九 フォスの本音
フォスが世界に嫌われた証明たる「怠惰魔法」をつかった、、
その能力は、まさに「大罪魔法」に値するほどの威力、、
そして、「アルバ」が言葉をこぼす、、
フォスは、自身の考えを初めて他人に話す、、、
大罪魔法、、それは、世界がそのものを嫌ったことを表す証明、、大罪魔法は「憤怒」「傲慢」「強欲」「嫉妬」「怠惰」「色欲」「暴食」の七つが大罪魔法にあたる、、、それは、生まれながらにして刻まれるもの、、、つまり、「生まれながらにして悪」という烙印なのである、、、
それに対を成す魔法も存在する、それは、「五聖魔法」、、「神聖」「水聖」「火聖」「命聖」「豪聖」の五つがある、、
大罪魔法とは違い、「五聖魔法」はそれぞれに司る能力がある、、
「神聖」は「浄化」、「水聖」は「治療」、「火聖」は「活力」、「命聖」は「創生」、「豪聖」は「美徳」を司っている、、、
そして、フォスが使った魔法は「怠惰」、、、その能力は、、、
「、、怠惰魔法「無限重圧」、、、」
フォスがそう唱えると、「アルド」の地魔法「天理地外」を上下から押しつぶし、土埃にしてしまった、、、
「は、、?はぁ!!?ふざけるな、、、ふざけるなよ!!ある魔法は!!「ウォース」が俺に託してくれた魔力で放ったものだ!!それを!!それを、、な、、何だよ、、、お前、、、」
そう言った「アルド」の眼には涙が浮かんでいた、、
それを横目にフォスが「怠惰」について話す、、、
「、、今、放った魔法は「怠惰魔法」、、その能力は、簡単に言えば「距離、大きさに応じて重圧を与える」が能力だ、、、」
「ど、、どういうことだよ!!その能力なら!!「地外」は土埃にはならないだろ!!」
「はぁ、、お前は、魔法を使えるようになったというのに、そんなに簡単なこともわからないの?」
「あぁ!?馬鹿にしてんのかよ!?」
「馬鹿にしているんだよ、、さっきも言った通り、「距離、大きさによって、、」って言っただろ?じゃあ、その距離や大きさはどうやって決まると思う?」
「は、、?それは、使った時の、、いや、、人によって、、、」
「そう、小さいか大きいか、遠いか近いかは自分か他人かによって千差万別だ、、そして、「怠惰魔法」は自分を基準とする、どういうことか分かるか?」
「、、、っ!!それは、、、」
「あぁ、俺が近いと思えば、小さいと思えば能力は弱くなる、、しかし、俺が遠いと思えば、大きいと思えば事実上無限に重圧を与え続けることはできる、、、それが、「怠惰魔法」、、それが、世界に嫌われた者の魔法だ、、なめるなよ?お前らは命を懸けたとしても、俺に近づくことも、俺に届くことはない、、、」
「、、、ふざけるな、、ふざけるな!!そんなことが!!そんなことが許されるわけが、、、」
「ふざけてなどいないよ、それが現実で、それが世界から嫌われる覚悟、、皆に嫌われ、神にすら怖がられた世界で、お前は生きていけるのか?役目も寄り添ってくれる人も、大切にしている人にすら距離を開けられる覚悟があるのか?そんな覚悟もないものが、強さを求めるなよ?」
「、、、っ!!ふっ、、、う、、うぅ、、、どうしてだよ、、どうして、そんなに冷徹なんだよ、、、」
「俺がそう生きてきたからだ、、、自分でできるものだけじゃ意味がない、できないからするんだろ?わからないから聞くんだろ?そんなことすらできないで何が覚悟だ、私は、努力をするのならば妥協は許さない、、、妥協はやり遂げた者の特権だ、命がある限り、我々には挑戦が与えられる、それを投げ捨てるな、、それを潰すな、お前らには、生きるという挑戦権があるのだから、、、だから、ここで死ぬなよ?「アルドバルド」「ウォースメルバ」、、、」
そう問いかけたフォスの顔は何かを知っていて、、何かをあきらめたかのような顔をしていた、、、
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