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(8)

 また死に損ねた。

 ハルは結局、看護師の準備した注射を打つことはできなかった。センサーが血管を探し当てる前に、ベスターがショックパルスによる麻痺を無理やりはねのけて体当たりしてきたからだ。ベスターはふたたび署長のショックパルスをくらい、派手に叫んで今度は本当に昏倒した。ハルも巻き添えで床に倒れ、したたかに頭を打って失神しかけたが、レイの声が聞こえて意識を呼び戻された。

 くそったれが、来るなと言ったのに! そう心中で毒づき、実際は言い損ねていたことに気づいて、奥歯を噛みしめた。

 マッキンタイアは思っていた以上に非情な男だった。

 サバイバルナイフを握ったレイが、ゆっくりと刃物を持ち上げ、自分の首に斜めに当てるのを、ハルはなにもできずに眺めているしかなかった。

「レイ――!」

 レイの青い目が半眼になり、ナイフを握る手に力がこもった。

 そのとき。彼の手元を緑色の弾丸がかすめた。手をはじかれて、レイははっと目を見開く。口元にふてぶてしい笑みを浮かべてマッキンタイアを見たかと思うと、次の瞬間にはナイフの刃を相手の首筋に当てていた。

「暗示はもうぼくには効きませんよ」

 マッキンタイアは驚きの色を前面にして、床に腰を落とした。

「なぜだ、わたしは――」

「この暗示は、相手を信頼していなければ効果がない。ぼくは暗示をかけられたとき、すでにあなたを疑っていたんです。ストロベリーチョコレートの――アリスのキスの香りに気づいていたから。もっと早く気づいていればと悔やまれます」

 緑色の弾丸は処置室の隅でくるりとターンして戻ってきて、まだ動けずにいるハルの腕に舞い降りた。

「アルジャーノン……なんでおまえが」

 ドアの向こうに大勢の人の気配がした。遠慮がちなノックのあとに、ゆっくりとドアが開く。警備員の一団はマッキンタイアの首にナイフを突きつけているレイを見て、一斉に銃を構えた。

「動くな、手をあげろ!」



 彼らは誰をどう拘束すべきなのか知らないのだとハルが気づいたのは、レイが武器をとりあげられ、抗議もむなしく後ろ手に手錠をかけられたときだった。

 もとより自分は拘置服と手錠姿で、どこからどう見ても被疑者だ。なにを言おうと信じてはもらえない。マッキンタイアは被害者面で逃げようとしたが、さすがに許されず、別な処置室に連れていかれたようだった。

 間抜けすぎる話で、怒る気にもなれない。ベスターかキングが目を覚ませば誤解もとけるはずだ。Dフォームが使えないかもしれないとのことで、エイミーとディックは正式記録用のフライングアイも飛ばしてくれていたから、いずれ嫌疑は晴れるだろう。

 ふと気づけば鎮静剤の影響もすっかり抜けて、体はもとどおりに動くようになっていた。ハルはうなじを撫で、見張りの警備員の目を気にしながら、スチールの椅子に座っているレイのそばに行った。前の机に腰をのせると、アルジャーノンが飛んできて肩に舞い下りる。喉を撫でてやりながら、ハルは後輩を眺めた。

 レイは椅子の背に回した腕を手錠で拘束された姿勢のまま、頭を垂れてぐっすり眠りこんでいた。髪は汚れているし、よだれをたらさんばかりの間抜け面で、男前が五割減だ。それでも、レイのDフォームを拝借してディックやエイミーと話し、レイとヘルヴァが自分の解放のために奔走してくれたのだと知れば、悪い気はしない。……いや、正直に言えば、うれしかった。

