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Grim Reaper  作者: TonTon
1/1

プロローグ

その瞬間は唐突に訪れてしまった。

体全体に激痛が走る。

たった数分前までの自分を嘲笑うかのように。

今日という日も彼と共に生きて終えることができると思っていた。

明日も。その次も。そのはずだった。

思わず天に向かって手を伸ばしていた。

残念だが後悔しても"もう一度"はない。

わかっているのにそうせずにはいられなかった。そして案の定、掴んだのは虚空だった。

最後に彼の姿を脳裏に焼き付けておこうと彼を見る。

彼もまたこちらをみていた。

視線が一瞬交錯する。彼の青色の目は深い哀愁の意を漂わせていたが、すぐに彼の姿は見えなくなった。先にいったのだろう。

彼とのさまざまな思い出が駆けめぐる。

泣きそうになりながらも顔を上げて叫んだ。遠くにいる彼にも聞こえるように。


"ありがとう"



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