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Mousse Chocolat Framboise  作者: カフェと吟遊詩人
19/25

デリッシュ

今回のお話は少しだけ寄り道な感じも含まれてます。



男がほんとうに好きなものは2つ


危険と遊びである


男が女を愛するのは


それがもっとも危険な遊びであるからだ


ニーチェ



この言葉は勇輝には当てはまらない。今のところは、、、。


誠はこの言葉のまんまでは無いだろうか。


遥香も女性であるが、この様に生きている。



誠は遥香と夜御飯を食べていた。

丸の内の高級イタリアンには敵わないが、今日も神楽坂の熟成肉美味しいイタリアンに来ている。


「なあ、俺の事好き?」


パスタは早々に終了して肉を楽しむ誠と遥香。


「大好きだよ。。。なんで?」


遥香は平静を装いながら誠の顔を覗き込む。「勇輝、何か話したかな」


「いや、愛されてるなぁ〜て思ってさ。先日も昼に逢ったのに、夜にも逢いに来てくれただろ。嬉しくてさ」


遥香は安堵の表情を何とか隠しながら、真っ直ぐに誠を見た。


「喜んで貰えて、、、私も凄い嬉しい」






世の中、女性は顔では無いと思う時が有る。


愛嬌は何より大切だし。


イヤラシサ、エロさはやはり男を刺激しやすい。


優しさも大切だか、むしろ男のプライドを守ってあげたり上手くクスグレる女性も強い。


これらの一つは持っていないと、顔が幾ら良くても結局はダメなんじゃ無いかと思う。


逆に顔は悪くても、その内の2つを持っていれば、モテる女になれるんじゃ無いかと世の中や遥香を見ていると思わされる。


では、女は男に何を求めるの⁇


最近は解らない。


顔?お金?優しさ?





勇輝は放心状態のところを絵里に現実に戻らされた。


ビンタで、、、。


もっと優しく戻してあげてくれ。


「私も居るし、沙羅も1年で戻って来る。何が問題なんだ」


どうやら怒っていらしたらしい。


頬っぺたが熱い。

痛いから泣いてるんだ。悲しいから?嬉しいから?

