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チュートリアル

チュートリアル大事ですよね。実際に戦いってどうやるんでしょう?

「それでは、説明しますね。名前、種族はそのままの意味です。魔物種は職業に就けないので、その代わりに今の状態といいますか位を記しています。経験を積むとレベルが上がり、一定のレベルで進化が発生します。称号はノア様の行動により、神々から与えられるものです。中には特殊な効果を持った称号もありますので、是非探してみてください。体力はいわゆるHPのことで、これがなくなると死亡します。魔力はMPで、魔法を使う際に消費されます。これがなくなると気絶状態になりますので、気をつけてください。攻撃は物理攻撃に、耐久は物理防御に、知力は魔法攻撃と魔法防御に、俊敏は全ての行動速度に、器用は様々な成功判定に影響します。最低のFから始まり、E、D、C、B、A、S、SS、EXの9段階で表示されます。スキルは今装備しているスキル名とレベルを表示します。SPはスキルポイントの略で、このSPを消費することによって新たなスキルを獲得することができます。他の方法でもスキルの獲得は可能なので、色々と試してみてください。」


てことらしい。これは、弱いなあ。まだレベルも1だし、進化もしてないからしょうがないけど、微レアってことだしちょっと期待してたんだけどな。ま、いっか。それよりスキルを決めちゃおう。まず武器系はっと、剣、槍、斧、杖、拳、、、いろんなのがあるな。縄ってなんだし!?これ選ぶやついるのか?うーん、双剣とかないのか。小太刀二刀流とかやってみたかったんだけどなあ。まあ無難に剣にしとこう。次は魔法系ね。火、水、風、土の基本4属性に光、闇の計6個か。火は燃えそうだし、魔物で光もなんかなあ。水と闇にしとこう。耐性系は火耐性と、、、汎用系は、、、生産系はこれで、その他は、、、。目ぼしいのをピックアップしたけど、2枠埋まらない。アークに聞いてみようかな。


「アーク、こんな感じにしたんだけど、どうだろう?アークのオススメスキルとかあるかな?」


「どれですか?そうですね、鑑定を取るなら識別も一緒に取った方がいいですね。そして、ワタクシのオススメですが、パペット種ということもあるので、これと、これもオススメですね。あとは、、、。」


アークと一緒にあーでもないこーでもないと悩みます。結果こうなりました。



スキル:剣1、土魔法1、闇魔法1、鑑定1、識別1、察知1、身体制御1、魔力制御1、自動修復1、鍛治1

の10個。テンプレートからは大幅に外れているが、これでいいらしい。テンプレはあくまでテンプレってことだな。アークのオススメは、土魔法と制御系2つに自動修復。なんでも、パペットの体が木でできてるから土とは相性がいいらしく、制御系は育つとかなり便利らしい。自動修復は自動体力回復のパペット版。ちなみに二刀流とかは、剣を育てていけば派生進化するかも。とのことだ。


「では、スキルも決まりましたし、チュートリアルに進みましょう。チュートリアルは受けますか?」


「ん?受けないこともできるの?もちろん、受けようとは思ってたんだけど、それぞれにメリットデメリットってある?」


「チュートリアルを受けるメリットは、戦闘方法や生産方法、ステータスボードの使い方などの確認ができ、さらにチュートリアルクリア報酬が僅かですが与えられます。デメリットとしては、その分プレイする時間が遅くなることでしょうか。受けないメリットはその逆で、早くThe Wonderful Worldの世界に行けることでしょう。デメリットは、全てを手探りで始めることでしょうか。」


「そっか。ありがとう。もちろんチュートリアルは受けるよ。」


「わかりました。それでは、場所を移しますのでお手をどうぞ。」


差し出されたアークの手を握ると、視界が変わり、一面緑の草原に移動していた。どういう仕組みなんだろ?魔法かなんかかな?


「それでは、まず戦闘訓練を始めます。武器はこの短剣を使ってください。今から始まりの街周辺に生息する【ラビ】というモンスターを呼び出します。最初は動きませんのでワタクシの指示通りに動いてみてください。」


「わかった。」


渡された短剣を握りしめ、気持ちを落ち着かせる。ミニパペットの体が小さいから短剣でもそれなりの大きさに感じる。それと同時に何もなかった場所にウサギが現れた。モンスター?普通のウサギに見えるけど。動いてないから剥製みたいだけど。


「ではノア様、まずはご自分の視界左上を意識してみてください。緑色のバーと青色のバーが見えますか?それが体力バーと魔力バーになります。確認ができましたら短剣を使ってラビに、攻撃してみましょう。」


ラビが動かないのをいいことにゆっくりと近づき、右上から左下に向かって一閃!ズバッという音は全然聞こえもしなかったが、ラビにダメージを与えることはできたようだ。血が吹き出てきて多少気分が悪くなるが、「これはゲーム。これはゲーム。」と自分に言い聞かせることで落ち着かせる。


「そうです。いい感じですね!次はスキルを使うイメージで識別と唱えてください。」


すると、頭の中にラビのものと思われる情報と体力バーが浮かんできた。

名前:

種族:ラビ

職業:???


