Battle1.学園のトップ
四人は校舎内へと歩みを進める。
背中に感じる追い風が四人の入学を喜んでいるように感じる。
?「やっと来たわね。」
明るく優しい声が聞こえる。
奈波「すみません。妹たちの準備が遅くて...。」
麻衣「まぁいいわ!私は麻生 麻衣。数学科の先生よ。」
四人はそれぞれの自己紹介を済ます。
麻衣「それじゃあ、教室に向かいましょうか。」
奈波と舞衣は二年生、結実と七聖は一年生だ。
それぞれの教室に進む。
教室で二度目の自己紹介をすると、ケンカを売ってくるものがいる。
奈波「御託はいいから、さっさと来なよ。」
大きな目を見開き、挑発する。
舞衣「私弱いからぁ、ケンカなんてしたくないんだけどぉ。」
ぶりっこになり、嘘をつく。
結実「全員まとめてぶっ倒す!」
大きく叫び、臨戦態勢をとる。
七聖「あんまり汚れたくないから、終わらすね。」
冷静に呟く。
四人は個性的で素晴らしいほどバラバラだ。
それぞれがいる教室は静まり返る。
それは当然だ。クラス全員が倒れ、立っているのは姉妹だけだ。
一時間ほど睡眠をとると、昼食の時間を迎える。
四人は再び顔を見合わせる。
揃って屋上に行くと、一人の少女が黙々と弁当食べていた。
人見知りではない舞衣がすぐに話しかけに行く。
舞衣「ねぇ!」
その少女は驚いた顔で舞衣を見つめる。
少女の顔は驚くほど整っており、遠近法を無視したような顔の小ささ。
少女「な..何ですか?」
その通りだ。誰だって一人でいるときに後ろから肩をたたかれながら、声をかけられたら驚く。
舞衣「私は亰蘭 舞衣!二年三組に転入してきたの!」
少女「はぁ。」
奈波「舞衣。急に失礼でしょう。ごめんね。」
奈波は優しく話しかける。
舞衣「だって、私友達欲しいんだもん!」
少女「あの皆さんは姉妹なんですか?」
結実「えぇ。そうよ。」
そして、五人は時間がなくなるまでしゃべりながら昼食を食べた。
奈波「あ、そういえばあなたの名前は?」
明日香「明日香。只野明日香。」
七聖「明日香っていうんだ。よろしく!」
そんな時だった。
屋上の扉が勢いよく開く。
?「明日香!!」
?「何やってんの!ミーティングも来ないで!」
明日香「ごめん、サユ セイラ。」
奈波「お友達?」
明日香「ううん、仲間。」
舞衣「一緒じゃないの?」
笑いながら、そう言う舞衣。ごもっともだ。
明日香は立ち上がり、二人のもとに近寄る。
明日香「ねぇ、みんなの目標は何?」
奈波「この学校でトップを取ることだよ。いるでしょ?学校のボス。」
明日香「ボスみたいに全体を支配しているわけじゃない。ただ、だれも逆らえないだけ。」
サユ「あんたら、噂の転入生か。」
七聖「もう噂回っているんだね。」
セイラ「行くよ、ボス。」
舞衣「ボス?」
明日香「さっきトップを取るって言ってたよね?」
明日香は四人のほうを向き、今迄からは想像できない怖い顔で言った。
明日香「然るべき道を通って、私のところに来て。待ってるよ。」
明日香はこの「乱正学園」のトップだった。
四人は心に決めた。
ーーーーー待ってなよ、明日香。