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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
獣の章
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VS世界樹・化

しばらくは、この視点で行くと思います。

 自信満々に、4人のアリスちゃんがぼくに向かってそう言って向かってきたから、ぼくの身体は戦いを開始した。

 本当どうなるかが楽しみだよねー。え? 自分たちが見えているのかって?

 ううん、見えてないよ。けど、見ているなーって感覚はあるから、そっちに向かって話しかけてるんだー♪

 ……ん? ところで、ぼくが誰だって? ぼくはぼくだよ。も・り・の・か・みっ♪

 え、キャラがまったく違ってないかって? んー、正直なところね、ぼくって本当は天真爛漫の野生児って感じなんだよねー。でも、身体のほうが狂っちゃってるから、あんな感じに機械的に話してるんだよね。

 っていうか、我ってなんだよ我ってー。何処の痛々しい神様だってのー! って、ぼくかアハハー♪

 まあ、こんな感じに楽しかったら何でも良いって神様なんだよねぼくって。だから、ちょっとこの身体を何とかしてほしいなーってアリスちゃんに頼んだんだよね。

 でも、あの身体で喋ってるから妙に堅い口調になってて鳥肌が立っちゃいそう! って、ぼくの身体は木製だから立たないかー? アハハー♪


 っと、凄く脱線しちゃってたね。遠くから見ているよりも、ぼくの説明を聞きながらぼくの視点で見てたほうが彼女の手に入れた新しい力がどんな物か分かるだろうから、一緒に見ようか?

 え、別に良いって? まあ、つべこべ言わずに一緒に見ようよ。――――ほい! ……うん、姿は見えないけど……近くに居るって分かるよ。ってことで見ようかー。


「「はああああぁぁぁぁぁあぁっ!!」」

「「てりゃああああああぁぁぁっ!!」」


 飛び掛ってきたアリスちゃんたちは、ぼくへと前後から向かってきたんだよね。

 前から来る2人のアリスちゃんは、パンチを真正面から放ち……後ろのアリスちゃん2人は、上下からキックを放ってきたんだ。

 対するぼくの狂った身体は、真正面から来るアリスちゃんたちに回し蹴りを放ち、回し蹴りで浮いた足を地面に着いた瞬間にその反動を利用して、蹴りを放とうとしていたアリスちゃんたちをそのままチョップで叩き落したんだ。

 ……いや、叩き落した……はずだったんだ。


「え……ぐっ!? ――がっ?!」


 叩き込んだチョップは、まるで雲を切るかのようにアリスちゃんたちの身体を分断させたんだよ。でも、そんなに強い力を込めたつもりは無いと思ってたんだけどね。その直後に、無防備になったぼくの身体にアリスちゃんたちのキックが胸部と下腹部に命中したんだ。そして、背中にも衝撃があり……見えていないけど、きっとアリスちゃんたちだと理解出来ていたんだよね。

 そうぼくが思っていると、アリスちゃんたちは一箇所に集まって……ひとつのアリスちゃんに戻ったんだよ。

 そして、ぼくに向かってこう言ったんだ。


「痛みで動いていないように見えますけど……、まったくダメージは無いじゃないですか……いたた」

「……ああ、面白いな。実体があるはずなのに、こちらからの攻撃はまるで雲を掴むかのように通らない。なのに、汝の攻撃は実体があるから通る……まるで本当にフォクスに化かされているかのようだ。だが、神である我が化かされる経験なんてまったく無い物だから、面白いな」


 愉悦に満ちた笑みを狂ったぼくの身体は浮かべるんだけどさー……、やめてー! 我なんか言わないでー! 汝なんて呼ばないでー! 戻ったときの恥ずかしさがかなり恥かしいんだってばー!!

 というか、獣人の神と人族の神にもからかわれるからさー!

 けれど、ぼくの嘆きは届くことは無く……狂ったぼくの身体は脚に力を込めて、アリスちゃんに向かって飛び出して行った。

 対するアリスちゃんは、突進してくる狂ったぼくの身体に対抗すべく拳を構えたんだ。ちなみに拳を護るためかは分からないけど……ケニーちゃんから貰った力で創り出した蜘蛛糸を巻いていたんだよね。


「今度こそ……アナタを壊します。森の神様ッ!」

「出来るものなら、やってみせてくれ! さあ、汝の力見せてくれ!!」


 アリスちゃんと狂ったぼくの身体が叫び、互いが同時に拳を突き出したんだ。

 ……突き出された両者の拳は、互いの拳に命中し……生まれた衝撃が周囲に広がっていった。

 ああでも、アリスちゃんはまったくスピードを出していないで攻撃したんだから、拳が可笑しくならないかな……こう、腕が潰れるみたいな感じに……。

 ……けれど、ぼくのその予想はアリスちゃん本人によって、否定されたんだ。


「まずは……腕一本」

「え――――なっ!? そ、そんな……!?」


 一瞬呆けた、狂ったぼくの身体だったけど……すぐに彼女の言った言葉を理解したんだよね。

 何故なら、狂ったぼくのアリスちゃんとぶつかり合った腕に、亀裂が走って……樹が割れるように、メキャッと折れたんだ。……ああ、この身体は木製だから、血液は流れていないよ。流れているのは少量の水と樹液だから、透明か褐色の液体が零れるだけだよー。

 そして……、砕けた腕を狂ったぼくの身体は……ってもう、狂ったぼくで良いや! 狂ったぼくは呆然と見ていたんだけど……嬉しそうに笑みを浮かべたんだよね。

 まあ、正直……ぼく自身速く倒してもらってこの国に平和を取り戻してほしいしね。

……そろそろ、本題決めないとなぁ。

一応、方向性は旅をしながら、国を平和にしていく的な感じだから……世直しアリスの珍道中? いや、何か違うような気が……うぅむ。

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