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あるゆうしゃの物語  作者: 清水裕
獣の章
143/496

アリスの見た目

「す、すまない……助かった」

「ありがとう~。ティアー、だいじょうぶ?」

「ああ、大丈夫だよフィーン。すまなかった、あたしが弱いばかりに……」

「ううんっ、ティアはフィンを助けようとしたからこんな目に会ったんだから、悪いのはフィンだよー!」


 あのあと、触手からエルフを助け……妖精が入った虫籠を壊すと、2人は涙を流しながら抱き合っていたのじゃ。

 それを彼女は見つめていたのじゃが、助かったことに涙し終えた2人がこっちを見始めたんじゃよ。


「すまない、礼をするのが遅れた。あたしの名前はティア。この国の騎士だ」

「フィンはフィーンだよー。助けてくれてありがとー!」

「どういたしまして。アタシはアリス、一応冒険者……のはず」


 互いに自己紹介をして、エルフの騎士がティアで元気な妖精がフィーンと言う名前だと彼女は覚えたんじゃが……、ティアのほうはいぶかしむように目を細めながら、彼女を見おった。

 そして、無意識にであろうが……フィーンを彼女から護るようにしながら、ティアは彼女に話しかけてきたのじゃ。


「ティアー? どうしたの? 何だか怖い顔してるよ?」

「一応? ……助けてもらったあたしが言うのも何だと思うが、アリス。キミはどうやら獣人みたいだが、何処からやってきたんだ? それに、そんな裸同然な薄着で……」

「獣人? …………あ」


 ティアに言われて、彼女は漸く自分の頭とお尻から生えている存在に気がついたのじゃ。

 サラサラの髪の頭の上を撫でると指に伝わるクニクニとした感触。お尻辺りから生えているそれを手で見えるように動かしてみると判る小麦色の艶のある尻尾。

 そして、尻尾の形で彼女はそれがキツネの尻尾であることを理解しおったのじゃ。そして、同時にあのとき神の領域で選んだ器はキツネ(・・・)であることを思い出したんじゃよ。


「えーっと……どう説明したら良いんだろう? アタシ自身もちょっと説明をつき難いんですよね……」

「…………フィーン、キミは彼女がどう見えるんだ?」

「えー? んーっとー……、フィンの目には面白いように見えるよー? でも、悪い人じゃないよ?」

「そうか……、失礼したアリス。改めて礼を言わせてくれ」


 そう言うと、銀色の髪を零しながらティアは彼女へと頭を下げたのじゃ。それに彼女は驚いたが、何とかそれを抑えつつ……色々と聞くことにしたんじゃ。


「えっと、ありがとうございます……。けど、何でどう見ても怪しすぎるアタシを信用したんだ?」

「ああ、それはだな。妖精の目は魂を見ることが出来るんだ。だから、その人物がどんなに口で嘘を吐いたとしても、魂は絶対に嘘を吐くことが出来ない。中でもフィーンのそれは特別なんだ」

「えっへん、フィンは凄いんだぞー!」

「そ、そうなんだ……それと、ひとつ聞きたいんだけど……妖精で、ティアがエルフってことはこの国って……」

「何だ。国のことも知らなかったのか? まあ良い、ここは妖精とエルフが暮らす国。『森林の国』だ」


 胸を張りながら、ティアがそう言ってこの国のことを言うと、彼女は頭の中で一度見た暫定的な世界地図を思い出してみたんじゃが……、獣人の国とは反対の方向にある国じゃった。それは疑われても当然じゃな。

 そう思っていると、ティアの袖を引っ張りながらフィーンが退屈そうにしているのに気がついた。


「ねー、ティアー。早く戻らないとみんなが心配するよー? アリスも行こうよー?」

「む、そうだな。アリスも良かったら、この近くにある街に行かないか? 助けてもらった礼もしたいしな」

「そうですか? じゃあ、お言葉に甘えまして……」


 そう言って、彼女は2人について歩き始めたのじゃ。

 その最中に……一度だけ、ステータスを見てみようと思い、小さくステータスと呟いた。


 ~~~~~~~~~~~~


 名前:アリス

 職業:ゆうしゃ

 性別:おんな

 種族:じゅうじん(こん族)

 年齢:17


 ~~~~~~~~~~~~


 項目が増えていたことに少しばかり驚いたが、それよりも年齢が14歳から17歳になっておったのじゃ。

 もしかすると、この身体が出来上がるまで3年の歳月が掛かったのだろうと考えることにしたみたいじゃがな。

 そして、次でも更に目を見張ったがな。


 ~~~~~~~~~~~~


 レベル:154


 たいりょく:1435

 まりょく:1264


 ちから:1079

 ぼうぎょ:1032

 めいちゅう:968

 すばやさ:1043

 かしこさ:1654

 まぼうぎょ:1279

 うん:328


 ~~~~~~~~~~~~


 人間の神から与えられていた祝福が無くなっているのか、(+○○)といったものは見えなかったが現状でもはっきり言ってオーバースペックとしか良いようがなかったんじゃ。

 どうしてこうなったんだと心から思いながら、彼女は静かに息を吐いたんじゃよ。

投票及び感想ありがとうございました。

投票で、『ウサギとオオカミが1票ずつ』ありましたが、このままではどうなるか判らないと判断したので、天下のサイコロ様にお願いしました。

その結果が『キツネ』でした。体型などは数話ほど後で書きます。


ちなみに天下のサイコロ様の判断方法

5Dを5回降って、どの目が3つのどれかと決めておいた中で出た目=1票と判断してみました。

そうしたら、ウサギが8票、オオカミが7票、キツネが10票となってしまいました。サイコロ様凄い!


ちなみにキツネ・オオカミ・ウサギは神使から選ばせていただきました。

タヌキの案もあったのよ。


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