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夜の明けぬ村  作者: 五月七日時雨
6/12

第6話

フィーナが眠りに落ちてからリタと二ーナそしてダンの三人は原因について話し合っていた。


「どう思う?原因に見当はつくかね?」

「いえ...このあたりの虫や獣の毒などではこのような症状が現れたことはありませんし...」

「では、植物はどうだ?この山に自生する植物でこのような症状を引き起こす毒を持つものは無いかね?」

「植物もそのようなものがあるとは確認されていませんね...定期的に山道を中心に山全体の植物の生態系については調査をさせていますし、その際新発見のものがあれば細心の注意を払い回収し詳しく調べてもいます。調査で毒性を持つなどの危険性が発見されればダンさんに知らせ、全村民に注意するように通達していただいていますよね。」

「あぁ、そうだな。確かに過去に危険植物発見の知らせを受け取り村人達に周知させた覚えがある。最近はなくなっているよな。」

「はい。新植物は調査のたび発見されているのですが毒も危険性も無かったのでお知らせしていませんでした。」

「そうか...となると植物でも無いな」

「後考えられる原因は...フィーナ自身の疾患、植物などではない毒性があるものくらいですか。」

「二ーナ、何かフィーナの病気について聞いたことはあるか?」

「ううん、私も聞いたことは無いわね、いつも元気で病気をしてるイメージが無いわね。」

「だよね...僕もそのイメージだ。」

「私もだ。二ーナからの話でも私が自らの目で見ていても彼女はいつでも元気だったと思ったが...」


三人の考えは一向に進展を見せない。


「うーむ...植物などではない毒であっても多少なり外部からアプローチする必要があるよな,,,」

「ですね、ですが彼女の身体には外傷などは見られないのでこれも...あ、そうだ。」

「どうしたの?」

「フィーナが持っていた水ってまだ残ってるか?」

「えぇ、少しだけれど残ってるわ。」

「ちょっと村に帰ってこの水調べてみるよ。」

「どうして?確かにフィーは身体の力が抜けるとかの副作用があるとは言ってたけど男性のみだし、その上ごくまれって言ってたじゃない。」

「そうなんだけど...まだ発見されてからそんなに経ってないみたいだったし、どんなに研究から時間が経ったものだって新しく危険性や薬としての利用方法が発見されることだってあるんだ。...フィーナの研究を信じないわけじゃないけど、やっておきたいんだ。」

「そうだな...わかった。任せたぞ!リタ君。」

「はい!村のほかの知識深い者にも協力を仰ぎ、調べてみます。そして、フィーナの血液も必要になってくるので医者に話して採ってきてもらうので後ほど医者がくるかと思いますが宜しくお願いします。」

「わかった。こっちは任せといて。」

「うん。おねがい。 じゃあ、行ってきます。」

「いってらっしゃい!気をつけてね...」


リタは三人を背に村へと向かって歩き始めた。


「はぁ...何でこんなことになってるんだろう」

「今は考えても何にもならん...一先ずは私達も休もう。」

「休もうって...こんな山の中で?」

「なんだ、忘れたのか?この山にはいくつかここのように休める開けた場所が点在していてすべての場所に防護結界が張られているんだ。」

「そうだったわね...」

「そうだ、いいからお前は休め。フィーナのことは私が見ているから。」

「わかった...おねがいね」


そういうと二ーナはすぐに眠りに落ちた。


ちょうどそのころリタがアルア村に到着していた。


「リタさん!お帰りなさい!...あれ?魔道具や皆さんはどちらですか?」

「それが...道中フィーナが原因不明の体調不良に襲われてしまって運搬が厳しくなってしまったんだ。」

「えぇ!?そんな...」

「信じたくないが本当のことなんだ。それでその原因の可能性がある水を私が先に持ち帰り調査を行い、本当に原因であるのかと原因だった場合の治療薬の準備をすることになったんだ。」

「なるほど、そうでしたか」

「そうだ、ドクターはどこにいますか?」

「ドクターなら診療所にいるはずですよ。呼んできますね。」

「ありがとうございます。」


村人はすぐに診療所に向かい、ドクターを呼んできた。


「お前さんがわしを呼ぶとは珍しい。どこが悪いんじゃ?ゆうてみぃ。」

「いえ、私はどこも...実は山中に赴いてフィーナの血液を採ってきてほしいんです。」

「ほう。あの娘の血を?またどうして」

「フィーナを助ける調査に必要なんです。」

「わかった。行こう。ただ、さすがに一人ではただ死にに行くだけじゃ。わしもなかなかの年じゃからのぉ。誰か若いのをつれてっていいじゃろ?」

「もちろんです。宜しくお願いします。」

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