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Mousse Chocolat Framboise  作者: カフェと吟遊詩人
23/25

ロァンジェ ラ ターブル

眼が覚めると外はまだ暗い。


朝が来る前に起きてしまった様だ。寝心地が何時もより悪いらしい。


もう一度寝ようとすると、隣に誰かがいる。「そうだ、一美ちゃんがいたんだ」


1人で寝る事に慣れすぎていた。


だが、隣に誰かがいる事がこんなに心を落ち着かせる事を感じていた。


「どうしたの?」


「んっ、ゴメン起こした。もう一度寝るよ」


「うん」


女性は一夜を過ごすとタメ口になる事が多い。今回は眠いからなのか、心と身体を重ねたからなのかはまだ解らない。


2人は再び眠りについた。

勇輝が目を閉じると、自然に一美は勇輝の肩に引っ付いて来た。「重たい」しかし、嫌ではない。




電話のバイブが鳴っている。勇輝は全く起きない。


一美は起き上がり勇輝の携帯を見て


「勇輝さん、誠さんから電話が来てますよ」


そう言って勇輝を起こす。


「誠から。じゃあ無視で良いんだけど。。。。あっ!今日は沙羅と誠とケーキ屋に行く日だ!」


慌てて起き上がり、携帯にでる。


「誠、ゴメン。今起きた。うん。急いで行くから。。。うん。ごめん」


一美は勇輝がかなりヤバイ事は察したらしく、顔を洗い出した。


勇輝はシャワーを浴びて準備をはじめた。


一美はメイクをしている。


「沙羅さんと誠さんと約束してるんですか?」


「うん、沙羅は遅刻してるだろうからまだ平気だと思うけど。誠が沙羅と遊びたがってるから」


急いでいるからか言ってる意味はあまり解らない。




部屋を出ると沙羅からメールが来ていた。


<ちょっと、誠と2人きりって作戦?罠?早く来てね。。。。んっ⁈ひょっとして、一美ちゃんと一緒なのかなぁ(笑)>


「沙羅が一美ちゃんと一緒だから遅刻したのかって。どうしよう、どうやって話そうかなぁ」


「恥ずかしいので有耶無耶にしといて下さい」


「そうだね。」


勇輝は早く歩いている感じだが、一美はゆっくり2人の時間を過ごしたい。


再びメールが来た


<一美ちゃんも一緒で良いから早く来て。二人きりにしてあげたいけど、誠と2人だと遥香に何言われるか解らない。>


「こんなメールが来たよ。どう答えようかね」


苦笑いする勇輝に一美は


「服を買って良いですか?即決して買いますから。通り道に何か有りますか?」


「上野のマルイでいい?」


「はい。流石に昨日と同じ服で沙羅さんに会うのが恥ずかしいです。バレてたとしても誤魔化したいです」


「追いつくから、先に行っててとメールしておくよ」





一美はワンピースを購入して、乗り換えの駅のロッカー荷物を預けた。

大井町線で二人並んで座り一美はそっと勇輝にもたれた。


「沙羅さん怒ってますかね」


「メールの感じだと大丈夫じゃない」


尾山台に着いて商店街を進むと途中の図書館から2人が出てきた。


「本当だ、石川さんが一緒だ」


「私、当たり!」


沙羅と誠ら意地悪そうな顔で2人をからかっている。


「どうする?今日は勇輝の奢りかなぁ〜」


勿論、沙羅も誠も勇輝に奢らせるつもりなんて全く無い。からかいたいだけである。


「お店、2件行こうよ。折角だし」


頑張って話をそらす勇輝。

待ち疲れたのか、2人もそれ以上は追求してこなかった。




4人でオーボンヴュータンでケーキを食べて、近くのコントワールでデセールを食べた。


誠は最初、一美がいる事に違和感を感じていたが沙羅と2人セットになれるので喜んでいた。





デセールを食べ終わると


「勇輝は一美ちゃんと付き合ってるの?」


誠が疑問に思っていた事を聞く


「えっ⁈」


勇輝は応えられない。


「どうなんですか?勇輝さん」


一美も勇輝に聞く。


勇輝は固まっている。一美はスグに勇輝が「付き合っている」と答えてくれないので少し拗ね始める。

実際には付き合うと話した訳でも無いが、、


「一美ちゃん、勇輝はこういう男の子だから。悪気は無いの」


沙羅がフォローしする


「一美ちゃん、その辺を後で話し合おうよ」


勇輝はそれで精一杯だった。


「一美ちゃん、勇輝をよろしく頼むね」


誠は珍しく真面目な顔でそう言った。基本、誠はいい奴なのだ。だが、女性にちゃんとしていない。しかし、だらしない訳では無い。モテナイから。


一美は勇輝達の仲間に認められた気がして嬉しくなった。思わず涙が出てくる。


そっとシェフが涙を拭うナフキンを差し出す。


「そう言えば、神楽坂にカルムエランってデザートサロン出来ましたね」


勇輝はシェフに話しかけて話題をかえる。


「詳しいですね」


シェフが優しく答える


「甘党男子ですからね」


4人、いやシェフも含め5人はゆったりと店で過ごし、沢山話もした。




店を出てユックリと駅まで歩く。


沙羅は気を使って一美と二人きりにしようとするが、勇輝は沙羅との時間を過ごしたい。


そうすると、誠と一美がヤキモチを焼く。

そんな1日の流れだ。