「これは、」


「見えましたね。それが識別の効果です。識別は生物の、鑑定は非生物の情報を読み取ることができ、レベルが上がると詳細をみることもできます。では次に魔法を使いますが、その前にまず、ノア様には自分の魔核がどこにあるかを探ってもらいます。頭の中を空っぽにして、体の中心に意識を集中させてください。目を閉じて楽な姿勢になってみるのも良いかと思います。」


言われた通りに、ってどうやって目閉じるの?宝石がはまってるだけなのに。普段通り閉じてみるか。おおっ、視界が暗くなった。へー、外からはどう見えてるんだろ?


「アーク、今目閉じてるんだけど、アークからはどう見えてるの?」


「ノア様のお顔は変わらずです。進化すると、目を閉じることも、表情をつけることもできますが、今はまだ無理です。」


じゃあただボーッと突っ立ってるだけに見えてるってことだな。まあいいか。集中集中。そのまましばらくボーッとしているのだが、何も感じない。こういう時ってお腹の下の方が熱くなってきて「これが魔力か!」ってなるんじゃないの?


「アーク、何も感じないんだけど、どうしよう。俺、魔法の才能ないのかな。」


悲しそうな声を出す俺に、アークは


「ノア様に魔法の才能がないわけありません!きっと魔核が小さいのですね。ワタクシも一緒に探しますね。」


というと、俺の背中に手を添えた。


「今からワタクシの魔力がノア様の体の中を一周します。ワタクシはそれでノア様の魔核を探しますので、ノア様は小さな変化も見逃さないようにしていてください。」


「わかった。頑張るよ!」


すると、背中にあるアークの手が少し温かくなり、何かが流れ込んでくる感覚がした。「これが魔力か!笑 言えた。」なんて思いながらもアークの魔力が回っている感じを辿っていると、口の中、厳密には奥歯のあたりが異様に熱いってか痛い!


「アーク!痛い痛い痛い!」


飛び跳ねながら叫ぶ。ゲームじゃなかったら泣いてた。痛覚設定低めにしてたはずなのに、バグですか?


「す、すみません。ノア様の魔力の波長がワタクシの魔力と相性が良かったもので、つい力を込めてしまいました。でも、そのおかげでノア様の魔核の場所もわかりましたね。奥歯とはかなり珍しい位置ですが、多少有利には働きそうです。」


魔力に波長があるってのも初耳だけど、魔核の場所に有利不利があるのも初耳だ。アークいわく、使役獣いわゆるペットをゲットする際に重要になるのが魔力の波長らしい。どんな魔物もペットにすることはできるが、相性によってゲットのしやすさだったり成長の方向性だったりがかわるみたい。で、魔核の場所は、基本バラバラだが多くのパペットは胴体にあるようだ。たまに手足にある個体も存在する。頭部は珍しい。ここからが重要で、パペット種の倒し方が1体力を全損させるか、2頭部を落とすか、3魔核を破壊するかの3パターンあるらしい。手足とかだと、切り落とされてから一定時間経過してしまうとそのまま本体も倒せるとのことなので、極端な話ダルマさんにしてしまえばいいってこと。怖っ!で、俺の場合は2と3がほぼ一緒なので多少有利ってことになる。納得。しかも、奥歯っていう小ささも有利。てか、部位欠損部位破壊もあるのね、このゲーム。だから自動修復のスキルがオススメだったのかな?弱点はそのまま弱点ってことだね。


「ではノア様、魔核に意識を集中させてください。そこがノア様の魔力の中心になりますので、魔核から魔力を引っ張るイメージで体全体に魔力を流してみましょう。最初はゆっくりと、慣れてきたら少し速くしましょう。」


アークの言う通りに、引っ張る。引っ張る。引っ張れたら血液循環のように流す。ぐるぐるぐると流す。まだまだ流す。ひたすらに流す。楽しくなってきたのでどんどん流す。いける限界まで流す。なんだかんだ20分くらいやってると、ふいに


《一定の経験を積んだことにより、魔力操作を覚えました。》

《魔力制御1のレベルが上がりました。》


「えっ?何?」


「どうしましたか、ノア様?」


「いや、魔力操作がどうとか、魔力制御がどうって声が聞こえて。」


「おおっ!アナウンスがあったのですね。それは、この世界の神がノア様の行動を見ていて、一定の水準に達したことを認めた証です。流石ノア様です。こんなに早くアナウンスを聞くとは。」


「そうなんだ。なんか照れるけど、こんな感じでレベルアップやスキル習得するんだね。じゃあ、魔力もなんとなくわかったことだし、ずっと待っててくれてるラビに魔法を使ってみるよ。」


