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Mousse Chocolat Framboise  作者: カフェと吟遊詩人
15/25

クペ オン シス

新幹線の中、2人の会話は無かった。


浅い眠りを繰り返しながら、考えている事は2人同じ事である。


その事にお互いに気付いているが、勇輝は聞く事が出来なかったし、沙羅も話す事をしなかった。


一瞬、勇輝は沙羅と目が合う。しかし寝惚けた振りをして目を逸らし目を瞑る。


新幹線が静岡を過ぎた頃、身体が痛くなり勇輝はトイレに立った。とくにオシッコがしたい訳でも無かったので車両の間の入り口のドアで外を眺めた。すっかり暗くなった町並みのと車のライトを何も考えずに見た。


しばらくそうしていたら背後から声をかけられた勿論それは沙羅だった。


「ココに居たのか」

そう言った沙羅は席に戻るのか自動ドアの中に消えた。


再び外を見る勇輝、席に戻るタイミングを考えていた。


再び後ろの自動ドアが開いたと思ったら背後から強く抱き締められた。誰と考えるのも可笑しな話で、でも誰かと考えないと居られない心境だった。


「ちょっとだけ背中を貸して」

沙羅は震えている様だった。恐らく泣いているだろう。

しばらくして沙羅は話し出した。


「私、隆史さんとは別れる事にした」


「うん」


「隆史さんは何とか付き合い続けて欲しいって言われたけど、変だよね」


「変だよ」


「実は行く前から決めてたんだ。別れる事は」


「そう思ってたよ」

沙羅の性格からしてそうすると思っていた。前ばかり見る性格の沙羅に隆史さんと続けて行くのは無理では無いかと。



泣き止んだのか沙羅は勇輝から離れしばらく黙っている。まだ、顔を見られたく無いだろうと思い勇輝はまだ外を見ている。

背後で何が音がする。


「コリコリコリコリ、、、、」


「んっ⁈」

勇輝は振り向く、そこにはポッキーを食べている沙羅がいる。勇輝は取り敢えず笑った。


「はあ〜、女子は強いわ」


「なんで?」


「このタイミングでポッキーは食えんだろ」


「お腹空いたから。女子の鞄のチョコレート所有率は高いのよ」


「知ってるよ」

だからってこのタイミングで食べるのか?


「勇輝も食べる?」


「食べるよ。炭酸水も飲みたい。売ってるかなぁ」


「私はお茶でいいよ。冷たいので」


「解ったよ。温かいお茶ね」

勇輝は笑いながら自販機に向かう、沙羅は席の方に向かう。


「あっ、勇輝。私、会社辞めるね」


「えっ⁈」

今、沙羅は何て言った?1番聞きたくない事を言ったんじゃ無いか?


自動販売機に硬貨が入れれない。手が震えているらしい。頭も働いていない。多分、冗談で言った温かいお茶を買ったと思われる。勇輝のものは買い忘れている。



いつ、席に戻ったのか。その後、会話をしたのか黙っていたのか。沙羅が新横浜で降りるまで。いや、勇輝はどうやって家に帰ったのかさえ覚えていない。




家に着いた勇輝は声を出して泣いていた。寂しいから?いや、怖いのだ。せっかく手に入れた友が遠くに行ってしまう可能性がある事が。仕事を辞めたところで、休みに会えるし、友達で無くなる訳では無い。

でも、もしかしたら、、、、、怖くて怖くて仕方が無い。


どれ位時間がたっただろう。携帯のバイブが鳴る。しばらく、放置しているともう一度バイブが鳴る。


最初は電話だったが二回目はメールだった。

絵里からだ、


<沙羅、勇輝に辞める事を言ったみたいだね。ずっといつ伝えるか悩んでたんだよ。勇輝の事を私も沙羅も大事な友達と思っているから。大丈夫、心配するな!>


涙が止まらない。勇輝は床に突っ伏して嗚咽を抑えられない。



駄目だ震えている。


もう一度、バイブが鳴っている。

遥香からだった。。。


勇輝は携帯を取った。


決していい事は起こる状況では無い。


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