防犯対策は大事です
ある日、我が家にギャアアァァァという悲鳴が木霊した。
私は朝食をとっていてのだけれど、メイドが慌てて食堂に入ってきた。
「た、大変です! エリスお嬢様の部屋の前で……、誰かが黒焦げになって死んでいます!!」
その報告を受けて両親はこの場にいない妹の席を確認して顔を真っ青にした。
私は気にもしない顔で朝食を食べ終えた。
「あら、どうやら防犯装置が上手く作動したみたいですわね」
「ぼ、防犯、装置?」
「はい、最近誰かが勝手に部屋に入って私の物を盗っているみたいなので……、防犯装置を扉に設置致しました」
「そんな話聞いてないぞ!」
「しましたわよ、でもお父様は『忙しいから自分でなんとかしろ』と言われたじゃないですか?」
そう言うとお父様はウッと言う音と共に黙った。
まだ、この時は誰が犯人なのかはわからない。
私達は食堂を出て部屋の前に来た。
そこにはプスプスと言う音と共に黒焦げになった人だった者がいた。
「防犯対策はノブに手を付けた瞬間に強力な雷魔法が作動する様に細工致しました、それと」
私は壁の一部を指差した。
「私の部屋の周辺に映像記憶が出来る魔石を設置しました。 誰が入ろうとしたかはこれでわかります」
映像を確認したら私の部屋に入ろうとしたのは妹だった。
勿論、ノブを触った瞬間に悲鳴をあげて絶命する姿も映されていた。
お父様は呆然としてお母様は泣き崩れていた。
更にメイドからの証言で何度も私の部屋に無断で入り小物を盗んでいた事もわかった。
一応、憲兵にも入ってもらい捜査をしてもらった。
それで私のした行為が犯罪として成立するならそれはそれで素直に裁きを受けよう、と思った。
結果として『例え身内であろうとも人の物を盗むのは犯罪であり、令嬢が行った防犯対策は正当な事であり罪には問えない』とされた。
逆に『身内の犯罪を放置していた』とお父様とお母様は貴族としての自覚が乏しい、と国からお叱りを受けた。
まぁ、両親からしてみれば可愛がっていた妹がまさか姉の物に手を出していた、と言う裏の顔がわかりショックだったのだろう、早々に私に家督を譲り家を出て行った。
私は女公爵となったけど特に変わりはない。
元々、お父様の仕事を手伝っていたので領地運営は問題無いし逆に利益が増している。
「こんな事を言うのもなんですが……、エリス様に継いでいただいて内心ホッとしております。 前旦那様は正直領地の事は余りわかっておりませんでしたので」
執事に言われ私は苦笑した。
そんな事は娘の私が一番わかっている。
プライドだけは両親、それを受け継いだ妹は将来的にこの公爵家にはいらない存在だった。
だから、纏めて処分したのだ。
我が公爵家は安泰だ。