違うやい。

痛いから泣いてるんだ。


なぜかその夜は3人でホテルに泊まった。汐留の高級ホテル。朝はいつも通りに出なきゃいけないのに、、、。


「勿体無い」


そういう勇輝に


「うるさい」


と、一言で言う事をきかせてしまう絵里。

ツインに3人。


「私は勇輝と寝る」


「何を言ってるんだ」

勇輝が慌てる。


「神戸では一緒に寝たでしょ〜」

沙羅がからかう。


「えっ⁈本当に?」

絵里が半笑いで勇輝を見る。


「おいっ、沙羅。ちゃんと説明しろ。絵里が勘違いするだろう」


「ええええ、勇輝がベットに入って来たんでしょお」


頭を抱える勇輝。「もう、何を言っても無駄だ」


2人はケタケタ笑いながら目を合わせている。

今夜は絶対に勇輝を1人にしたく無かったのだ。そんな2人の優しさに勇輝は気付けているのだろうか。


勇輝を精一杯笑わせて、負の感情を追い出してやりたい。


勇輝は知らないきっと、2人が勇輝を親友だと思っている事を。。。

勇輝は知らないきっと、2人は勇輝に幸せになって欲しいと願っている事を。。。



勇輝は人を心からは信じられない。別に人に裏切られたからではない。

勇輝自身が人に嘘をつけるから。自分の為なら人を裏切れる気がするから。


だから、2人を信じられない。だけど、2人が大好きだ。

だから勇輝はある時からこう考えた。


人は信じられない。だけど、この2人になら裏切られてもいい。


信じられる人では無く、裏切られてもいい人。


勇輝にとっては苦肉の考え方。

周りから見たら馬鹿な人。


まだまだ未熟な勇輝である。





沙羅と絵里は2人で風呂に入ってはしゃいでいる。勇輝は少し眠いが、テレビを見ながらボーっとしていた。


「勇輝、出たよぉ。早く入りな」


絵里がバスローブ姿で出てきた。


直視出来ないまま、勇輝は1人バスルームに向かう。

沙羅も同じ姿で出てきて、勇輝は戸惑ってしまう。


勇輝がお湯に浸かっていると、外からはしゃぐ2人の声が聞こえる。

落ち込んで暗くなりたいのだが、2人のハシャギっぷりで現実に浸れない。


「勇輝、背中流そうか」


完全にからかっている。



勇輝もバスローブで外に出ると2人は空調で手洗いした下着を乾かしている。つまりパンツが風になびいているのだ。


勇輝は戸惑いをとっくに通り越して、何も感じなくなっていた。


「勇輝もパンツ洗ったら」


「そうするよ」


もう一度バスルームに戻ってパンツを洗う。

2人も入って来て、歯磨きをしている。

楽しい時間だ。


当然と言えば当然だか、勇輝が一つのベットを使い。もう一つを2人で使った。



勇輝は思いの外、熟睡した。起きると、2人は居ない。


「んっ⁈」


まだ、会社には間に合う時間だ。2人の荷物も有る。

沙羅か絵里か悩んだが取り敢えず絵里にメールしてみる?


