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ごもっともなお怒り

 かすみ先輩の追及は終わらない。


「話が違うんじゃないのか、え?」

「話……ですか?」

 

 そらした目の先に、かすみ先輩の黒縁メガネがある。


「とぼけんな周作」


 話というのはこうだ。

 演劇部は夏に地区大会を控えている。地区大会の先は県大会である。

 ウチは常に県大会の上位校で、遠い昔には全国大会に出たこともあるらしい。

 更に台本は毎年、生徒創作だという。前年度、3年が卒業した後に1年生が書いて、2年生が指導して完成することになっている。

 この「新2年生による生徒創作システム」もまたウチの売りで、他校もマネして次々に県大会に出場し、ウチのライバルになっていると聞いた。

 つまり、本家本元のウチがここでコケれば間違いなく地区で落選し、いい物笑いの種になるということだ。

 そこで、僕の迂闊な一言が問題になってくる。


「アンタが書くって言ったんだろ」

「……そうです」


 もう、ごまかしきれない。

 そう。1ヶ月前、部活の台本制作会議で、それを書くと言ってしまったのだ、僕は。

 引き受けたのは春休み前になる。

 それなのに僕は、ずるずると今日までサボり通してしまったのだった。


「もう、かばいきれないからな」


 台本がなかなか出ないので、僕は随分と周りからせっつかれた。せっつかれたというより、完全に吊るしあげだった。

 それを抑えてくれたのが、かすみセンパイなのである。

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