 レイがくしゃみをして、目を覚ました。

「……あれ?」

 眠っているあいだに手錠のことを忘れていたらしく、しばらく怒って文句を言ったあとで、あきらめたように肩を落とした。

「なんで先輩は前で、ぼくは後ろなんです? ふつう逆じゃないですか?」

「おまえな、自分の立場わかってるか? 警察署長を殺そうとした凶悪犯だぞ?」

「それはことの成り行きってやつでしょ。だいたい、先輩が大事なことをいろいろ隠しておくから物事がややこしくなったんですから。反省してくださいよ」

「……悪かった」

 レイは驚いた顔をして、大仰に体をのけぞらせた。

「先輩、熱でもあるんじゃ? 一回で素直に謝るなんて気持ち悪いな」

「うるさいよ」

 顔を見合わせ、苦笑を交わす。

「ついでに礼も言っておく。ありがとう。……けじめはつけておかないとな」

「お互いさまでしょ。今回はいろんな人に助けてもらった」

「ああ、そうだな。ベスターにさえ借りができた。じつに業腹だが」

「パトリシアもですよ。彼女、先輩のことがいまでも好きだって言ってました」

 ハルは黙りこんだ。

「……教えるべきです、金属片のこと」

 とがめるような目で見られ、ハルは顔をそらした。

「知ってたのか。エイミーの奴だな」

「先輩も弱気になることがあるんだって、ちょっと意外でした」

「二十パーセントだ」

「え?」

「除去手術の成功の確率。それでプロポーズなんてできるわけがない」

「でも受ける決心をしたんでしょう? ルナホープに行くために」

 それも知ってたのか。ハルは苦笑するしかなかった。それほど自分はわかりやすい人間だったのだろうか。

「成功しても、予後の観察で半年は宇宙旅行は禁止だとさ。今年のクリスマスはどうしたって無理だ」

「じゃあ来年のバカンスシーズンに」

 失敗の可能性など露ほども考えていない。そんな口調でレイは軽く言う。変に慰められるとこちらも困るので、ありがたかった。

「おう。ただし、それまでにいかした女のあてがつかなければだ」

「ダブルデートにすればいいじゃないですか」

「なにがなんでもついてくる気なのか」

 だって、とレイは笑った。

「月面から見た地球の大きさを計るコインは、ぼくが持ってるんだから」


 ◆


 ふたりが解放されたのは、もう明け方も近い時刻だった。キングが動いてくれたおかげで何日も拘留されずに済んだのだが、別に奴に礼を言う気にはならなかった。

 アリスの眼にスパイカメラを仕込ませたのは、キングだったのだ。彼は手駒だったサイモンの死に疑問を抱いて探るうちに、マッキンタイアがさまざまな悪事に関わっていることをかぎつけた。アリスに興味を抱いていると知ってジョナサン・ケントを買収し、秘密を探ろうとしたが、ジョナサンは兄のアーサーにアリスを奪われてしまい、マッキンタイアの怒りを買ってふたりとも始末された。

 そもそもは、バロウズ兄妹が起こした父親の仇討ちが拡散した結果だった。自分も精神科医の経験があるマッキンタイアは、サイモンの死をバロウズ兄妹の仕業と知って、ふたりをうまく利用したのだ。特捜班に微妙な案件が多かったのもそのためだ。けれども、アーケイディアはクローン猫事件がきっかけで協力を拒むと言いだし、結局は殺された。

 自殺の暗示は、信頼している人間にしかかけられない。アーケイディアはマッキンタイアを信頼していないから、暗示をかけることはできず、ふつうに殺すしかなかった。タイミングよく現れたハルを利用しようとマッキンタイアは思いついたが、それが墓穴を掘ることになったわけだ。

 バロウズ医師はサイモンとバージェスに自殺の暗示をかけて死に至らしめたことを認め、自白している。

 この件で、いちばんすっきりした顔をしていたのはキングだった。彼は、マッキンタイアのような薄汚いタヌキ親父が市長になるのはどうしても許せなかったのだと、理由を説明した。署長権限があれば、犯罪の証拠を隠滅するのは難しくない。マッキンタイアを犯罪者として告発するためには、荒療治が必要だった。

「おまえさんを利用した形になったのは済まなかったと思う。だが後悔はしていない」と、キングはいけしゃあしゃあと言い、片方だけのダイヤモンドのピアスをはずしてハルの手に握らせた。

「つまらないものだが、ほんのおわびのしるしだ」

 もちろんハルは突き返した。

「いらねーよ。今回のことで俺がどんな目に遭ったと思ってるんだ? それにピアスなんて俺に似合うわけねーし」

「とっておけよ。それはうちのカジノのフリーパスだ。サイモンにも同じものをやったんだが……奴はどうしたのかな」

 キングは寂しそうな顔で空を見上げた。

 ますますもらうわけにはいかない。といって捨てるわけにもいかない。さてどうしたものか。変な宿題が増えたと悩みつつ、ハルは送るというキングの申し出を断り、医療拘置所を出ていく赤いコンバーチブルを見送った。