<起きたんだけど、どこにいるの?>待っていたかの様にすぐに返事が来る。


<朝食ブッフェ食べてます。勇輝は、、、間に合わないね(笑)>


何故、起こして一緒に連れて行かない。


<起こしてよ!>

多分、起きれなかったと思うが小さな反抗。


<お腹痛くなって会社に遅れたら申し訳ないからね>

嫌な返信だ。



満足気な2人が部屋に帰って来ると、慌ただしくホテルをチェックアウトした。いつもの人混みが、何故か違うものに見える。ただの気の所為なのだが。




会社に着くと、沙羅が部署の皆んなに辞める事を話している。


勇輝は今は受け止められている。

ふと、寂しくなった時は絵里に頼るしか無い。


遥香が驚いている。そして少し涙。


「うまいなぁ」

勇輝は呟く。


一ヶ月後にはこの景色に沙羅はいなくなってしまう。


絵里を見ながら勇輝は考えていた。いつかの思っていた事を。。。






遥香は困っていた。いや、困ったふりをして喜んでいるのかも知れない。

週末に、課長からも誠からも「逢いたい」と言われている。

その上、勇輝も「行きたいパティスリーがあってさぁ」と言っていた。誘っているのかも。


勿論、勇輝は誘ってはいない。誰か一緒に行く人間を探してはいるが、今の状況で遥香を誘ってはいけない事は解る。


<どこのパティスリーに行くの?場所によっては一緒に行ってもいいよ>


勇輝はメールを見ながら苦笑いだ。


<こらこら、彼氏が泣くぞ>

あえて誰とは名前を伏せておく。


<ええええええ、意地悪>

遥香はこれ以上は、部が悪いと思い引くことにした。


勇輝は背後に気配を感じた。

課長だ。


「勇輝、ちょっといいか」


「は、はい」

何故、自分がビクビクしなければならないのか。

課長と会議室に入る。


「遥香の事だが、、、何が言いたいか解るか?」

探りを入れているのか。


「解りません」

まだ、こっちが有利な状況だ。


「遥香が誰と付き合っているか知ってるか?」

まだ探りを入れている様だ。


「知りませんし、知ってても言えませんよね。課長はどうしてそういう事を聞くんですか?」

反撃に出てみた。


「そうだな、遥香が彼氏の相談をしてきたんだが、相手が誰か気になってな。相手によっては変なアドバイスが出来ないのでな」

大人な対応で交わされた。

しかも、確かに課長と遥香が付き合っているというのはあくまでも想像で確証は得られていない。

これ以上、突っ込んでも食事をしただけと交わされては意味が無い。


これは質問が本来の目的で無く、2人は食事をしていただけだと釘を刺してきたのだ。「やられたな」勇輝は心の中で思った。

あの時の遥香の手の振り方は明らかに上司に対するものでは無かった。


しかし、今はそこを攻めても言い逃れられるだけであろう。「なんだか誠が可哀想だ」そう思ったが、スグに「どっちもどっちか」と考え直した。



席に戻ると、勇輝はどうしても2人の関係をハッキリしたくなってしまった。何か悔しかった。


悪知恵を働かせ誠にメールをする。


<沙羅も誘ってみるから週末に遊ぼうよ>

誠はテンションが上がる


<勇輝、協力してくれる気になったんだ。俺は嬉しいよ>

簡単に引っかかる。「これで週末、遥香は暇になる。もしかしたら課長と会うかも・・・・・。」勇輝は課長から遥香が週末に誘われている事は勿論知らない。



課長は家族が有る。会うなら土曜日の可能性が高い。誠との約束は日曜日にしよう。問題は沙羅が日曜日に付き合ってくれるかだが、取り敢えず理由を話してお願いしてみよう。


勇輝は沙羅にメールをして再び考える。「日曜日は遥香も呼ぶか。よし、皆んなでケーキ食べに行くぞ」


遥香にもメールした後で「絵里だけ誘わないのも変だな」結局、皆んなを誘う。


さてさて、土曜日にどうやって課長と遥香の2人が付き合っている事を確認したら良いのか考える。「遥香の後をつけるしか無いかなぁ」1人考えていると絵里が寄ってきた。


「勇輝、作戦会議だ!」


やる気がみなぎっている。


絵里が何とか2人を会わせて、そしてその場所に自分達も居るというのが理想だという事になり。それが、難しいと、、、話し合いは難航した。




今日は課長と恵比寿のフランス料理店[emuN]でランチ。野菜料理と魚料理が美味しいらしい。


「今日は美味しいランチで、明日は美味しいケーキ」


待ち合わせのアメリカ橋付近で遥香は課長を待っていた。


「お待たせ。今日も可愛い服装をしてるね」


いつもよりラフな格好の課長は大人な接し方で遥香を喜ばせる。

勇輝なら「ちょっとその服装は、、、似合ってないんじゃ無いかなぁ〜」と言ってしまう。



2人は店に入って席に着く。


「いいお店を知ってるね」


「絵里が教えてくれたんですよ。予約までしてくれて。シェフが知り合いらしいんです」


課長の表情が少し固まる「まさかな。勇輝だけならまだしも、絵里が勇輝に付くと危ないなぁ」


サービスの人がやってくる。


「今日はご来店有難うございます。絵里さんのお知り合いだそうで」


「そうなんです。絵里はよく来るんですか?」

遥香は楽しみで仕方が無いらしい。


「はい、本日もこの後に個室を予約されています」


2人は目を合わせる。課長の表情はもう冷静では無かった「やられた」


「お店、出ますか?」


「電話してくると言って、ちょっと外せない用事が出来た事にしよう」


そう言って、サービスマンに一言告げて外に出て行った。

しばらくして、遥香にメールが来て、遥香がサービスマンに連れに用事が出来た旨を伝えるとサービスマンは快く応えてくれて、遥香は外に出た。

余談だか、課長はこの時に迷惑料としてのチップをテーブルに一万円を置いて出ている。紳士だ!


店の外で2人が再び合流した。


「絵里はまだ来てなかった?」

課長が尋ねると


「ラストオーダーギリギリの予約らしいです」

課長は悩みながら「探りを入れてる訳では無いのか」

一時間半後と聞いて、勘違いかと感じていた。


気をとりなおして2人は場所を移動する。


「取り敢えず、恵比寿を離れるか」

恵比寿の駅に向かいながら、どこに移動するか話し合う。さすが一万円を置いてきた後だけにタクシーは控えた。


代官山も行きたかったが、絵里に会う可能性が高まる。2人は新大久保に移動して韓国料理を食べる事にした。勿論、その後の事を考えての新大久保だ。


サムギョプサルを楽しみ、お腹いっぱいになった2人はホテル街の方に移動を始めた。


「前と同じホテルにするか」


「探す時間が勿体無いからそうしましょう」

2人の歩くスピードは早かった。課長には家族が有るので土曜日の仕事としてあまりに遅くなるのは変だと考えていたからだ。


2人はホテルに入って一息ついた。


「絵里は勇輝に何か聞いてるワケじゃ無かったのかな」

遥香は何となく釈然としない感じている。


「一時間半後だとランチだと会えない場合もあるよなぁ。関係無いのか、向こうの作戦ミスなのか」


そう言いながらもお風呂にお湯をはり終わり、服を脱ぎだす。


「取り敢えず、絵里の事は忘れて、、、ね。。。」


2人は2時間半後に外に出た。



そして2時間半前。。。


ホテルに入って行く2人を見守る影が勿論有った。ホテル街に男1人、恥ずかしくてしょうが無い。絵里にメールを送る。


<2人、ホテルに入ったよ>

ホテル街の物陰にいるが、何とも怪しい感じた。


<解った。まだランチ終わって無いから、もうちょっと1人で頑張って>

絵里からの冷たい返信。「おいおい、早く来てくれよ。恥ずかしくてしょうが無い」



絵里がデザートを食べながら

「勇輝、頑張ったね。気付かれずにつけれたみたい」


「そうか、そろそろ出番ですかね」

沙羅はデザートを追加したいとさっきまで言っていた。


「あと2時間は大丈夫じゃない」

勇輝の事はお構い無しだ。


「デザートメニュー貰っちゃう?」


「後で勇輝には写真を見せてあげよう」意地悪な相談を2人がしていた。













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