エスイエ ラ プラック
一美は酔ってはいるが意識はちゃんとしている。
「帰りませんからね。勇輝さんの家に泊めてもらいます」
「ええ、ウチは布団一個しか無いし」
布団2セットなど誰も期待していない。
「真面目に話して下さい」
「真面目に話してます。それに、このお店は絵里や沙羅も来るから、この状況は2人に伝わるよ。ねえ、支配人」
一美は流石に少し「しまった」という顔をしている。
「大丈夫です。プロなので絵里さん達には絶対黙っています。一美さんでしたっけ、この男は押し倒して一緒にベットに入って襲わなきゃ解らない馬鹿なんですよ」
「ちょっと支配人、味方じゃ無いの⁉︎」
「味方ですよ、勇輝さんの幸せを願ってますし。。。美しい女性の味方でも有ります」
「はぁ〜、一美ちゃん。で、どうしたいの?」
「だから、私は勇輝さんの家に行きたいんです」
「そうじゃ無くて、僕と、、、えっと、、、付き合いたいの?」
「もう、本当に鈍感なんですか?無神経なんですか?私は勇輝さんが好きなんですよ。解らないですか?」
一美は少し腹が立っている。ここまで言わせるのか勇輝。
「私達には、よぉ〜く解りますよ一美さん。ただ、勇輝さんはそういう男なんですよ。ハッキリと伝えないと解らないヘタレな男です」
「支配人、ヘタレって」
「だって、そうでしょう。抱いてくださいって女の人にハッキリと言われなきゃ抱くことも出来ない男ですよね」
「・・・・・・・そんな事は、、」
「解りましたハッキリと言います。私は勇輝さんが好きです。抱いて下さい」
一美の顔は真っ赤だ。完全に勇輝が悪い。
「あ、あ、、、有難うございます。で、でも」
「勇輝さん、ここまで女性に言わせて、でもは無いでしょう」
支配人、シェフまで怒り出した。
「解ってます。だから、順番を踏みましょう。一美ちゃん、来週にデートから始めませんか?」
「来週デートしてくれるんですか!嬉しい。でも。今日は帰りませんよ。来週も新しいパンツ履いて行きます」
一美さん酔った勢いで何を言ってるんですか。
勇輝の中で一美のイメージが変わっていく。とても大人しい口数の少ない子のイメージだった。
「勇輝さん、とっとと連れて帰って下さい。お店が騒がしです」
支配人達も勇輝を押し出す。
勇輝と一美は会計を済ませ店を出た。一美は勇輝に出させずにちゃんと半額を出していた。
「えっと、帰らない?ん、だよね」
「はい」
一美は何故か少し笑顔だ。
「電車に乗りますか」
ここでタクシーに乗らないのが勇輝だろう。まあ、あまりお金を持って無い事もある。
「はい。ついて行きます」
2人は丸ノ内線に乗り勇輝の家に向かった。
「部屋、汚いし古いし片付いて無いし。えっと、それに、、、」
「大丈夫です。。。でも、覚悟はして下さいね」
「はい」
駅から歩きながら勇輝の家に向かう。
「コンビニに寄らなきゃだね。色々と買わなきゃ」
勇輝が言いにくそうに言うと、少し酔いの醒めてきた一美は
「そうですね。買わなきゃいけない物も有りますね」
2人はコンビニに寄って、飲み物や買わなければいけない物を購入して勇輝の家に向かった。
「着いたね。家。入りますか」
「入ります」
一美は恥ずかしさと嬉しさが入り混じっていた。「やっとここまで来た」
一美は1年位前から勇輝に興味を持っていた。
絵里に頼んで、紹介して貰おうとしたら勇輝は会ってくれず。
大勢の食事会に参加したら勇輝は居なかったり。
何とか接点を持とうとして来た。
それがやっと今日、近付けたのだ。簡単には諦められない。
「えっと、お茶でも入れる?」
「お茶はさっき買いましたよね。シャワー浴びたいです」
「は、はい。えっと、バスタオルと小さいタオルを用意すれば良いかな」
勇輝は凄く緊張している。勿論、一美も緊張しているが、勇輝がはぐらかしたり逃げたりしそうで気を抜けない。
「はい。あと、何か着るものを貸して下さい」
一美がシャワーから出て来た。
「勇輝さんも、、、浴びて下さい」
濡れた髪の一美はスッピンだが、何時もより可愛く色っぽく見える。
頰の赤みはお湯で暖ったまったからも有るだろうが、恥ずかしさからもだろう。
服は持ってきて無い様なので、勇輝のシャツとズボンを着ている。絵里達みたいに、トランクスという訳にはいかなかった。
「勇輝さんも浴びて下さい。ドライヤーをお借り出来ますか」
勇輝はドライヤーを渡してシャワーを浴びに行く。
鼓動が異常に早くなる。たぶん、一美より緊張しているだろう。
色々な事を考えるが、まともな事は一つも考えれていない。
中々、シャワーから出れずにいる勇輝。もうとっくに身体は洗い終わっている「一美ちゃん、酔ってたし寝てないかな」この後に及んで逃げる事を考えている。
突然、ノックされて扉が開く。
「勇輝さん、寝ちゃいそうなのでもう出てきて下さい」
恥ずかしそうな顔の一美が可愛い。
勇輝も流石に心が惹かれる。いや、普通の男ならもうとっくに全て終わっている。
「今、出るね」
シャワーを出た勇輝は一美にドライヤーで頭を乾かされている。
「じっとしてたら寝てしまいそうで」
一美は勇輝の髪を乾かしながら幸せそうにそう言った。
ドライヤーのスイッチが切られ、一美が目の前に移動してきた。
恥らう顔、化粧っ気が全く無くても文句無しに可愛い。
「電気消して良いですか?」
「うん」
勇輝は立ち上がって電気をけした。
薄っすらと見える視界の中で2人はお互いに布団の上にいるのがわかる。
触れれずにいる勇輝に一美は顔を近ずけて
「お願いします」
そう言って勇輝の口に唇を重ねた。
あと1話か2話で完結したいと考えてます。
話を終わらせるのって難しいですね。
読んで頂いてる方、有難うございます。
本当に嬉しいです。
初めて書いた小説。荒は沢山有ると思います。
是非、感想など聞かせて頂きたいです。
よろしくお願いします。