駅に着いた4人は解散する事になったが、沙羅以外は同じ方向だったので沙羅だけがここで別れた。


「疲れたね」


勇輝は眠なくなってきて、なんとなく呟いた。


「俺は真っ直ぐ帰るけど、2人はまだ遊ぶの?」


誠は気を使ってか?疲れてか?どうやらこのまま解散の流れだ。


勇輝、一美も流石に2日連続で会っていたので疲れが出てきた様だ。


「私は、、、このまま帰ります。。。か?」


「そうだね、疲れたね」


勇輝は早く帰って休みたい気分だ。


「そうですね。明日は仕事ですしね」


一美は家に誘って欲しいのと、疲れて帰りたい感情が交錯していた。


「じゃあ解散にするか」


誠も疲れているのか。


それぞれ、乗り換えの駅で別れた。






<今から逢おうよ。勇輝達とは別れたんだ。ご飯食べよう>


誠は遥香にメールをする。

返事はすぐに来た。


<ピザが食べたい。赤坂か池袋のナポリでいいよ>


遥香は退屈していたらしい。彼氏(?)からの連絡を待っていた様だ。


2人は池袋待ち合わせでご飯を食べる事にした。




東武デパートの食品街で待ち合わせをして、2人はロータリーの向こうを少し入ったところに有るナポリに入った。

小さなお店の2階に2人は席を取り、軽くお酒も飲んだ。


「勇輝と石井一美ちゃんが付き合うかもよ。いや、付き合ってるのかな」


誠は今日見た事を話した


「えっ、そうなの」


遥香は不自然だが知らないフリをした。たが、色々と気になる


「付き合ってるかは微妙なの?」


「まあ、付き合ってるんだろうけど、2人がハッキリとそう言わないんだから」


「付き合い始めな感じなのかなぁ。勇輝は石井さんの事が好きだったの?」


遥香は質問攻めだ。


「いや、解らないけど一美ちゃんが勇輝を好きだったみたいだよ」


「一美ちゃんって、名前で呼ぶほど仲良しなの。誠」


遥香はイライラしている


「仲良しって、今日1日一緒にいただけだよ。皆んなが一美ちゃんって呼んでるからそうなっただけだよ」


誠には遥香がなぜ苛立っているか理解出来ない。


「そう、、、勇輝もそう呼んでるんだ」


遥香が落ち込みだした。


「スミマセン。ビール2つ追加お願いします」


暗い遥香を理解出来ない誠はアルコールで誤魔化す事にした。


「誠!今日は泊まりね」


「どうしたんだ?じゃあ、遥香の家に行く?池袋に泊まるか?」


「もう少し飲んで、池袋に泊まる」


2人は、いや遥香はこの後カクテルやワインを4杯飲み、泊まってどうこうという感じでは無くなってしまい、誠はタクシーで家まで送る羽目になった。




家に着いた勇輝、何もいつもと変わらない部屋。

少し落ち着く。


視線がテーブルの上を通る。飲みかけのミネラルウォーターが有る。一美の飲んでいた物だ。


昨夜の記憶が浮かび上がる。少し鼓動が高鳴る。


「昨夜は一美ちゃんがここに居たんだよなぁ」


独り言は一人暮らしには付き物だ。

その後の事も思い出しながらソファーに座った。


勇輝は携帯を取り出しメールを打ち始めた


<絵里、俺も会社を辞めようと思ってる。沙羅が辞める事を決める前から考えてたんだ>


そう打ち終わった後、送信出来ずにそっと携帯を置いた。「今は言えないよなぁ」絵里が寂しがってしまう。


誰にも相談出来ない悩みを抱え勇輝は苦しんでいた。「一美ちゃんに相談?」いや、まだそんな相談は出来ない。

本当の所はどうなのだろう。一美はもう勇輝の彼女なのだろうか。


一美は何か有ったら1番に相談して欲しいだろう。彼女として。



勇輝は会社を辞めて何をするかはボンヤリとしか考えていない。


取り敢えず、一人旅をしようと思っている。

アメリカかヨーロッパを旅してみたい。そう考えている。

期間は1ヶ月。

貯金はある程度した。

憧れのバックパッカーだ。


携帯が呼んでいる。


<2日間で凄い勇輝さんに近付けて、色々と知れた気がします。今晩も本当は一緒に居たいけど、流石に疲れているので早目に寝ます。おやすみなさい>


勿論、ハートの絵文字は1つどころではない無かった。


<昨日も今日も付き合ってくれて有難う。そして、昨夜はスミマセン。おやすみなさい>


メールを受け取った一美は<スミマセン>の部分が気に入らない。

しかし、<おやすみなさい>と送ってしまった。


考えた一美は我慢出来ずに


<スミマセンは変ですよね。それは無かった事にしたいという事ですか?私、怒りました。許して欲しかったら明日のランチは一緒に食べてください。あと、一美って呼び捨てにして下さい。じゃないと許さないです>


勿論、ハートを散りばめて送信


受け取った勇輝は慌てて<ごめんなさい>と送ったが返信は無かった。


戸惑っている勇輝は最大のミスを犯した。

気付けば絵里送るのを止めたメールが送信されていた。






続けて読んで頂いている方がいる事に感謝しています。


何とか大きくブレずに話は進めれています。


感想はとても嬉しく読ませて頂いてます。


もし宜しければ、一言お願いします。

あくまでも宜しければです。

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