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誰もが生きて語り出す

 都築あきらが、夕方になると姿を消す観をためらいがちに問い詰める。


《最近、見ないんだけど、夕方。ねえ、何してんの? いっつも》

 

 観はうろたえながらも、シラを切る。


《いや、別にいいだろ、出歩かなくたって》


 ふくれっ面して、あきらは拗ねてみせる。


《いっつもさ、どっか行ってるじゃん》


 そこで小菅総一郎が茶々を入れる。


《あきら見てんじゃん、観が夕方出ていくの》


 追及にかかっていたのを、あきらは必死でごまかす。


《そういう意味で聞いてんじゃないんだってば!》


 そのごたごたをいいことに、観は話をそらそうと無駄な努力をする。


《うっわー、バレた、恥ずかし~っ》


 観にとってありがたいことに、小菅は調子に乗ってくれる。


《な、男には知られたくない秘密が……》


 観を責めて嫌われたくないあきらはとりあえず、小菅に同調する。


《何よそれ、いやらしい!》


 観も調子を合わせるしかない。


《だから悪い、小菅、これ以上は……》


 そこで小菅は、話をそらすための長い長い冗談にオチをつけた。


《いや、正直に言え、そういう本を隣町まで歩いて買いに行ってますって》


 もちろん下ネタのつもりだったが、あきらは身悶えして嫌がってみせたりはしなかった。


《山越えて?》

 

 冷ややかなツッコミに、あっさりと小菅は寝返った。


《尾行られてんじゃん、観》


 その裏切りに、観は半狂乱になって抗議する。


《え……おい、小菅! 墓穴掘ってんだろ! フォローになってないし!》


 小菅の役割は、嫉妬に燃える幼馴染との間を取り持つ調停者にすりかわっていた。


《ダメだ観、もうごまかしきれん、諦めろ! あきらも頭冷やせ、こいつにはもう夜中に逢引する彼女がいる!》


 どうやら、仲間を売って事態の収束を図ろうとしているようだった。

 観は、最後の悪あがきという名の、無駄な抵抗を試みる。


《いや逢引って何だよ、いつの人間だよお前、っていうか彼女じゃないし!》

 

 もっとも、あきらはそんな弁解など聞いてはいない。


《何よ、不潔フケツ不潔! 観のバカ! 変態! 大っ嫌い!》


 泣きながら教室を出て行くあきらを観と小菅が止めようとする。ムキになって騒ぐあきらの前に担任が出てきて、騒ぎが大きくなる。暗転……。

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