「ところで、ヘルヴァに聞いたんですが。先輩がヘルヴァに託したファイル、送り先はキングだったんですね。どうしてですか?」

 レイが不満げな顔で腰に手を当てた。

「肉一ポンドと血液一リットルの代わりだ」

「は? なんでシェイクスピア?」

「話をはじめると長くなる。今日のところは家に帰って寝ないか? おまえはどうか知らないが、俺はもうくたくただ」



 レイのマッハ・ダイナスティは、ゲートを跳び超えるという荒技の影響もまったく見せずに、客用の駐車場で静かにふたりを待っていた。

《ご無事でなによりです、ミスター・ハル、マスター》

 ヘルヴァがいつもの涼しげな声で言った。

 夜明けも間近で、長い拘束にハルもレイも疲れ果てていた。アーケイディアの死はもちろん、署長の犯罪についても衝撃は大きく、信頼を裏切られたという思いが強い。市警察に対する市民の感情も揺れ、風当たりが強くなるだろう。しばらくこの事件が尾を引くのは確実だ。

 それでも、いつでも前向きだったミセス・メアリー・デイジーの分身であるAIの声を聞けば、明けない夜はないのだと思える。

「ここでひとつ問題があるんですが」

 レイがため息をつく。

「昨日かなりやらかしたんで、ぼくは免停中です。無視することもできますけど、やっぱり市警察の一員として、免停で乗るのはまずいでしょ?」

「じゃあ俺が前に乗ろう」

 拘置服のままドライバーをするのはどうなんだと思わなくもないが、時間が時間だし、気にする人もいないだろう。

「ああ、その手がありますね。後ろに乗せてもらうのははじめてだな」

 レイはうなじを撫でた。

「ちょっとわくわくする」

「そうか? 俺はガス単車に乗るのがはじめてなわけだが。アクセルは右グリップだったか?」

「……先輩、そんなことも知らないのに運転する気ですか? わくわくを通り越してどきどきしてきました」

「細かいことは気にすんな」

「しますよ。先輩が大ざっぱすぎです」

 そこへ得意げな声でヘルヴァが割り込んでくる。

《わたしがお教えします、ミスター・ハル》

「おう、頼む。これで百人力だな」

 ハルは合成皮革張りの座席にまたがり、ぽんと座面をたたいた。

「ガス車のエンジン音とやらをたっぷり聞かせてくれ、ヘルヴァ。昨日はだいぶこのへんでふかしたそうじゃないか」

「先輩、ここはまだガス走行禁止区域です。昨日は非常事態で仕方なかったんだ」

「かたいこと言うなよ。これから俺は長いこと病院生活だからな。おもしろそうなことはしておかないと後悔する」

《では今後、道交法違反の警告はいたしません》

 どこかうれしげに、ヘルヴァは返した。

「AIの教育を間違った気がします。まあでも、おばあさまなら逆に喜んでくれそうかな」

 苦笑して、レイが後ろの座席に腰を落ち着けた。「うわ、なんか変な感じだ」とつぶやきながら、ハルのウエストに軽く腕をかける。

「オーケイです、先輩」

「……そういえば、なんでおまえはまだ俺を先輩と呼んでるんだ?」

「そういう大事なことは、伝言じゃなく直接言ってほしいんですよね」

「……恥ずかしいじゃねーか」

「だから言ってほしいんじゃないですか」

「いいよもう、取り消す。一生、先輩と呼べ」

「あ、逃げた」

 ハルは答えず、行くぞとヘルヴァに声をかける。アルジャーノンはまだ昨日のうちに、署に戻るというベスターに連れ帰ってもらっていた。

《ではドライビングサポートを開始します》

「俺は初心者だからな、やさしく頼むぜ?」

 ヘルヴァの指示に従って、ハルはグリップを握り、スロットルを開けた。座面から伝わってくる低いうなりが体の芯に共鳴し、痺れるようなうずきが背骨を震わせる。

 こいつは……なかなかいい。

《発進します》

「オーケイ、ヘルヴァ。しっかりつかまってろよ、レイ。飛ばすぞ?」

「初心者なのに飛ばす気満々って、なにか間違ってませんか?」

 答える代わりに、ハルはエンジンをふかしてマフラーから派手な排気音をあげた。地球環境には申し訳ないが、この無骨なマッハ・ダイナスティには、罪悪感など根こそぎ吹き飛ばして快感に変える魔力があった。

 ブレーキを離すと、ヘルヴァのサポートがゆるやかにアクセルを入れる。回転するタイヤが地面をつかまえて、重量のある車体を力強く前へ押し出す。

 スピードが増し、風圧にきしむ体の奥で、痺れるような生の歓喜が目を覚ます。

 本能の命じるままに、ハルはスロットルをいっぱいに開けた。

 どこまでも行けそうな気がした。未来も夢も、続くこの道の先にあるのだと、いまは信じられる。



 ふたりとAIを乗せたマッハ・ダイナスティは風になり、エンジンを高く歌わせて、薄明のセントレアを駆け抜けていった。



(終)


《あとがき》


長いくせに中身の薄い本作、お読みいただき、ありがとうございました!


