3話
戒徒「ありがとうな」
「ありがとうございましたー」
戒徒「服は上々。それじゃ用意して出るかな」
―
戒徒「それじゃ」行くか」
「はい。よろしくお願いします」
こいつは奴隷を解放した時に荷物持ちとしてついてくる事になった元奴隷だ。
奴隷根性が染み付いているのか何か仕事がないと殺されると思っているらしい。めんどくさいから荷物持ちを任せた。
どうせ裏切ることもできない。
戒徒「ヨナ行くぞ」
ヨナ「はい、ご主人様」
戒徒「お前はこの辺のことは詳しいのか?」
ヨナ「はい。この王国に来たのはつい先日のことです」
戒徒「それじゃ案内してくれ」
ヨナ「かしこまりました」
―
戒徒「ヨナ何故飯を食わない?」
ヨナ「ご主人様と同じ場所でご飯を食べるなど言語道断…」
戒徒「食え。命令だ」
ヨナ「か、かしこまりました」
戒徒「それでいい。立って待たれるとこちらが迷惑する」
ヨナ「以後気をつけます」
―
ヨナ「ご主人様。お一つお伺いしてもよろしいですか」
戒徒「どうした」
ヨナ「どうしてご主人様は奴隷を全員解放させたのですか」
戒徒「そんなことか」
ヨナ「ヨナは気になるんです。何も全員を買い上げなくても」
戒徒「金がある。困っている人がいる。助ける。他に何かいるか?」
ヨナ「い、いえ…」
戒徒「人間に価値をつけるのは人じゃねぇ。自分でつけるものだ」
ヨナ「は、はぁ」
戒徒「今度は俺が問おう。何故ついてきた?他のものは自由を手に入れて各自自分の故郷へ帰っているのに」
ヨナ「私には両親がいます。ですが借金の代わりにヨナを売ったのです。他の皆は何かしらの事情があるのでしょうけれ
ど、ヨナはただ売られたのです。帰れる場所では無いのです」




