そして、男を試されるとき
このままでは、いつまで経っても同じことの繰り返しだ。
と、いうか、理性がもたない。
眠りの中で喘ぐ、かすみセンパイの姿は普段の強気な姿とのギャップもあって、あまりにも刺激が強過ぎた。
俺は深く息をついて、自分に言い聞かせる。
「起こさなきゃ……」
とりあえず、僕は再び手首を掴んでみようと手を伸ばす。
放っておいたら、胸まで晒してしまいかねない。
いや、それは偶然なんだから僕のせいでは……。
「いや、違う!」
自分を叱り飛ばした声が強すぎたのだろうか。
腹を決めてかすみセンパイの腕を掴もうとしたとき、その試みは最悪の結果を招いた。
「あ……あう、あ、ん! ……ん!」
かすみセンパイが寝返りを打った。その反動で、掌が飛んでくる。
「おおっとお!」
かわそうとした僕は、バランスを崩した。もんどり打って倒れこむ。
「わ、うわ、わわっとっとっとお!」
シーツの上に横たわる、センパイの体の上に……。
しまった!
「くう……くふ、んふ、ふ……」
起き上がろうとしたが、センパイはどんな夢を見ているのやら、細く滑らかな感触の腕が、僕を羽交い絞めにする。
温かく、柔らかな身体が押し付けられる。
「せ、センパイ、かすみセンパイ、部内恋愛禁止……とかいう以前に、問題だろこの状況は!」
逃れようと僕はもがいたが、ダメだった。僕の身体にも、昨夜までの疲れが溜まっていた。
僕の意識が遠のいていく。
……やっぱり、徹夜は身体によくない。
最後に考えたのは、そんなことだった。
日は、そろそろ暮れかかっていた……。




