打ち壊し、雄叫びを上げました。

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