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プロローグ1

 皆様はじめましての人ははじめまして。

 そうじゃない方はありがとうございます。タンバです。

 今回は異世界から侵攻されている、という作品を書いてみたくなったので、作品を投稿してみました。

 どうぞ最後までお付き合いいただけると幸いです。

 1999年。7月。

 ノストラダムスの大予言で指定されていたその月。

 災厄は降り注いだ。


 地球に大小さまざまな隕石が落下したのだ。

 しかし、その隕石による犠牲者はまったく出なかった。

 問題はその後、隕石落下地点に大小さまざまな次元歪みが発生したことだった。


 とくに、日本、アメリカ、オーストラリア、中国、西ロシア、極東ロシアに出現した巨大な6つの歪みはホールと呼ばれ、信じられないことに別次元の世界と繋がってしまった。






 繋がった世界の名は“エスティア”。

 エスティアには北米大陸と南米大陸、そして日本列島が合わさったようなローラシア大陸と、オーストラリアとユーラシア大陸が繋がったようなゴンドワナ大陸という2つの大陸が存在し、それぞれの大陸を統治する2つの大国が戦争を行っていた。

 2つの国の名は、ゴンドワナを統治するレムリア連邦とローラシアを統治するアストリア王国。

 戦争はアストリアが優勢であり、レムリアは大陸の一部をアストリアに奪われていた。






 困惑する地球側に最初に接触してきたのは、エスティアに存在する2つの大国の1つ、レムリア連邦だった。

 レムリア連邦は”飛空艇”と呼ばれる乗り物で、中国、西ロシア、オーストラリアのホールを潜り抜けてやってきた。

 数日の会談の結果、3国はレムリア連邦と共同してホールを研究することを決定した。


 それが悪夢の始まりだと気付かずに。


 1999年の12月24日。

 20世紀もそろそろ終わろうとしていた時期に、中国、ロシア、オーストラリアにあるそれぞれのホールを通って、レムリア連邦から3つの調査団が来訪した。

 数は一国につき10人程度。どの国も警戒はしていなかった。


 あくる日の25日。クリスマスの早朝。

 まだ日が昇る前に調査団の団長は連邦評議会の決定を、各国の実力者たちに電話で伝えた。


 貴国を侵略する、と。


 同時にロシア、中国、オーストラリアのホールはレムリア連邦の調査団によって確保され、周辺に展開していた防衛部隊は訳もわからず殺害された。


 調査員と思われた者たちは1人1人が圧倒的戦闘力を誇る兵士だった。


 すぐさまホールの奪還に動いた中国陸軍の一個大隊はたった1人の男に全滅させられた。

 その男には小火器はもちろん、戦車の砲弾すら通用せず、逆にその男が不可思議な言葉で発動させる超常現象は戦車を一瞬で爆発させ、何十という人間を纏めて燃やし尽くした。


 悪夢は終わらず、その日のうちにホールを通って、更にその男と同等の力を持った軍人が各国に100人ずつ派遣されてきた。


 通常兵器が一切通用せず、超常現象を起こす彼らは魔法師と呼ばれるレムリア連邦の主力兵士であり、兵器であった。


 瞬く間にホール周辺に住んでいた人々は殺され、僅か1日でホール周辺の街や村から人の姿は消え去った。


 こうして史上最悪のクリスマスは終わり、そのまま異世界の国家から侵略を受けるという形で地球は2000年を迎えた。






 2000年。魔法師に対して有効な対策を立てられないまま、地球側は連戦連敗を繰り返していた。

 すでに戦争は3ヶ国とレムリア連邦ではなく、国連軍とレムリア軍の戦いになっていたのだ。


 会戦してすぐにロシアは、核攻撃を行い、レムリア連邦は核すら無効化し、不可思議な魔法の力で核汚染も無効化してみせた。


 その結果、一国で勝てる相手ではないと判断したロシア、中国、オーストラリアは国連に協力を要請し、その要請に答えて国連軍は派遣された。

 しかし、各国の軍が連合しても魔法師は止められず、ロシア、オーストラリア、中国の半分以上の領土がレムリア連邦によって奪い取られ、そこにレムリア連邦の人々が移住してきていた。






 そんな状況を見かねたエスティアの2大国のもう一方、アストリア王国は、日本、アメリカ、極東ロシアのホールを使って、3ヶ国と接触を図り、アストリアに一部の土地を提供してくれるならば協力する、と伝えた。


 レムリア連邦もアストリア王国も、人口増加に伴う土地問題を抱えていたのだ。

 このままでは地球全土が侵略されるという危機感を抱いていた、日本、アメリカ、ロシアはその提案を受け入れ、アストリアの指示に従って技術者を派遣した。


 3ヶ国から来た技術者たちに、アストリアは、レムリアの魔法師が使う障壁には、魔力による攻撃が最も有効であることを真っ先に伝えた。

 しかし、地球人は大量の魔力を外に発することができないため、エスティアの人間のように魔法を使うことは基本的に不可能であった。




 そのため、自身の体内での使用、または触れている物に伝達させることは可能であるという点に目をつけたアストリアは、魔力を込めると外部に発散させる特徴を持つエスティアの特殊鉱石“ラピス”に、魔法で使われる術式を刻んで、魔法を擬似的に再現する技術を3ヶ国の技術者に伝えた。


 しかし、魔法が使えるエスティアでは、その擬似的な技術は発展しておらず、実戦レベルで使えるモノにするため、技術者たちは試行錯誤を試みた。




 実験は1年ほど続き、ようやくどうにか地球版の魔法ともいえる“魔術”とそのために必要な道具の試作品が完成した。


 道具の名前は“ギア”。効率よくラピスに魔力を送り込むための機器にラピスを組み込んだ物で、試作品は背中に背負わねばならないほど大型だった。


 徐々に小型がなされ、最終的には大きめの腕輪まで小型化されたギアは、良好な結果をはじき出し、配備が決定された。


 そして2001年の9月。朝鮮半島に侵攻してきたレムリア連邦の部隊と、日本の自衛隊員から選りすぐられて作られた魔術師部隊が激突した。

 結果は数で圧倒的優位に立っていた日本側の勝利。

 会戦以来、初めての明確な勝利だった。






 ギアの登場で戦局は一変した。

 レムリア連邦は徐々に苦戦を強いられ始め、2002年の7月にレムリア連邦は各国と休戦協定を結んだ。


 それから50年後の2052年。


 魔術師という戦力を手に入れた地球の各国は、魔術師の育成に力を注いでいた。


 いまだにレムリア連邦は西ロシア、中国、オーストラリアの土地を自国の物とし、戦力を配備していたからだ。


 まだ異世界との戦争は終わっていなかった


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