表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
人の章
17/496

勝利の余韻

本日2本目です。

 グシャリと肉が潰れる音がして、直後大地が揺れ動くのを周りに居る者たちは感じたわ。

 けれど、彼女が振り下ろした一撃で舗装された石畳が砕けたのか土煙がモクモクと周囲に立ち込めて、何が起きているのか分からなかったの。

 その間に、彼女は金棒を軟化で柔らかくして球状にしてから、足に力を込めて一気にその場から飛び去って近くの路地裏に身を潜めたわ。

 やがて、土煙が風で飛んでいくと……そこに残っていたのは土を露出させた砕けた地面と、中心に潰れたナニカ。

 けれど周囲の冒険者や衛兵は察していた。あれは……ハガネだと。直後、モンスターたちは一斉に雄叫びを上げだしたわ。


『GUROOOOOOOOOOOOOOOOO!?』

『KYUIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!?』

『PYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNNNN!!』

「な、なんだ……?」

「もしかして、ハガネが倒されたことを理解してるのか?」

「あっ、おい見ろ! あれっ!」


 幾多ものモンスターが雄叫びを上げると、感染するように他のモンスターたちも雄叫びを上げ……一斉に後ろを向いて逃げ出したわ。

 冒険者が言ったように、ボスとなっていたハガネが倒されたから逃げ出したのでしょうね。

 突然の行動に冒険者や衛兵、周りに居る者たちが全員呆気に取られてはいたけど、モンスターが居なくなったという事実に気づき、ようやく震える声を一斉に張り上げたみたい。


「「う、うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」」

「生きてる、生きてるぞおれぇぇぇぇ!!」

「やった! やったんだぁぁぁぁ!!」

「勝った。勝ったんだぁぁぁあああぁぁッッ!!」

「やったね、ライト!」

「やったわライくん! 勝ったのよ!」

「あ、ああ……」

「どうしましたか、ライト様?」


 張り裂けんばかりの勝ち鬨が周囲に響き、イケメンハーレムの面々もイケメンに抱きついて勝利を喜んでいるようだったわ。

 でも、イケメン本人は少し浮かない顔をしていて……それにロリ巨乳が気がついたの。このロリ巨乳良い嫁になれるわね。

 すると、イケメンは周囲をキョロキョロと見渡しているみたいだったけど……やはり浮かない顔を浮かべたままだったの。


「あの子が……居ない。いったい何処に行ったんだろうか?」

「あ……」

「そういえば……」

「本当です……」


 周囲はそのことに気づいていないようだったけど、イケメンハーレムだけは目敏かったらしい。

 このまま居たら、自分のことを追及されそうな気がしたから、彼女は路地裏に完全に入り込んでこの場から離れて行ったわ。羽織っていたシーツと口元の手拭いと胸元の潰れていないアップの実を放り捨ててね。

 え? どうして、自分が倒したって言わなかったかって? んー、そうね……多分、そのほうが格好良いと思ったのと戦いの最前線に無理矢理送られそうな気がしたからかしらね。

 ぶっちゃけ、本当にやりそうだったもの、この国の王様は。


 それからしばらくこそこそと歩いて、見覚えがある道に辿り着いて……彼女は冒険者ギルドの中へと入ったわ。

 中は静まり返っていて、冒険者たちは戦いに赴いたり避難したりしていたんでしょうね。

 そう思いながら、彼女は静まり返ったギルドホールを歩いて奥へと進み、ついさっきギルドマスターと話をしていた部屋へと入ったわ。

 中はやっぱり静かで、ひと一人居なくて……そのまま彼女はついさっき座っていたソファーに座るとステータスを確認したわ。


 ~~~~~~~~~~~~


 レベル:83


 たいりょく:837(+16777215(FFFFFF))

 まりょく:798(+65535(FFFF))


 ちから:639(+65535(FFFF))

 ぼうぎょ:588(+65535(FFFF))

 めいちゅう:440(+65535(FFFF))

 すばやさ:411(+65535(FFFF))

 かしこさ:568(+65535(FFFF))

 まぼうぎょ:418(+65535(FFFF))

 うん:52(+65535(FFFF))


 ~~~~~~~~~~~~


 ついさっき見たステータスと比べると遥かに上がっていたわ。まあ、あれだけ戦った上に強敵を倒したのだから上がらないのが可笑しいくらいだもの。

 その高くなりすぎたステータスがばれてしまったらいろいろと不味いことになると感じながら、彼女は大きな欠伸をしたわ。

 すると、疲れ切っていたのか彼女の目蓋は一気に落ちて……そのままソファーに体を預けるようにして眠ってしまったわ。

 あれだけの戦いをした代償と見るなら安いものなのでしょうね。そのまま彼女は意識を手放したわ。

安●先生、冒険●の続きが読みたいです……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