(10/6 超絶不評な冒頭話を改稿。ひと月半ぶりに意を決して読み返し、悶絶しました。「かいしんのいちげき」をくらった感あり。泣けます……)



 以下、反省も含めた自作語りです。興味のある方のみどうぞ。

 本来、作品は作品本文のみで読まれ、評価されるべき、という考えですが、本作は空想科学祭用に書いたものですし。お祭りに参加された書き手の皆さんにも、こんなウラがあったのか~程度にお読みいただければ幸いです。
















 本作はもともと、劇中劇として構想されたものです。無謀にも、「世界中で大人気な!北米発刑事ものテレビドラマ」という設定(苦笑) 1クール13話、話ごとの事件をこなしつつ、全話を通して解決される事件がある。ときどき大物俳優がゲスト出演して話題に……という、アメリカの連続ドラマのノリですね。実際に書くつもりはなく、遊びで考えていました。


 空想科学祭用にはもっとまじめな宇宙モノのしんみりした話を書く予定でおり、実際書き始めていたのですが、なかなか筆が進まず。今年で最後ということなら、思い切り趣味に走りまくったものを書こう!と方向転換したのが7月頭。プロットも決まらないまま書き始め、なんとか書き上げたのは締め切りの日でした。

 当初10~12万字程度で上げる予定が、結局は1.5倍になってしまいました。駆け足の執筆で推敲も甘く、とくに4、5章は粗が目立つかなり恥ずかしい仕上がりで情けない……。(シーンをつないで書き上げる自分の執筆方法は、推敲命。なのにその時間がとれないのでは、文字通り、話になりません)


 まあ、完成度はおいておくとして。

 構想の発端が劇中劇だったことが、本作をSFは味付けなだけの「なんちゃって」な作品にしてしまった原因と反省しきり。ご指摘もいただきましたが、もちろん自分でも、「これはSFじゃないよな」と思いつつ書いていました。少し未来の人が見るドラマという設定なので、未来の世界観自体は完全な背景であり、それ自体を魅せるものとしては描かないというスタンスになっていたのですね。


 もともと自分は、世界観は背景・舞台であって、そこでどうキャラクターが動き、ドラマをつくっていくのかを描きたいというタイプです。プロットはハイライトになるシーンをセリフ主体でシナリオ風に書いた断片の集合体。それをつないで一本のストーリーにするのですが、当然のようにキャラが勝手に動き出すので、構想どおりには進みません。でも、キャラクターが自分の意思を持ったかのように動き出す、その瞬間が楽しくて書いているんですねー。

 本作では、書き手としてその楽しさは十分に味わえたものの、SF作品として成り立つためのサイエンス要素のパーセンテージが基準以下になり、ドラマには絡まないという、ある意味で致命的な欠陥になってしまいました。


 もうひとつの反省点は、終始、ドラマを書く感覚――カメラの向こうで展開される絵空事を筆写するというような感覚でいたことです。コメディということもあり、自分が本来持っているリアル感から離れようと意識しすぎた結果、滑ってしまっているのですねー。まっこと、コメディは難しいぜよ! ……白状します。じつは、コメディを意識して書くのははじめてでした。無謀にもほどがありますね!


 もともとが、以前に描いた近未来なんちゃって刑事漫画のキャラ造形を流用しているため、多分に(少女)漫画的な表現になっており、合わない方は合わないだろうというのは折り込み済みでしたが。うん、冒頭でかなり読者を限定してしまっていたようで反省。

 さらっと笑っていただける話にしたかったのですが、滑っている部分が多かったようで。つまずきながらも読み通してくださった読者さまに心からの感謝と謝罪を。笑えた、面白かったと何人かにでも言っていただけただけで、よかった~。これを糧に、次回は滑らずつまずかせずに笑える話を書きたいと思います……い、いつの日かきっと……!


