タブー……ドンドコドンドンドンドンドン
結末の手前まで夢中になって書き進めて、僕は我に返った。
「締めの一言がなあ……」
まだまだ書くことはたくさんある。
先へ進んでもいいけど、書き終わった後にダメ出しを食らったら、僕はもう、立ち直れない。
いくら「任せた」と言われても、ここはチェックをもらったほうがいいのではないか。
そのためには、かすみセンパイを起こさなければならない。かすみセンパイを起こすには、振り向かなければならない。
いくら「見るな」と言われていても……。
「仕方ないよな」
僕は思い切って立ち上がった。
振り向くと、かすみセンパイはすぐそこにいた。
静かな寝息をつきながら、深い眠りについている。
ベッドの白いシーツの上で横になって……。
思わず息を呑んだところで、僕はおずおずと声をかけた。
「あの、センパイ、それはシチュエーション的にマズいんじゃないでしょうか……」
シーツの上に身体を投げ出したセンパイの姿は、無防備といってよかった。
両腕は大きく開かれ、甘い吐息で上下する、豊かな胸の隆起を露わにしている。
ホットパンツから伸びた白く細い足。片膝上げて横になっているので、太腿の内側が僕のほうに晒されている。
まずい。この姿勢は、まずい。
頭の中に、あの「タブー」の曲が流れる。
……ドンドコドンドンドン、ドンドンドン。
「あの……かすみセンパイ?」
目をそらしながら声をかけたが、寝言も返ってこなかった。
聞こえるのは、微かな呻き声だけだ。
「あ……ん……」
まずい。こんな状況で、夜中にふたりっきりは絶対にまずい。
かすみセンパイに聞こえるか聞こえないかの微妙なコントロールの下、僕は声をかけ続けた。
「起きてください、センパイ……」




