クライマックスを一気呵成に書き上げます!
日が陰ってきたのを感じて、僕はパソコンを打つ手を止めた。3つ目のシーンも書き終わっていた。
だが、まだシーンは3つ残っている。
観を追ってきた父親は、無視個の気持ちなど知る由もなく、勝手なことを言う。
「こんな山奥に、いったい何だ! この雨だ、さあ、帰るぞ」
観は、雨の中で振り向きもしないで答える。
「帰るよ、用が済んだら。そんなに危ないんなら、さっさと今すぐ帰ってくれよ!」
母親はというと、言うことがピント外れである。
「観、帰るに帰れないの。あなた、車のバッテリー外してきたでしょ? 私たち、バスが来るまで、ここから動けないの」
第4シーンだ。大雨の中で観と、彼を連れ戻そうとするその他の登場人物が対峙する。豪雨に流される廃屋。地すべりから観を助ける周囲の人々。観は、両親や友人、先生が自分を心配しているのを知る。
1袖のSSは生明かり(カラーフィルターを使わない白色校)を観に当てる。
2袖のには深い青色が入っていて、崖崩れのシーンでは濁流に呑まれかかった観を、扉ごと照らし出す仕掛けになっている。
あきらが泣き叫ぶ。
「観……バカ……バカ! 何でこんな……」
その想いは痛いほど分かる観だが、悠里を放ってはおけない。
「ごめん、あきら、でも俺……」
小菅は観への友情とあきらへの想いに引き裂かれながら、苛立ち紛れに吐き捨てる。
「あきらちゃん、ほっとけ! こんなバカ、もう……」
第5シーンだ。
それでも観は皆を振り切って、流された廃屋を川沿いに追う。上手と下手の花道に分かれて、互いの思いを語り合う観と悠里。
悠里は濁流に沈む。
「もういいの、観! 私、楽しかった。ここへ来てよかった……だって、あなたに会えて、それっきりになるから! もう、帰らなくていいから!」
小菅や父親に後ろから抱き留められながら、観は絶叫する。
「絶対に、絶対に探し出す! 悠里が帰らないんなら、どこかで、俺たち、必ず!