魔力を手のひらに集めるイメージをして、土魔法1で覚えている技を放つ。


「ストーンバレット!!」


すると、直径2cmほどの土の塊が結構な速さでラビに向かってまっすぐ飛んでいく。ノックバック判定があったのか、ラビは後方に軽く吹き飛んだ。血を流したままひっくり返ってるウサギさん。痛々しくて、かわいそすぎる。早くトドメをさそう。俺の精神衛生のために。部位破壊できるのを知ったので、素早くラビに駆け寄り、首を狙って上から下に短剣を振り下ろす。ポンっと音がなり、煙と共にラビの姿が消え、煙が俺の体の中に入ってきた。倒したってことかな。


「お見事です、ノア様。動物系のモンスターは、頭部を落とすと倒せるものが多いですね。そして、倒すと今のようなエフェクトと共に消えます。ドロップアイテムは自動的に討伐者のインベントリに格納されます。」


ボードを出してアイテムを確認してみると



ラビの毛皮 F

30cm×30cmの真っ白な毛皮。服の素材になったり、防具の裏地に使われたりする。



と、ドロップアイテムの詳細が表示された。これは鑑定の効果だ。もっとレア度の高いアイテムの場合は表示されない箇所もあるとのこと。鑑定のレベルアップも必須のようです。


「これで、戦闘訓練は終了になります。続いて生産のチュートリアルを始めます。また場所を移しますので、お手をどうぞ。」


おなじみの移動方法で着いたところは、室内だった。大きな作業用だと思われる机が1つに椅子が2つ、鍛治に使うであろう炉には、轟々と火が燃えている。椅子にのぼると机の上には、ハンマーや火挟、様々な武器の型などが所狭しと並んでいる。


「生産にはオート、セミオート、マニュアルの3タイプがあります。オートは失敗の可能性が低い代わりに一定以上の品質になることもありません。マニュアルは失敗することも多くありますが、極めれば最高品質のものの作製も可能です。また、自由度も高く設定されています。セミオートはオートとマニュアルの中間ですね。失敗もそれなり、品質もそれなりです。全てに共通することは、鍛治レベルが上がれば失敗も減り、品質も向上するということです。」


「鍛治なんて実際にやったことないしな。マニュアルはまず無理。オートはなんか味気なさそう。ということで、セミオートだな。」


「わかりました。では、セミオート用のチュートリアルを始めましょう。まず、どの種類の武器を作るか選択します。短剣ですね。はい。次に使う鉱物を選びます。今は銅鉱石のみですが、鉄や銀などもあります。選んだら、炉に入れて溶かします。セミオートなので、すぐに溶けますので、インゴットの型に入れてください。これでまず、銅のインゴットができました。では、インゴットを火挟で掴みながら炉に入れてください。赤くなったら取り出し、ハンマーで叩いて伸ばします。叩く場所は鍛治スキルによって明るく照らされていると思いますので、一定の力とリズムで満遍なく、そして短剣の形をイメージして叩いてください。、、、はい。そのくらいで大丈夫です。最後に仕上げとして砥石で研ぐだけです。、、、お疲れさまでした。これで、ノア様の短剣が完成しました。」



銅の短剣 E

銅で作られた短剣。丁寧に研がれているため、斬れ味はなかなか。

製作者:ノア



ちなみにアイテム名の横のアルファベットはレア度で、F〜EXまである。ステータスと同じでわかりやすいね。


「できたー。セミオートでも案外疲れるなあ。」


「お疲れさまです、ノア様。これで全てのチュートリアルが終了しました。いよいよThe Wonderful Worldの世界に旅立っていただきます。あの扉をくぐると、ノア様だけの冒険のスタートです。ワタクシ、アークは、ノア様のご活躍をお祈りしております。」


そっか。これでアークともお別れか。随分長いこと一緒にいたからちょっと寂しいけど、しょうがないな。また会えるかな?たぶん会えるだろ。だって、ノアとアークだもんね。


「うん。じゃあね、アーク。いろいろ世話してくれてありがとう。行ってくるよ。またね!」


俺は扉をくぐりながら、別れと再会の言葉を口にした。くぐり終わると、ゲームを始めた時と同様の強い光に目を閉じていた。


「またね、ですか。」


1人残されたアークは小さな声で呟いた。嬉しくて、そして寂しくて。初めて名前をつけてくれ、優しい言葉をたくさんくれたノア。魔力の相性が抜群だったことなんて、創造主たる神以外に初めてだった。こんなに楽しくて充実した時間が今までにあっただろうか。この時間がノアのためになっただろうか。もっと話したかった。もっと甘えたかった。もっと、もっと、、、でも、それよりも、この世界を楽しんでほしい。好きになってほしい。そして、ノアには、ずっと笑っていてほしい。恋する女の子の気持ちで、


「ノア様が、この素晴らしき世界を楽しみますように。幸せになりますように。」


アークは祈る。ノアが笑っていられるように。できることならもう一度会えるように。そして、、、自分と同じ、【パペット種の頂点】に進化できるように。


書き溜めた分はこれで放出しました。あとは週一ですかね?月一ですかね?のレベルです。

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