第10話
三人が村に戻ると、既に村の女性たちが準備を済ませ、フィーナ達を待っていた。
「あ!帰ってきたわよ!」
「おかえりなさい!無事でよかったわ!」
「おぉ!帰ってきたか!」
女性たちの声を聞きつけ男たちも家から出てくる。
「栄養失調って言われたんですってね…?」
「はい…お恥ずかしながら…」
フィーナは恥ずかしそうに笑いながら答えた
「まぁ、今は細かいことは気にせずにご飯にしましょ!」
「はい!いただきます!」
それから村の人たちは心行くまで酒を酌み交わし、食事をとった。
翌朝、日常に戻った村の中心にリタ、フィーナ、二ーナ、ダンの四人が集まっていた。
「気分はどうだ?少しは良くなったか?」
「はい、おかげさまで!」
ダンの問いに今までにないほどの晴れやかな表情でフィーナが答える
「ほんとによかったよ、一時はどうなることかと思った」
「ありがとう、心配かけてごめんね」
いまだ少し心配をする二ーナにフィーナはやさしく微笑みかけ大丈夫だと伝える
リタはただの傍観者のようにやさしい目でそんなやり取りを見ていた
「リタ君もホントにありがとね。一番頑張ってくれてたってみんなから聞いてるよ」
「え…?」
「リタ君が必死に動いてくれなかったら私は今ここに立ててなかったかもしれない。もし助かってたとしてもベッドの上から動けてないかもしれない。そう考えるだけで胸がいっぱいになるの。だから、本当にありがとう。それだけ」
「フィー…」
「さて!お話はこのくらいにしてそろそろ出ましょうか!」
空気を切り替えるように手をたたいたのはニーナだ
「昨日できなかった氷の魔道具の運搬を終わらせちゃいましょう!」
「そうだな!頑張ろう!」
「昨日はダメダメだったけどその文今日頑張るから任せてよ!」
「よし!やろう!」
それぞれが気合を入れ直し、氷の魔道具の元へ出発した。