五 フォスは生命を持つ
フォスと「冥霊」の戦いが始まった、、、
戦いを好む「冥霊」らしく、その攻撃速度は、フォスの反応速度でも早いと感じるほどであった、、、
そして、フォスは使うことを躊躇するほどの魔術、「時空魔術」を使う、、、
フォスの目の前に木の矢が飛んでくる、、
「、、!?早っ!?」
フォスは木の矢をぎりぎりで躱す、、
「おぉ、、避けたのか、、すごいな、、この「魔境の樹海」でも避けられる奴は少ないやつなんだけどな、、」
「、、、それはどうも、、てか、何だよその速さ、、」
「これは、森林魔術「木は敵を狙い穿つ」って言ってな、、これも込めた分の魔力によって速度が変わる魔術だ、、」
「、、森林魔術は、込めた魔力依存なのか?」
「あぁ、森林魔術は基本的には込めた魔力に応じて威力が変わる、だから、人間には向いてない魔術だな、、」
「そうかい、なら、私が森林魔術を使ったらどうなる?」
「、、お前の魔力総量ならば、わしの森林魔術の威力を軽く超えるだろうな、、、」
「、、なら、それがわかっているのならどうして戦いを続けるんだい?」
「、、ほれ、「世見」も言っておっただろ?わしは、戦闘狂なのだと、いくら生きようともやはり戦いは己を若返らしてくれる、、それがわしは大好きなんじゃよ、だから、ほれ、わしと殺し合いぞ!!」
「冥霊」がそう叫んだ瞬間、周囲に木の矢が次々と現れ、フォスに向かって行く、、、
「、、!!な、、そんなんありかよ!!」
次々と飛んでくる木の矢をフォスは当たらないように躱しながら、「冥霊」に向かって行く、、
「ははは!!素晴らしぞ!!この無数に近しい木の矢を避けながら!!わしに向かってくるか!!」
「、、!!そう褒めてくれるんだったら!!少しくらい緩めてくれてもよくないかな!?」
「ははは!!それは無理な話だ!!わしは戦いで手は緩めんのじゃ!!」
「そうかよ!!なら!!」
フォスが何かの魔術を放とうとした瞬間、「冥霊」が魔術を発動させる、、、
「おっと!!森林魔術「蔓は相手に生え絡む」、、」
すると、フォスに蔓に現れた、、
それは急激に成長し、フォスの体の自由を奪った、、
「、、!?な、、なんだよ、、これ、、う、、動かねぇ、、」
「ははは、、動けんじゃろ、、ほれ、、」
「冥霊」がフォスに向かって木の矢を放つ、、
「ほれ、どう動くのか見せてくれよ、、、」
「、、!!はぁ、、本当に搦め手使ってくるやつはめんどいんだよ、、時間魔術「時間は我を運ぶ」、、」
フォスが唱えた瞬間、「冥霊」が見たものは、蔓から抜け出し、空に浮いているフォスの姿であった、、
「、、どうやったのだ?」
「、、使いたくなかった魔術、「時間魔術」を使ったんだよ、、」
「、、「時間魔術」、、、そうか、、おぬしは使えたのだな、、」
「あぁ、本当にこれは使いたくなかったよ、空間魔術「偽の世界は作られる」、、」
フォスが唱えた魔術は、鏡に映した世界のようなものを想像した、、
「、、!?こ、、これは、、!?」
「鏡写しの世界だよ、、空間魔術の一つだよ、、まぁ、ここなら俺も自由に魔術をぶっ放せる、、」
「ど、、どういうことだ、、、?」
「強すぎる力ってな、時には邪魔なもので枷なものさ、、でも、それは、世界が耐えられないからだ、、なら、耐えられる世界なら?」
「、、本当の力を、、出せる、、、」
「そう!!でも、この世界の維持には、魔力を常に補給しなきゃならない、だから、これから放つ魔術は本当の力の半分くらい、、だから、耐えてな?「樹冥霊黙」、、、」
フォスがそう言うと、手を上に上げる、、
「、、時空魔術「空と時は存在を持たず」、、」
フォスが唱えた魔術は、元の世界で放てば「魔境の樹海」をすべて消し去るほどの威力である、、、
それを受けた「樹冥霊黙」は、自身を森林魔術で防御したとはいえ、瀕死の状態であった、、、
「おぉ、、生きてるのか、、さすがは、「生命」を司る管理者だな、、」
「、、そ、、それを知っていたのか、、」
「まぁな、「世見」を「鑑定」したときに他の管理者についても少しは見たからな、、」
「ど、、どう、、出たのだ、、?」
「ん?「世見」は「空黒」、「冥霊」は「生命」、「アルド」は「文明」、「ウォース」は「治癒」を司っているのだろ?」
「、、名前まで知っていったのか、、、」
「さて、、お前の生きながらえる方法は、私と契約を結ぶこと、、どうする?このまま死ぬか、生きながらえるか?」
「ふ、、敗者に選択はない、、甘んじておぬしの下に付こう、、」
「では、我、フォスは「樹冥霊黙」を下に付けることを認める。」
「、、わし、「樹冥霊黙」はフォスの下に付くことをここに、、、」
そうして、フォスと「樹冥霊黙」は契約を結んだ、、そして、フォスは「空間魔術」を解いた、、、
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