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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
海の章
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回想~戦争~・9裏

※ヒカリ視点です。


ライトたちが報告に行ってる間の出来事。

 ライトがボルフさんと一緒にテントから出て行ってから、少ししてからルーナ姉がボクたちに向けてこう言ってきた。


「さてと、ヒカリちゃん、サリーさん。いい加減服を着替えたほうが良いと思うわよ?」

「「え?」」

「まさか気づいていなかったの? 2人とも凄い汗だくだくよ?」


 そう言われて、ようやくボクは自分の服や身体、髪のすべてが汗でぐっしょりと濡れていることに気がついた。

 まあ、あれだけの距離を休むこと無く突っ走ったんだから当たり前だよね?

 身体にベッタリと張り付く服を軽く摘んで肌に張り付いた服を少しだけ浮かして中に空気を入れて行く。

 ふう、涼しい……って、ちょっと待って? ちょっと待ってよ? もしかして、ボクって汗だくで肌に服が張り付いた状態でライトと話をしてたのっ!?

 臭くなかった? 臭くなかったかなっ!?

 ああもう、恥かしい! ライトにどう思われてたのかって、今になって気になるし……思い出しても恥かしくなってくるよー!!

 過去に戻れるなら、テントに入る前のボクにちゃんと服を着替えてとか言ってちゃんと着替えさせたいよーーっ!!


「ああ、うん……かなり恥かしかったわよね。大丈夫、ヒカリちゃん?」

「………………死にたい」

「これは……重傷みたいね。まあ、恥かしいついでに……このまま湯浴み、は無理だけど水浴びしたらどうかしら? 入れるタライを2つ用意するから」

「……うん」

「んー……まあ、お願い……出来ますか?」


 ボクは力なく頷き、サリーさんも少しだけ遠慮しながら頷いていた。

 それから少しして、ルーナ姉が何処から手に入れてきたのか分からないけれど、タライを2つ持ってきてテントに戻ってきた。

 ちなみに水のほうは《飲水》を使うことで溜めていた。

 そして、ボクとサリーさんは着ていた服を脱ぎ、水が少しだけ溜められたタライへと足を踏み入れた。


「うぅ……つ、冷たい……」

「これは……早く洗うだけ洗って出たほうが良いですよね」

「そ、そうだね……」


 季節は多分、初夏に入りかけたころだと思うけれど……やっぱり夜は寒くなっていて、冷たい水に足を入れると冷たかった。

 走っていて、だいぶ身体は火照っていたけれど……やっぱり寒いものは寒い!

 い、いやいや、ここは発想の転換でしゃがんで一気にお尻まで水に浸してタオルで身体を拭けば汗も拭えるはず!!

 そう思いながら、ボクは一気にしゃがんで――さ、寒いぃぃぃぃぃぃっ!!

 身体がガクガクしそうな状態を必死に抑えて、ボクは手に持ったタオルをタライの中に突っ込むと、水を含んで重くなったタオルを頭に載せた!

 すると、髪へと一気に冷たい水が流れてきて、首を伝っていった。


「ひぅっ!?」

「ああ……冷たかったのね。大丈夫、ヒカリちゃん?」

「だ、だひじょうぶ……」


 心配そうにボクを見るルーナ姉にそう言うと、ボクは急いで髪をタオルで優しく梳かして髪を湿らせると、もう一度水にタオルをつけてから……今度は身体を拭き始めた。

 だけど、正直言って……本当に、冷たかった。


 ●


 けれど、その一方でボクの向かいではボクにとっての脅威的な光景が映っていた。

 その脅威というのはまあ……サリーさんなんだけどさ……。

 揺れてるんだよね。

 こう素敵に、ブルンブルンと……さ。

 獣人だから、犬っぽい耳とか尻尾は分かるよ? でもさ、その豊満なものは何!?

 シターと同じようなものじゃないの!?

 胸下をタオルで拭うと、少し持ち上がった豊満なものがブルンと揺れて、背中に手を回すと驚異的なものが前に突き出されるようにして強調されていた。

 ……そのとき、寒さを忘れるほどにボクはあることを思い出していた。


『ゆうしゃパーティーの盗賊娘? ……ああ、あの小さいほう!』


 そんなことを言った失礼な奴はしばらく寝込ませたのが新しい記憶だった。

 小さいほうって何さ!? 小さいって言ったらシターじゃないの? 年齢的にさあ!!

 そう思いながら、ボクは無意識にタオルで身体を拭きつつも自分の胸元に視線を移した。

 ……そして、身体を拭く場所を変えながら、こっそりとルーナ姉とシターにも視線を移してみた。

 ……目が合ったルーナ姉が優しい顔をして頷いていた。うん、何か気づいたみたいだけど、何も言わないで……悲しくなるからさあ!


 サリー=シター>ルーナ>>>> |  越えられない絶☆壁  |   >>>ヒカリ


 ……何だか一瞬、世界からの悪意を感じた気がしたけど、気のせいだと思っておくことにした。

 というか、本当に神様が居て、そう思ってたら問答無用で殴りに行くからね!!


「え、っと……あの、ヒカリ……さん? その、さっきからジロジロ見ていますが、どうしましたか?」

「えっ!? あ、い……いや、何でも無いよ。ナンデモ……」


 不思議そうに問い掛けてきたサリーさんに、ボクはそう言って首をブンブンと振って気にしないように促す。

 というか、しゃがんだボクと同じ高さで話すようにしているから、軽く腰を曲げているけどさ……驚異的なそれらがブラブラと動いてるんだけどさ……それを見せないで! 怒りに身を任せて引き千切りそうだからさぁ!!


「そ、そうですか? ですが、気分が悪かったらすぐに休んでくださいね? 明日はほんの少しのミスも命取りとなるんですから……」

「あー……うん、ソウダネー……」


 うん、そうだね……気にしないでおこう。ボクにはまだまだ成長の余地がある。成長の余地があるんだ……でも、だったらボクよりもシターのほうがより凄い成長を……?

 そう考えると、ボクはゾッとしながら、シターを見た。

 この子、いったいどれだけ成長するの!?


「ふぇっ?! あ、あの……ヒカリ様? 何だか、凄い顔をしていますが……どうしましたか?」

「あ、ううん。何でもない! 何でも……うん、疲れてる。疲れてるだけなんだよね……きっと」


 そう考えて、ボクは身体から汗を落とすだけ落として……新しい服に着替えていく。

 ちなみに汗だくになった服は、一応タライに残った水で軽く洗ってからテントの中に干すことにした。

 まあ、汗の臭いは残るだろうけど……石鹸とか無いから仕方ないよね?

 そう思うことにして、少し落ち着き……しばらくしてからライトが戻ってきた。

 サリーさんがボルフさんと共に出て行って、しばらく話を聞いたけど……報告に行った結果は全然芳しくなかったみたいだけれど、もしものときのことを考えてきたらしい。

 うん、流石ライトだよねっ!

 兎に角、明日には戦いが始まる……絶対に無理をせずに、ライトたちと生きて帰りたいな。

 そう思いながら、ボクたちは短い時間だけれどちゃんとした眠りにつき始めた。

エロハプニング?

要因となりそうなフォードくんは寝ているし、ライトは報告に行ってて居ないので起きないよ!

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