第7話
そしてリタと各分野の知識が深い村人数名、ドクター度若者二名はそれぞれ自分に任されたことを始めた。
リタ一行は村のはずれにある共用研究所、ドクター達はフィーナたちの待つ開けた場所へ向かった。
「リタさん、ところでなんですけど、どうしてその水が体調不良の原因の可能性があると思われたんですか?」
「あぁ、それは...あの付近の地帯に有毒生物は生息していないし、植物も自生していない、外部の人間からの襲撃の可能性もゼロではなかったけれどフィーナの身体に外傷は見られなかった。そうなると残されているのは本人の持病と直接体内に吸収したことのみ。しかし、私含めその場の全員がフィーナの持病については聞いたことが無いと話した。だから残った可能性であるフィーナが口にしたこの水を調べにきたというわけさ。」
「なるほど...でもこのボトル、フィーナさんが飲んだにしては減っている量が多すぎじゃないですか?このボトル、1L近く入ったかと記憶してますが...」
「それはだな、私、二ーナ、ダン村長の4人全員そのボトルから中の水を口にしているからだ。」
「ええぇ!?じゃあ、皆さんも体調が悪くなってしまうんじゃ...」
「それが...全員飲んでからかなりの時間が経過したが体調に変化が起きたのは彼女だけだった。その理由を調べるために彼女の血液が必要だったんだよ。」
「そうだったんですね...フィーナさんを助けるために頑張りましょう!」
「うん!」
そして研究者達は調査を始めた。
ーー一方ドクター達はーー
「いやーわかってはおったつもりじゃったが久々の山くだりはしんどいなぁ」
「もうちょっとですから頑張りましょう!リタさんからもらった地図だともう目の前なんですから!」
「そのもうちょっとが年寄りにはしんどいんじゃ...」
「フィーナさん達のところについたら先生の体力が回復するまで休憩してもらっていいですから。」
「本当か?」
「えぇ、医者相手に嘘をついてもいいことは何もありませんからね。ただ!フィーナさんの血だけ、なるはやで採っていただきますよ!」
「くぅ~きついのぉ」
そんなやり取りをしているうちにドクター達はフィーナたちの元へたどり着いた。
「この娘か...確かに外傷は無いが弱っておる。」
「大丈夫ですか?ずいぶんお疲れのようですが...」
「心配いらん!採血なんざ血管の場所さえわかれば目をつぶってもできるわい」
そういうとドクターはすやい手つきでフィーナの採血を終わらせた。
「この場でできる検査はやってしまうか。」
「おや、先生にしてはやるきがありますね。」
「失礼じゃのぅ」
そう言いながらカバンから検査キットをとりだし、検査を始めた。