6話
戒徒「痛い目とはどういうものだろうか。教えて欲しい」
「こいつでお前をぶっこ…」
戒徒「これか?」手元にナイフがある。
「テメェ!いつの間に!」
戒徒「今さっき。見えなかったのか?頭だけではなく目まで悪いのか。だから娘を売りにも出せる下衆に成り下がるのだ
な」
「言わせておけば!調子に乗りやがって!」
戒徒「見るにも耐えんな」殴りかかってきた拳にナイフを返す。
「いてええええええええええ」
戒徒「うるさいな…少し黙ってくれないか」
「…!…!」
戒徒「これでだいぶ静かになっただろう」
ヨナ「ご主人様、これは…」
戒徒「何、うるさいから声を奪ってやっただけだ。もう少し落ち着けば返してやる」
ヨナ「いえ…それはしないでください。あの声を聞くだけで身の毛が弥立ちます」
戒徒「そういうことだ。お前の声は一生戻らない。俺が奪ったという証拠もない。次は命をもらう。汚過ぎて価値もつかな
いだろうがな」
ヨナ「行きましょう。人が集まってきます」
戒徒「そうしよう」
―
戒徒「少しはスッキリしたか」
ヨナ「スッキリしたはずなのに…どうしてでしょうか。心がキュッと縛られるように感じるのは…」
戒徒「お前は優しいんだな」流れる涙をそっと掬う。
そのまま頭を撫でると、ヨナが抱きつく。
そのまま、泣き止むまで待った。
―
ヨナはそのままベッドで寝ていた。
戒徒「服を着替えないとな」
涙と鼻水で濡れた服を着替える。
そうして外に出る。
―
戒徒「ヨナの家はここか」
「…!…!」
戒徒「嫁にも逃げられたか、しょうがないか」
「…!…!」
戒徒「残念だよ。ヨナが泣かなかったらお前は死んでいたはずだったのにな」家を出、宿に戻る。




