第2話
突如として起きた不可解な現象に村の人々は戸惑いを隠しきれていなかった。
「どうなってんだこりゃ…」
「なんで…」
「ダンさん!」
リタが村人たちが集まる広場へと近づいてくる。
「あぁ、リタ君。大変なことになってるぞ…」
「えぇ…どうして太陽が出てこないんでしょう…?雲とかで隠れてる訳では無いですよね…ん?」
「どうした?」
「ダンさん…あそこ…」
「ん?……え?」
そこには誰もが目を疑う光景が広がっていた。
「月が…出ている…。」
この時間に現れるはずがない月の存在に村人たちの混乱は激しくなっていく。
「なんで月が…!?」
「ほんとに何が起こってるんだよ…」
村人たちが混乱し、立ち尽くす中、リタがあることに気づく。
「ダンさん、もしこのまま夜のような状態が続いて、太陽が出なくなってしまったら作物が育たなくなってしまうんじゃ…」
「それはまずいな…多少の蓄えはあるにしてもすぐに無くなってしまうぞ…」
「作物や食料なら大丈夫だよ。ボクが保証する。」
突如森の方から聞き慣れない声が聞こえ村人全員が声のした方を振り返った。そこに居たのは幼い見た目をした銀髪の少女だった。「だ、誰だ?あんた、森で迷ったのか?」
あまりに幼い見た目に村人は迷子だと思い、優しく声をかけた。そして手を差し伸べようとした時、少女は口を開いた。
「いいや、迷ってなどいない。ボクは意図してこの場所に来ている。」
「どういうことだ…?」
嫌な感じがした村人は少女から距離をとる。
「ところで君たち、今不可解な現象に頭を悩ませているだろう?」
「あぁ、たしかにまだよく分からない状態ではあるが…それがどうかしたのか?」
「今、この村周辺は夜が明けない状態にある。その状態はボクが作り出したものだ。つまり、この状態を終わらせるのことが出来るのはボクだけ。元に戻して欲しいなら、しばらくはボクの言う通りにしてもらうよ。あぁ、忘れていた。ボクの名前はプニシラ。よろしくね。アルア村の諸君。」