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騎士様の朝は早い
朝、目を覚ました私は、香ばしい匂いに誘われてベッドを出ようとした。…ゴンッ。幸い私は二段になったベッドの下の段だったので、それほどの高さはなかったが、ベッドから落ちてしまった。…痛い。しかし、そのおかげで目が覚めたので、匂いの方を見た。
「おはよう姫、すごい音がしたけど大丈夫かい?」と、私に話しかけながら、そこでは緋音ちゃんが料理をしていた。
「おはよ〜、早いね。」とボーっとする頭に手をやりながら言う。
「うん、少し走っていたからね。それよりもうすぐ朝食が出来るから、座って待ってて。」
「わーい、ありがとう。でも、してもらってばかりは悪いし、何か手伝うよ。何かやる事ある?」
「いや、今日はいいよ。もうそろそろ終わるし…。それにお姫様なんだから。」と笑いながら言われてしまった。…うん、騎士にも料理のイメージはないけどね。
「うん、ごめんね。」夜は私がやろう。そう思った。