 一部の方はお気づきかと思いますが。クラシックなバディもの刑事ドラマのオマージュ作品でもあります。アメリカンなテレビドラマの小じゃれた会話や、街に根付いた生活の在りようが大好きで。そういうのをやってみたかったんです。

 ことさら北米っぽい雰囲気にこだわったのはそのためです。彼の地の人は今世紀末になってもきっと、ピザと炭酸飲料と野球が大好きだよ! そして男はみんな女好きなんだよ! という勝手な思い込みに基づき、ひたすら軽いノリを目指しました。

 いままでシリアス系かつ恋愛メインのストーリーしか書いたことがなく、しかも優等生的な「行儀のいい」主人公ばかりでしたので、こういった自分的に「はみだした」作品を書くのは、挑戦でもありました。

 拙い筆にて、成功しているかどうか怪しいですが、多少なりと笑ったり、北米的においを感じていただけたなら幸いです。「登場人物は少し懐かしいくらいにアメちゃんであり典型」「アメコミの感覚で読むべき」と感想をいただいたのですが、目指したところは「かなり懐かしいアメちゃんな人物たち」で「もとは漫画」でしたので、じつは成功はしているのかもしれません。しかし、それが一般受けしないどころか拒否対象になるというのは、大いなる誤算でした……。

 まあ、終わったことでくよくよしても仕方ないので、先に進みます。 


 登場人物のネーミングは大胆にも、お世話になったSFの巨匠たちや、作中の登場人物の名前を拝借したりしております。ちょい役だったり殺されたり黒幕だったりもしてますが、他意はありませんのでお許しを。ヘルヴァの名前は自分にとってバイブル的なSF作品、「歌う船」からお借りしました。アルジャーノンとピートは、言わずと知れた名作から拝借。SF漬けだった学生時代を懐かしく振り返りつつ使用させていただきました。


 下ネタ、内輪受け、パロディ(オマージュ)の三拍子そろえてしまってすみません! ニッチな趣味の産物を読んでいただける希少な場なので、つい羽目を外してしまいました。プロなわけではないし、趣味のオンラインノベルの発表の場なのだから、いいんじゃない?と思うのは甘いのでしょうかねえ。この手の作品を大勢の方に読んでいただけるのも、空想科学祭だからこそ、なんですよね。

 お目通しいただいた皆さま、拙作に感想をお寄せいただいた方々、ツイートしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

 このような機会を提供してくださった主催さまに、心よりの感謝を捧げます。5年ものあいだお疲れ様でした。参加させていただき、本当に楽しかったです。


 さて、「恋愛色のないコメディ」への初挑戦も終わったことだし。次は学園ラブコメにでも挑戦しようかな?




※SPECIAL THANKS※


「白鳥座61番星」瀬川昌男

 ――小2か3ではじめて読んだ和製ジュブナイルSF。自分のSFファンとしての原点。

「ファウンデーション・シリーズ」アイザック・アシモフ

 ――中1ではじめて読んだ本格海外SF。頭を殴られたような衝撃だった。これで海外SFに目覚めた。

「歌う船」アン・マキャフリイ

 ――バイブル的作品。何度読み返したかわからない。究極のプラトニックラブに萌えます……!



「冷たい方程式」トム・ゴドウィン

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」フィリップ・K・ディック

「鼠と竜のゲーム」コードウェイナー・スミス

「百億の昼と千億の夜」「たそがれに還る」光瀬龍

……章タイトルにお借りしました。


「2001年宇宙の旅」アーサー・C・クラーク

 ――ハルといえばこの作品、デイジーといえば彼の(最後の)歌。ということで、シャレです。

「火星年代記」等 レイ・ブラッドベリ

 ――レイの名前は高校時代に心酔した作家からいただきました。

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス

 ――自分としては短編版の衝撃が忘れられない。名作。

「夏への扉」ロバート・A・ハインライン

 ――いまだに、これを超えるSFには出会えていない気がする。山下達郎の曲も好きだ……!

……など、大胆にも本作にて名前などお借りしております。


おまけで学生時代に好きだったSF少女漫画も載せておく。

「11人いる」萩尾望都

「シルベスターの星から」「地球へ…」竹宮惠子

「樹魔・伝説」「イティハーサ」水樹和佳子

「竜の眠る星」「月の子」清水玲子


以下は海外のテレビドラマ。

「こちらブルームーン探偵社」

「警部マクロード」

「刑事スタスキー&ハッチ」

「白バイ野郎ジョン&パンチ」

「マイアミバイス」

「ナイトライダー」

「特攻野郎Aチーム」

「ER」

「24」

「クローザー」

「ヴェロニカ・マーズ」

「コールドケース」

「リ・ジェネシス」

「クリミナル・マインド」

「WITHOUT A TRACE」

「CSIシリーズ」

……などなど。エッセンスをいただいています(好きなものを並べただけですが!)

SFものとか恋愛ものとかも入れたいけど割愛。北米発のテレビドラマはいまも楽しく視聴中。


しかし……なんという、年齢がばれるラインナップなんだろう……!



あとがきは純粋に、作者の自己満足であります。

とりとめのない文章におつきあいいただき、ありがとうございました!


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