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パニック作品

皮切り


数百キロ四方に広がる大森林に囲まれた全寮制の中高一貫校の敷地内に、ABC兵器に対応出来る防護服を纏った兵士が多数いた。


学校の校庭の真ん中付近に、何かが落下して出来たと思われるクレーターがある。


数百キロ四方に広がる大森林の上空には多数の軍用ヘリコプターが飛び回り、学校の敷地内にいる兵士たちとは別な部隊のガスマスクを身に着けた兵士たちが捜索を行っていた。


学校の敷地内にいる兵士たちが目にしているのはクレーターなんかでは無く、学校のそこかしこに転がっている生徒や教職員の惨たらしい遺体。


それらの中には互いに殺し合ったような傷跡がある遺体が多数ある。


何があったのだ?


最初の異変の知らせは、学校がある地域を管轄にしている警察署に寄せられた。


学校の教職員や生徒からの救いを求める電話。


『助けてくれー!


皆んなが突然凶暴化して暴れ回っている。


ガシャァァーン!


ワアァァァァー!


此方に来るなー!


助けてくれー! 


ギャァァァー!


…………』


似たように掛って来た電話は全て、掛けて来たと思われる人物の悲鳴が響いたあと途切れる。


通報を受けた警察は重武装した警官隊を学校に派遣した。


学校に到着しパトカーから降りた警察官たちに、互いに殺し合ったらしく、手足が無かったり折れ曲がったりして血まみれの生徒や教職員が襲いかかって来る。


校庭や学校の駐車場にいた者たちだけで無く、校舎や体育館からも生き残っていた血まみれの者たちが現れ、警察官たちに襲いかかって来た。


警察官たちは身を守る為に襲いかかって来る生徒や教職員を射殺。


銃声が途絶えたとき学校の敷地内で生存していたのは、駆けつけた警察官たちだけたった。


しかし学校を取り囲む大森林に逃げ込んだ者がいる可能性がある。


だから警察は政府に報告。


その結果、軍の部隊が派遣されてきたのだった。


派遣されて来た軍の兵士たちによって、最初に学校に来た警官隊の警察官たちは全員拘束され隔離されている。


政府から派遣された医師たちが学校の敷地内に転がる多数の遺体を調べている傍らで、兵士たちが敷地内に転がっているスマホを集め、学校の内外に設置されている監視カメラや防犯カメラの映像を分析していた。


最初に監視カメラに映し出されたのは、空の一角を指さし騒ぐ校庭で体育の授業を受けていた生徒の姿。


校舎の中に落ちていたスマホの画像を見ると、指さされている空に火の玉のような物が映し出された。


火の玉は隕石だと思われる。


隕石はグングン降下して来て校庭の真ん中付近に激突した。


落下して来た隕石に向けて校庭にいた生徒や教師が駆け寄って行き、その後に校舎から駆け出て来た生徒や教職員が続く。


隕石は落下してから数分後、周りに見物人の数が増えたのを見計らったように突然爆発し、青白いガスのような物が周りに漂った。


そのガスのような物を吸った生徒や教職員たちが突然狂ったように、周りの者たちと掴み合ったかと思ったら殺し合いを始める。


周りの者たちに襲いかかるだけで無く、後から校舎から出て来た者たちにも襲いかかると共に、逆の校舎の中に駆け込んで行く者たちもいた。


殺し合いを始めた者たちは痛みを感じていないのか、手足を折られても眼球を潰されても構わずに掴み合っている相手への攻撃の手を緩めない。


殺し合いが始まってから数時間後、監視カメラにサイレンと共に現れたパトカーなどの警察車両が映る。


警察車両から警察官たちが降りた途端、殺し合っていた者たちは掴み合っていた相手を離し警察官たちに向けて襲いかかって行き、警察官たちに次々と撃たれ全員射殺された。


学校の外に設置されていた監視カメラや防犯カメラの映像を見る限りには、学校の敷地外に出て行った学校関係者はいないようだ。


軍や政府から派遣された科学者たちは青白いガスらしき物の痕跡を探したが、見つからなかった。


政府や軍は此の事件を隠密に処理しようとしたが徒労に終わる。


何故なら学校に落ちた隕石は皮切りに過ぎなかったのだ。


落下してから数分後に爆発して青白いガスを吹き出す隕石が世界中の至る所に次々と落ち、隕石の周囲に集まって来た見物人が世界中で殺し合いを始めたからだった。






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