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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
時狂いの章
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フィーンの……特訓?

※フィーン視点です。

 落とされたっ!? そう思った瞬間、あたしは闇の中へと入った。……けれどそれは一瞬だけで、暗闇はすぐに晴れ……あたしは、森林の中に居た。

 いったい如何いうことだ? 疑問に思いつつも、焦ってはいけないと考えてあたしは辺りを見回してみることにした。

 すると、此処はただの森林ではなく……森の国の森林だということが理解出来た。


「あたしは……戻ってきたのか?」


 小さく呟いた声だったが、返事は無いだろうとあたしは思っていた。

 だが、その呟きに答える者は居た。


「戻ってきたわけじゃないよ。ただたんにティアちゃんとあの子が落ち着ける空間になるようにぼくが介入しただけだよっ♪」

「え?」


 介入? 聞こえた声に首を傾げつつ、振り返ろうとしたあたしだけれど……突然顔へと突き出された手に驚いて、声を掛けるタイミングを見失ってしまった。

 直後――あたしの足元から樹が生えてきた。

 驚いたあたしはすぐに離れようとした。

 しかし、樹の成長する速度はあたしが離れるよりも早く、あたしは成長した樹の中に閉じ込められてしまった。

 そんなあたしを見るように、それをした犯人は清々しい笑顔を浮かべつつ……あたしを見た。


「ってことで、少し休んでいようか。なーに、ほんの少しだけ休めばいいだけだからね! ってことで、おやすみなさーいっ」

「え、あ……う…………ぅ……」


 いったい、どういう……こと、ですか? もりの、かみ……さ…………ま……。


 まったく状況が理解できないまま、あたしの身体は樹に埋め込まれて行き……意識は途絶えた。


 ●


「わわーーっ!?」


 フィンは暗い中を落ちていたけれど、突然ぽーーんって外に追い出されてしまった。

 追い出された場所は少し高い場所だったけど、フィンには翅があるから問題はないよー♪

 けど、ティアとかサリーとかだったら危ないから気をつけて欲しいかなー?

 そんな風に思いながら、フィンはパタパタとして地面に降りたんだけどー。ここって、フィンたちが居た森の国そっくりになってるんだねー♪


「けどー、すっごく全部がきれいだねー♪」


 森がきれいというわけじゃなくて、こうー……説明が難しいけど……すべてがきれいなんだー。うーん、もしかしてこれってー……。

 まあ、呼んでみて本人からはなしを聞いてみるほうが良いかなー?


「かみさまー。居るのー?」

「居るよー?」


 フィンが呼びかけると、少し離れた場所に立ってかみさまは居た。

 手を振ってくるかみさまの元へとフィンは駆け寄っていったんだけど……、その後ろに見える樹を見てフィンは立ち止まったんだー。

 だって、樹からティアの気配がするんだもんー。


「ティアー? どうしたのー?」


 首をかしげながら、フィンはティアに声を掛けるけれど……返事がまったくなかったんだー。

 どうしたんだろー? おなかでも痛いのかなー?

 うんうん悩んでいると、かみさまがティアに声をかけてきたよー。


「フィーン、ティアちゃんは少し身体に溜まった穢れを洗い流している最中なんだよ!」

「そうなのー? どれくらい時間が掛かるのかみさまー?」

「うーん、まだしばらく掛かるかなー。ってことで、フィーン。ぼくと一緒に遊ばない?」


 かみさまはそうフィーンに言ってきた。

 遊ぶのはおもしろそうだけどー……、フィンはティアが心配だからちょっと集中できるかなー?

 そんな風に思いながら、チラチラとフィンはティアの樹を見ていたんだけど……かみさまがてーあんをしてきたんだー。


「うーん、離れたくないって感じだねー……あ、それじゃあ遊びでぼくに勝ったら、ぼくの力でティアちゃんがそこから早く出れるようにしてあげるよ!」

「え、本当、かみさまー?! だったら、フィン遊ぶよー♪」


 かみさまと勝負して、勝ってティアも元気になったらフィンは嬉しいよー♪

 どんな遊びをするのかなー?

 ワクワクしながら待っていると、かみさまは遊びのないよーを教えてくれた。


「それじゃあ、遊びの内容を説明するね。フィーンとぼくがする遊びは、ゴーレムバトル。かな」

「ごーれむばとる?」

「そ、ゴーレムバトルだよー。ぼくの一部を貰ってるんだから、フィーンもゴーレムの創りかたは分かっているはずだから、ここにある物を使ってゴーレムを創って、それでぼくが創るゴーレムと戦わせるんだ」


 ほへー……、何だか面白そうだけど、難しそうなあそびだねー?

 けど、フィンに分かるかな――あ、あれれ? わかっちゃう??

 この樹はうっどごーれむになれるし、土はあーすごーれむになる。他にもいろんなごーれむがつくれちゃうんだねー。


「それじゃあ、創ってみるねー?」

「うん、上手く創れるか試さないといけないよね」

「えーーいっ!」


 ちょっときあいを入れつつ、フィンは近くの樹にごーれむになるようにお願いしてみると、おねがいを聞いてくれたようで、ごーれむが形を取ってくれたんだー♪

 はじめて出来たごーれむは、フィンよりもすごく大きくて、とっても力強くみえた。

 よーし、これなら勝てそうかもー?

 じしんまんまんにフィンはかみさまのほうを見たんだけどー……、なんだかすっごくつよそうなごーれむをつくってたんだー……。


「さ、それじゃあ、始めようかフィーン!」

「お、おうぼーだー……! おとなげないー……!」

「そんな恨みがましい眼で見ても怖くないよー♪ それに、このゴーレムバトルは勝ちは歩けど負けはないから心配しなくても良いからね」


 かみさまの言葉に、ほおを膨らませていたフィンは意味がわからず……首をかしげたんだけど、かみさまが説明をしてくれたんだ。


「つまりはね、壊れてもまた創り直したら良いから何度でも立ち向かってきて強いゴーレムを創っていけばいいってことだよ」

「なるほどー♪」


 だったら、フィンは頑張ってつよいごーれむを創ってかみさまのごーれむをたおしちゃうぞー!

 かみさまの言葉になっとくして、フィンは今度こそゲームを始めることにしたんだー♪


「いけー、ごーれむー!」


 かけごえと共にフィンのうっどごーれむはかみさまのごーれむへと駆けて行った。

これは……とっくん、かなぁ?

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